Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

ヒューストン・バレエ「ジゼル」開幕

加治屋百合子さんの踊る「ジゼル」は、なんてきゃしゃで清楚で可憐なんでしょう。1幕目、ジゼルが亡くなるシーン。そして2幕目、愛する人との別れのシーンに思わず涙しました。ドラマティックで、息つく暇がないほどの展開は、さすがアメリカのバレエ団です。

芸術監督スタントン・ウェルチ版の「ジゼル」は、プリンシパル加治屋からインスピレーションを受けてつくり上げられたもの。ウェルチ自身、「私の人生を通しても最高レベルのジゼル」と言わしめるほどです。加治屋のキュートさや、かげろうのようなはかなさが物語をさらに充実したものにします。音楽が、より原作に近いため、今、我々が通常見ている「ジゼル」よりも曲が多く全2幕2時間35分の長尺です。

物語は、

村娘ジゼルは村人に扮した貴族アルブレヒトに恋をします。ところが、身分違いの貴族だということがわかり、裏切られたショックで命を落としてしまいます。数か月後の真夜中の森の中、悲嘆に暮れながらジゼルの墓にやっきたアルブレヒト。未婚のまま亡くなった若い娘たちの魂の姿、精霊ウィリたちが現れ命を奪われそうになりますが、ジゼルはアルブレヒトを守り、命を救います。

加治屋はもちろん、アルブレヒト役のコナー・ウォルシュもチャーミングです。そして男性群舞の力強さやダイナミックさに惹きつけられます。精霊たちは幻想的で恐ろしいほど。舞台美術も壮麗で、それぞれの衣装も繊細で見事ですから、オペラグラスでじっくり見たいところです。

スタントン・ウェルチの才能を目の当たりにした今回の舞台。世界のバレエ団の層の厚さを知りました。しかもコミュニティによって支えられ、地域に根付き愛されています。2025年7月12日まで来日。HPはコチラ

以前のヒューストン・バレエの記事はコチラ

*2025年7月6日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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