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紳士のたしなみ

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カラフルでポップな、バレエ「不思議の国のアリス」が初登場。

新国立劇場 バレエ新制作「不思議の国のアリス」の練習が始まって3週間目の公開リハーサルにお邪魔してきました。

2011年に英国ロイヤル・バレエで世界初演された作品が、オーストラリア・バレエとの共同制作で上演されます。

振り付けは、イギリス出身のクリストファー・ウィールドン。トニー賞やブノワ賞、ローレンス・オリヴィエ賞、レオニード・マシーン賞など数々の賞を受賞し2016年には大英勲章を授与されています。音楽は映画やテレビでも活躍するジョビー・タルボット、美術は数々の作品でトニー賞を受賞しているボブ・クロウリーという素晴らしいメンバーが集結しました。そのバレエを世界では6団体がレパートリー化し、日本では唯一、新国立バレエ団だけが上演を許可されています。

 

どのダンサーもまだ振付を覚えたばかりで、今は、細かい調整に入っているとのこと。クリストファー・ウィールドンの振付を丁寧に指導しているのが、ジャクリーン・バレットさんとジェイソン・ファウラーさんです。

まず、舞踏芸術監督の大原栄子さんが登場し、彼らの振り付け指導が、いかにきめ細やかで忍耐強くあきらめずにダンサーと向き合っているかを、話してくれました。「ディテールにこだわり、すべてを見逃さず、詳細な振り付けをしてくれます。そしてどう美しく踊るかを一人ひとりに愛をこめて指導してくれます」。その様子を実際に、見せてくれるという公開リハーサル。

最初に、不思議の国の登場人物の一人キャタピラー役の宇賀大将さん。キャタピラーの動きは、コンテンポラリーのような動きもあり、なかなか難しそう。細かい動きをひとつずつチェックしていきます。指先の表情、腕の角度、着地の向き。とても穏やかに、励ますようにジェイソンさんは声をかけます。

続いて、アリス役の米沢唯さんと白うさぎ役の木下嘉人さんが登場。

白うさぎは、物語の水先案内人ですから、きびきびと立ち回ります。さらに、ハートのジャック役の渡邊峻郁さんも現れます。ジャックは、アリスが恋する庭師ですからパートナー的な役割です。

ジャクリーンさんは、米沢さんの動きに、「そうよ、そうよ、いいわ」というように「Lovely」を連発します。米沢さんの動きはまさにLovely。練習を見ているだけでうっとりします。

 

最後に会場からの質問を受けました。

どんな作品ですかとの問いかけに、米沢さん「全員が全力じゃないと成り立たないプロダクションだと思います。どの役も難しくカンパニーの底力が問われます。そうした中、みんな笑顔で、ムードも良く練習しています」と言葉を選びながら、話しました。

渡邊さんは「リラックスムードの中で、一人ひとり能力を引き出してくれるような指導をしてくれます。時折ジョークを交えながら、楽しい雰囲気の中で踊っています」。

世界のそうそうたるカンパニーを見ている振付指導の先生たちに、新国立バレエ団はどうかと問うと、「呑み込みが早く、一度教えると翌日までにはしっかりと習得してきてくれます」と、とても高評価をいただきました。

 本番では、カラフルな衣装をまとい、ユーモアのあるダンスと、最新の照明、映像技術で構成された舞台で、ダンサーたちがどう演じてくれるのか。ダンサーたちはこうした経験を通じてどんどん成長し、技術力、演技力、すべての面でレベルをあげ、さらに大きく飛躍し、私たちに素晴らしい舞台を見せてくれるでしょう。それにしても、質問を受けているときの米沢さんの足元の綺麗なこと!さすがです。

 新国立劇場 バレエ新制作「不思議の国のアリス」 公演日程は11月2日(金)19時、3日(土・祝)、10日(土)13時、11日(日)14時

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*2018年10月6日現在の情報です *写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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