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「教えて、ブルーアイランド先生! 新国立劇場で学ぶオペラの歴史」スタートです

大人気企画、作曲家でマルチタレントの青島広志先生と学ぶレクチャーイベント新国立劇場で始まりました。

昨年度は「西洋音楽史」。今年度は「オペラの歴史」です。今回、募集してすぐに完売となり、追加募集もありましたが、そちらもあっという間になくなるほど。ファン待望のイベントです。

この企画は、バロックから近・現代までの音楽史を6ブロックに区切り、対象となる時代のオペラの作曲家についてお話しいただきます。楽しくユーモア溢れる青島先生のトークとピアノ演奏、さらにホワイトボードを使ってしっかりと受講者が理解できるように解説があり、ゲスト歌手の歌唱を交えながらの深い説明はとても興味深く、オペラ好きにはたまりません。

10月20日(日)第1回目のテーマは、バロックモンテヴェルディの『ポッペアの戴冠』を取り上げました。

青島先生は、始まる前に軽妙なトークで会場の空気を和ませます。オペラデビューの方、愛好家の方など、年齢層も幅ひろく20代からご年配の方まで、お一人でいらしている方、友達同士で和気あいあいとおしゃべりされている方など、様々です。トークが始まるとそれぞれが食い入るようにメモを取りながら先生の話を熱心に聞きました。

まずは古代。古代ギリシャの碑文に「歌があった」と書かれているのですが、何も残ってはいません。次が中世でグレゴリオ聖歌の時代。そしてルネッサンスから、オペラが盛んになったバロックへと続きます。

史上最初のオペラはヤコポ・ペーリ作曲の『ダフネ』ですが、一部しか残っておらず、現存最古のものはペーリの『エウリディーチェ』。そして1607年、クラウディオ・モンテヴェルディの『オルフェオ』が上演されオペラ最初期の傑作と言われるようになりました。

オペラ『オルフェオ』、『アリアンナの嘆き』から一曲ずつ歌い、いよいよ『ポッペアの戴冠』です。

物語の解説があり、まるでオペラの舞台を見ているかのように情景が浮かびます。どのような人物で、どんな相関関係があって、どんな場面でその曲を歌うのか。登場人物が実在の人物だということにも驚きます。日本ではほとんど上演がないので、なかなか見ること、聴くことができない演目です。

最後には、配られた楽譜を見ながら全員で合唱もしました。声を出すってホント、開放されます。日本語ですから意味も分かるのが私にとっては嬉しいところ(笑)。

知識が深まり勉強になり、自分の教養の幅が少し広くなったような気すらします。

イベント後のインタビューで、青島先生は、格式ある新国立劇場でのレクチャーイベントに登壇させていただいていると感謝の言葉を述べたあと、「自分は作曲家ですから、作曲家の気持ちはだいたいわかります」とお話しくださいました。

これだけ造詣が深く、長い間、東京藝術大学で教鞭をとられてこられた経験からでしょう。とてもわかりやすく、そして楽しく充実した時間を過ごさせていただきました。

今回含めて全6回です。最終回、2025年3月23日の青島先生作曲の『黄金の国』は、遠藤周作の小説『沈黙』の前日譚です。『黄金の国』は戯曲で、『沈黙』は小説です。青島先生の東京藝術大学作曲家の修了作品であり、藝大図書館が購入した作品でもあります。もしまだ空きがあったら、ぜひ。 入場料は1000円です。詳細はコチラをご覧ください

*2024年10月23日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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