Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

オペラを映画館で楽しむMETライブビューイング『ランメルモールのルチア』

サイモン・ストーンの演出が斬新なドニゼッティのオペラ『ランメルモールのルチア』がMETライブビューイングで上映中だ。サイモン・ストーンは、映画、テレビで知られるオーストラリアの演出家で、オペラの演出デビューは2016年。METは、初演出となる。原作は、19世紀のスコットランドの衰退する貴族社会が舞台だが、今回は現代のアメリカのラストベルト(寂れた工業都市)という設定だ。

17歳のルチア(ネイディーン・シエラ)は、兄のエンリーコ(アルトゥール・ルチンスキ)に、政略結婚を迫られている。仇同士の関係のエドガルド(ハビエル・カマレナ)と恋仲のルチアだが、兄の策略で兄の望む結婚相手と結婚させられることに。エドガルドとの関係はどうなるのか・・。

(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera

舞台上でルチアを追う撮影隊が映し出す映像が大きな画面に投影される。サイモン・ストーンは「映像は、声を奪われた人に声を与える役割を果たす。台本は変えられないので、ルチアの視点で、彼女という人間を見せるために使った」と語る。彼女が、恐れ、愛し、喜び、悩み、苦しむさまが、その顔と表情からまざまざと迫ってくる。

(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera

そのルチア演じるネイディーン・シエラは、いまのりにのってるコロラトゥーラソプラノだ。フロリダ生まれの34歳。狂乱の場の集中力はすさまじい。そして、『連帯の娘』のトニオ役でハイCの連発が記憶に新しいエドガルド役のハビエル・カマレナの、艶やかで甘い声が会場を哀しみで包み込む。

ベルカントで評価の高い指揮者、リッカルド・フレッツァの、歌を最優先に置いた指揮がさえ渡る。マリア・カラスも歌ったことがあるルチア。現代の感覚で、身近に楽しめる作品に生まれ変わって登場だ。

 

7月7日(木)まで 詳細はコチラ:https://www.shochiku.co.jp/met/program/3762/

 

*2022年7月4日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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