Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」 TODAビルの中です

2022年にスタートし、全国を3年かけて回って東京に戻ってきました。70万人以上動員したこの展覧会、15回目となる「ヨシタケシンスケ展かもしれない」は、会場が広くて巡回展の内容だけでは展示物が足りません。そこで「たっぷり増量タイプ」となりました。「たっぷり増量タイプ」で増えた分はここ東京会場でしか見られないものもあります。さらに、公式図録には、展示に採用されず巡回のスタート時には没になった展覧会のために描いた未公開スケッチが1000点以上『こっちだったかもしれない』となっています。

©Shinsuke Yoshitake

「こんなことってあるよねぇ」と、ふふっと笑えるヨシタケワールドへようこそ。マスコミ向け内覧会に登場したご本人曰く「どうでもいいことと大事なことを両方とも喜んでもらえる、両方とも笑いものにできるということ、それはすごく嬉しい」とのこと。

ヨシタケシンスケさん好きにはたまらない内容です。

ヨシタケさんは、筑波大学大学院芸術研究科総合造形コースを修了し、ゲーム会社に就職しますがストレスで半年で辞めてしまいます。そして、昼は広告美術、夜はイラストレーターを14年ほどされ、絵本作家としてデビューしたのは40歳の時。イラストを見た絵本の編集者から誘われて誕生したのが代表作『りんごかもしれない』(ブロンズ新社刊)です。

もう ぬげない』(ブロンズ新社 刊)『りゆうがあります』(PHP研究所刊)などで、7度にわたりMOE絵本屋さん大賞の1位を獲得しています。『りんごかもしれない』で第61回産経児童出版文化賞美術賞、『つまんない つまんない』(白泉社刊)の英語版で2019年ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞しています。

さて、会場の入り口に行くと、まず看板を持ったキャラクター「受付の人があなたにひとめぼれするかもしれない」が迎えてくれます。思わずにっこり。私に「ひとめぼれした」みたいな 顔をしてほしいなぁ。途中には「つまんなそうにしてたら係の人がコチョコチョしてくるかもしれない」という看板が。そんなこと、あったらいいなぁ。

©Shinsuke Yoshitake

展示されているのは、ヨシタケさんが絵本作家になるずっと前から長年にわたって身の回りの出来事や思いついたこと、考えことを書き留めた小さな愛用の手帳に小さく描かれたスケッチ。思いついたことや、考えたこと、ヨシタケさんにとって大事なことが書かれています。壁に天井まで貼られたスケッッチの複製は7500枚以上と壮観です。

絵はモノクロで小さく、近づかないと見えないぐらい。絵本の制作過程をたどるアイデアスケッチやラフ、原画も紹介されています。

©Shinsuke Yoshitake

また、「絵本の世界を体験できるようにした」とヨシタケさんが語る、大人も子供も遊べる空間が楽しくて、つい遊んじゃいました。

これ、なかなかリンゴが口の中に入りません。口に入るとどうなるのか知りたいのに・・、と思っていたら、隣に元バスケ部の人がやってきて、スポンスポンと入れてくれます。嬉しい反面、なんで自分は入らないのかと悔しい気持ちも・・。

©Shinsuke Yoshitake

つり輪の森は、絵本『あつかった らぬげばいい』(白泉社刊)の中の一節で「おとなでいるのにつかれたら あしのうらをじめんからはなせばいい」を体験できます。本当につり輪にぶら下がれるんですよ。そしてここだけの秘密を書いて誰にも見せずにシュレッダーにかける「あなただけのヒミツをつくろう!」。どれもこれもワクワクします。

©Shinsuke Yoshitake

おしごとそうだんセンター』(集英社刊)の長い棚書店をイメージした、電車のベンチでは座って絵本が読めます。運転席にも座れますよ。 

隣接するテーマカフェ「ヨシタケ飲食店かもしれない」(2025年3月20日~6月3日)はファミリーレストランをコンセプトに、ヨシタケさんの世界で溢れています。ドリンクバー(セット690円税込 単品890円税込)は蛇口から、リンゴドリンク、オレンジドリンク、紅茶が出てきます。「色々混ぜると楽しいですよ」とヨシタケさん。

©Shinsuke Yoshitake

「おとなもこどもも みなさまランチ」(3990円税込)「ヨシタケシンスケ焼き(790円税込)」「いつか明太子クリームパスタになりたいパスタ(1590円税込)」「ちいさな神さまみなかった? ~このプリンアラモードのなかにいるはずなんだけど~」(2090円税込)など、色々食べてみたい。

©Shinsuke Yoshitake「おとなもこどもも みなさまランチ」

 

ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」2025年3月20日(木・祝)~6月3日(火)

CREATIVE MUSEUM TOKYO(中央区京橋1-7-1TODA BUILDING6階) 展覧会公式サイト:https://yoshitake-ten.exhibit.jp/tokyo/

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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