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紳士のたしなみ

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「獺祭デザインアワード2018」授賞式開催

2018年12月17日「獺祭デザインアワード」の授賞式が開催されました。

精米歩合50%以下の純米大吟醸だけを醸造する「獺祭」は、今や超人気の日本酒として知られています。倒産の危機や事業の失敗を立て直すための逆転の発想で、杜氏を置かず社長と社員で酒造りを行い、年間を通して造れるように蔵の中を摂氏5度に保つ空調設備を導入し、香りやふくらみをそのまま活かすために遠心分離システムを使ったり、挑戦と変革を続け、押しも押されもしない憧れのブランドを創り上げました。現在、日本国内はもちろん世界20カ国以上に輸出され、2018年6月にはパリに「Dassaï Joël Robuchon(獺祭ジョエル・ロブション)」をオープンし、2020年にはニューヨーク郊外に酒蔵が完成する予定です。

今までの既成概念にとらわれないイノベーションは、ネーミングやパッケージ、販売方法やマーケティング、クリエイティブ戦略にまで及び、このたび、若手クリエーターとのコラボレーション企画を立ち上げました。「獺祭」のメインブランド「純米大吟醸二割三分」の化粧箱デザインを職業・国籍を問わず広く募集し、最高賞作品は実際の化粧箱にして販売するというもので、約3ヶ月で402点が集まりました。

 

審査員は、旭酒造桜井博志会長を筆頭に、「Soup Stock Tokyo」などを展開するスマイルズ遠山正道代表、世界を渡り歩き「SUGALABO」を立ち上げた須賀洋介シェフ、そしてこの「男子専科STYLE」でもおなじみの画家で女優の蜷川有紀さん、「紳士の哲学」でインタビューさせていただいた「Water Design」の坂井直樹代表。

会場には、ファイナリスト作品15点が展示され、クリエーターたちも出席し、「磨き二割三分発砲にごり酒 獺祭」がふるまわれる中、優秀賞5点と最高賞1点が発表されました。

 

最高賞に選ばれたのは、会社を立ち上げたばかりの若者3人グループで岡島凱さんと共同制作の金澤コーリすみれライトさん、岡島琳さんです。

獺祭の獺はカワウソという字。獺祭というのは、カワウソがとらえた魚を岸に並べ、まるで祭りをするように見える様子を言うのだそうですが、「その様子をシンプルにし、カワウソが好きな鯉を背中に乗せているところです。日本の象徴である鯉を背中に、カワウソ自身は遠く世界を見渡している。背景には旭酒造の朝日が輝き、日本的でありながら世界を相手に勝負するのが描かれています。カワウソの目の中には世界地図を描きました。各面の印象を変え、品格、新しさの両立を目指した」という制作意図です。

審査員の坂井さんは「普段の獺祭のパッケージデザインはミニマムで高級感がありますが、それに対してこれはハレのデザインで華やか」蜷川さんは「獺祭のカワウソってどんなんだろうとずっと気になっていた」須賀さんは「物語が感じられる」遠山さんは「アニメ的なところが面白い」桜井会長は「パッケージというのは、常に変わらぬ思いを伝える大切なお客様への手紙です。であるがゆえに大いなる停滞を招きかねません。今回の受賞作品は今までのスタイルからガラッと変わっています。変化こそ未来の可能性です。私はこのデザインが好きです」とコメントしていました。

平面で見ると、驚くほど斬新な絵ですが、これが立体になると実に面白い。それぞれの面で様々な表情を見せ、個性的で独創的で、他にはない世界感です。

この化粧箱が出回るのは1月中旬以降から、国内外で5万本が予定されています。見かけたら、ぜひデザインに注目してみてください。美味しい美味しいって、飲んでばかりじゃなくてね(笑)。

ファイナリスト作品はコチラの公式サイトで公開しています。

*2018年12月28日現在の情報です。*写真と記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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