Philosophy of the gentleman

Mr.紳士の哲学

紳士の哲学では、紳士道を追求するにあたり、
是非参考にしたい紳士の先人たちのインタビュー・記事を通して学んでいきます。

來住尚彦

アートフェア東京 エグゼクティブ・プロデューサー

ファッション哲学

「最後は、美しいものが勝つ」

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「來住って面白いやつだな」】
「TBSを辞めてアートフェア東京のエグゼクティブ・プロデユーサーになった方だ」と聞いていたので、初老の紳士をイメージしてインタビューに伺ったら、「郷ひろみ」のような若々しいスレンダーな方が登場した。
來住さんは、学生の頃、タレントオーディションを受けたり、バンドでデビューしようとするほど音楽が好きでのめりこんでいた。
大学は理工学部。
TBSにもエンジニアとして入社したが、すぐに自分がやりたいのは「番組制作だ」と移動願いを出した。
当時のテレビ局は懐が深く、「朝から晩まで、レコード室で音楽を死ぬほど聴きまくっていてもよかったんです」。
エンジニアとして、放送開始と終了のときに試験電波を流す仕事がある。
その時に、自分の気に入った曲をかけていたらそれが評判となり、番組制作へ移動できた。
「誰も見ていなくても、聴いていなくても、一生懸命やっていたら注目された。
來住って面白いやつだなって周りの見る目が変わっていくのを感じました」。

【すべては、いまこの時のためにある】
そこからラジオの音楽番組を任され、年間300本ほどライブに通っていると、TBS社屋の跡地利用でライブハウス「赤坂BLITZ(ブリッツ)」の企画プロでユーサーになり、支配人も経験した。
その後、スぺ-スをメディア化した「赤坂サカス」推進部長となり、それまでの人生のすべてをかけて打ち込んだ。
そこに、ロンドンのアートフェアのオファーがあり、アートフェアというものに触れる機会を得た。
來住さんはロンドンに飛び、今度は自分でアート制作を始めるが「自分の役割は、アーティストたちがきちんとプレゼンできる場を提供することではないか」と考えていた。
そこに「アートフェア東京」から誘いがきた。
そして、2015年エグゼクティブ・プロデューサーに就任する。

【国内最大アートの見本市に約6万人】
「アートフェア東京」とは、国内外のギャラリーが出展し、古美術、工芸から近現代アートまで、幅広い作品を展示するだけでなく購入することができる国内最大のアートの見本市だ。
2015年のギャラリー等の出展数約140軒、4日間で入場者は55000人、売上は10億円を突破した。
アンディ・ウオーホルやシャガールなども出品され、中には会期中に売り切れてしまい追加展示を行ったギャラリーもあるほどだ。
「アートフェアに僕のような人がもっと増えてくれればいいですよね。
今までアートにそれほど興味はなかったんだけどセンスがあって、お金があって、わがままな人。
わがままというのは、好きなら買うという意味です。
『アートはわからないから勉強しなくちゃ』と多くの人は言うんですが『これカッコいい、素敵ね』って買うような客層が増えてくれればと思っています」。
赤坂BLITZの時のように「1個ずつ全部ストーリーを考え、アイテムを考え、シーンをイメージして、どうすればどう人が動くかを考えないと嫌なんです」という來住さんが挑む、今年のアートフェア東京。
今から楽しみだ。

來住尚彦

來住尚彦
アートフェア東京 エグゼクティブ・プロデューサー

1985年早稲田大学理工学部工業経営学科卒業後、東京放送(現TBSホールディングス)にAudioエンジニアとして入社。1年後に、ラジオの音楽番組の制作に移動。96年にTBSが経営するライブハウス「赤坂BLITZ」立上げにかかわり支配人に就任。全国ツアーのプロデユースやコンサート等の演出も。2008年エンターテインメントエリア「赤坂Sacas」を立ち上げ推進部長。15年TBSホールディングスを退社し「アートフェア東京」エグゼクティブ・プロデューサーとなる。一般社団法人アート東京設立。アーティストのプロデユース多数。

 

座右の銘
「僕には失敗はない。それは失敗ではなく経験だから」
おススメの本
小さい頃から、「35歳まではたくさん本を読んで、それ以降は読まない」と決めていました。今でももう一回読んでみたいのは『徳川家康』(山岡荘八著)です。
おススメの映画
『ライフ・イズ・ビューティフル』は、何回観てもいいです。

 

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。