Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

「民藝 MINGEI 美は暮らしの中にある」展 世田谷美術館

新緑に包まれる世田谷美術館で「民藝 MINGEI 美は暮らしの中にある」展が開かれています。

名もなき職人たちが作りだす普段使いの日用品を民藝と名付け、価値を見出した100年前の思想家・柳宗悦。伝来や由緒、銘にこだわらず、自分が美しいと直感したものを調査、研究、発見、蒐集しました。

柳は顧みられなくなっていた日本の手仕事の価値をあげようと、新しい美を広める「民藝運動」を繰り広げました。柳を中心に、陶芸家の濱田庄司、河井寛次郎、富本憲吉、イギリス人のバーナード・リーチ、やがてそこに染色家の芹沢銈介、版画家の棟方志功も加わり大きく広がっていきます。

コロナ禍を経て、暮らしを豊かにデザインすることの大切さに改めて気づき、さらに地方に残る伝統的な手仕事を残したいという思いにかられ、使い込むほどに美しくなる日常使いのものたちを再発見しました。今の民藝ブームは、伝統を新しいものと見立て、オリジナルを現代的な感性とつなぎ、暮らしに取り入れようというものです。

会場は、3つのゾーンに分かれています。「1941生活展」では、1941年に日本民藝館で柳が開いた「生活展」柳はライフスタイルを提案しましたものを再現しています。ダイニングテーブルの上にカップ&ソーサー、壺などを並べ、テーブルコーディネートの展示は、当時は画期的でした。

暮らしの中の民藝」では、美しいデザインの数々です。山形の刺子足袋の美しいことといったらありません。保温性を高めるための刺子ですが、実に美しい。

右)刺子足袋 羽前庄内 1940年頃 日本民芸館蔵

展示風景

 

最後が「ひろがる民藝」。これまでとこれからを考えます。

この展覧会では、柳が日本各地や世界で収集した名品を中心に約150点が展示されています。

 

「民藝 MINGEI 美は暮らしの中にある」 4月24日~6月30日(日)世田谷美術館 HPはコチラ

*2024年5月6日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます*写真は、マスコミ向け内覧会で特別な許可を得て撮影しています。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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