Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

グロッセ副社長・スプレーアートアーティスト「滝沢朝子展」

ドイツのコスチュームジュエリーブランド「グロッセ」の副社長滝沢朝子さんのスプレーアートが、東京で初めてお披露目される。2024年4月8日から13日まで銀座のギャラリーゴトウで40点ほどが並ぶ予定だ。

テーマは「Nature Spirit ~自然が生み出す美」スプレーアートとは、スプレー塗料を使って吹き付けて絵を描くアートで、発祥は電車や高架下の壁など公共の場に描かれる文字や絵だとされている。滝沢さんのスプレーアートから、北海道・北見の自然を全身で感じたい。

  <北海道放送のアナウンサーとして活躍>

滝沢さんは、新潟の神社の娘として生まれ、大学卒業後は北海道放送のアナウンサーとして活躍。赴任先の北見で結婚し、長女をもうける。数年後、仲良しの妹さんから、ドイツのジュエリーブランド・グロッセの日本法人の経営を手伝ってもらえないかと依頼された。そのころ、グロッセは、クリスチャン・ディオールのコスチュームジュエリーも手掛け空前のブームになっていた。 北見で夫はホテルの経営者であり、自分自身も充実した時間を過ごしていたが、青天井の世界で自分を試してみたくなり、家族そろって東京で暮らすことにした。

<コスチュームジュエリーブランドの経営者に>

最初は、クリスチャン・ディオールの日本展開で多忙を極め、ディオールとの契約が切れてからは、グロッセを育てることに専心する。グロッセは、1907年創業の歴史のあるブランドで、1937年のパリ万博ではファッションジュエリーのデザイン・技術分野で最高賞を受賞するなど評価も高い。50年間に渡ってクリスチャン・ディオールとパートナーシップを組み、ディオールのコスチュームジュエリーの製作と世界展開も任されてきた。 ドイツのマイスターワークを駆使して一つずつ手作りされている製品は、世界の名だたる美術館に収蔵されている。その品質とデザイン性からセレブリティに愛され、グレタ・ガルボやマレーネ・ディートリッヒも上顧客だった。その歴史は今も続き、グラミー賞公式ギフトラウンジに8回も採用され、アカデミー賞でも、去年、今年と主演女優賞候補に公式贈呈品として選出されている。今や、押しも押されぬ大ブランドとなっている。  

 

<スプレーアートとの出会い>

さて、滝沢さんのスプレーアートとの出会いは20年前にさかのぼる。まだ北見に住んでいた頃、画廊喫茶を営む方からの誘いで始めたのがきっかけだ。

「最初にやってみたときから面白くて、私の場合は自然って本当に素晴らしいという想いが強いんです。作品数が増えはじめたのは、父が亡くなった15年前から。『魂の飛翔・三部作』と呼ぶ、草木が揺れて、魂が昇り、自然と一体化する。宇宙に消えていって見守ってくれているという3作品を今でも大事にしていますが、そこから真剣に描くようになりました。とくにコロナ禍、リモートが進んで北海道で仕事をする時間が増え、自然の中に身を置く時間が増えたんですね。朝5時に起きて、清々しい空気の中で、隣接する森の木の葉や枝、草を摘んだりしながら対話するんです。主役はそれぞれの草木です。『ごめんね』って言いながら命を摘み取らせてもらって、キャンバスの上に置いて、作品にする。それは彼らに永遠の命をプレゼントしていることにならないかなって、思うんですね」。

自然が生み出す美をそこにとどめたい自然から人間は元気をもらえるということを実感した。

「時には、風のいたずらや突然の雨も手伝ってくれて作品が完成します。自然に生かされているってなんて豊かなんだろうと感じます」と目を輝かせる滝沢さん。

<幸せの循環を実現したい>

グロッセの会社理念も「多くの人に夢ときらめきを」である。顧客と接する社員が顧客を幸せにすることができれば、日本中が幸せになると社員教育に力を入れる。

「それができているということが、会社の実績になり成長にもつながるんです。そこを思わないと仕事って続けていられないと思っています。より美しくきれいなものをご提供して、美しいプレゼンテーションでお見せして、そこにいる人たちが幸せを感じられれば、サステナブルな幸せにつながるんじゃないでしょうか(笑)」。

どこにいても毎朝、神主として「払いたまえ、清めたまえ」と祝詞を上げ、神に祈りをささげている滝沢さんの後姿は神々しい。

「多くの人が心洗われて、いいことが舞い降りてきてほしいなと願っています」。 滝沢さんのそばにいると、こちらまで幸せの循環に巻き込んでもらえそうだ。

*2024年4月1日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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