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紳士のたしなみ

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アーティゾン美術館が新収蔵品を一挙大公開。

アーティゾン美術館「STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」では、新収蔵作品を一挙に公開中です。

これまでのコレクションは、印象派や日本近代洋画が中心でしたが、20世紀初頭から現代までの美術、日本の近世美術などにも幅を広げています。

キュビスム、マティス、マルセル・デュシャン、抽象表現主義の女性画家、瀧口修造と実験工房、オーストラリアの現代絵画など未公開の新収蔵作品92点を含む201点、および芸術家の肖像写真コレクション87点が展示されていてボリューム満点。

藤島武二の「東洋振り」の美しさはもとより、どれもこれも名作ばかり。

藤島武二「東洋振り」1924(大正13)年

ルノワールの「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」、ピカソの「女の顔」、セザンヌの「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」、カンディンスキー「自らが輝く」、クレー「数学的なヴィジョン」、ミロ「絵画」・・・。

そして倉又史朗と田中信太郎のSectionがとてもが魅力的です。

倉又史朗は、インテリアデザイナー、空間デザイナー、家具デザインの分野で世界で活躍した人物です。1986年に旧ブリヂストン本社ビルが大規模な建築改修工事を行ったとき、空間デザインを担当し、その時に親交のあった田中信太郎の「ソノトキ音楽ガキコエハジメタ」を1階ホールに設置しました。

田中信太郎は造形作家で、1960年に前衛美術集団に参加したのち、1968年にシンプルな素材のみを使ったインスタレーションでデザイナーや建築家に衝撃を与えました。1985年からは立体と絵画を組み合わせた作品をてがけはじめ、1991年の個展では絵画作品を発表しました。今回、展示されている「Heliotrope 2008」にはくぎ付けになります。作品の前に立つだけで心地よく、癒されます。

また、オーストラリア美術―アボリジナル・アートにも魅かれます。

オーストラリア美術は数年前から収集をはじめ、2017年にアボリジナル・アートを代表する画家のひとりノウォンギーナ・マラウィリィの「ボウンニュー」を含む6点を収蔵しています。ユーカリの樹皮に自然顔料でデザインを描く伝統絵画は、地域で何世代も受け継がれてきました。「ボウンニュー」というのは、カミナリ男の精霊のことで、ボウンニューのおこすカミナリによって雨が降り注ぎ、川を増幅させ、湖が出現するその大地を表現しています。素朴であたたかい作品です。

それにしても石橋財団の底力には驚かされます。これからもずっと素晴らしい作品を見続けさせてくれますように。

 

アーティゾン美術館 「STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」2021年2月13日(土)~5月9日(日) 日時指定予約制 無料音声ガイド

会 期:2021 年 2 月 13 日(土)~5 月 9 日(日) 開館時間:10:00 ~18:00(毎週金曜日の夜間開館は、当面の間中止) *入館は閉館の 30 分前まで 休 館 日:月曜日(5 月 3 日は開館) 入館料(税込): 日時指定予約制 ウェブ予約チケット 1,200 円、当日チケット(窓口販売)1,500 円、学生無料(要ウェブ予約)*中学生以下はウェブ予約不要 HPはこちら

*スマートフォンとイヤホンを持っていくとアプリで無料音声ガイドが楽しめます。

*2021年2月19日現在の情報です*写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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