Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

プラハ・フィルハーモニア管弦楽団 来日公演 2025年10月8日(東京芸術劇場)

チェコからプラハ・フィルハーモニア管弦楽団がやってきています。誰もが知っている曲ばかり。さらに、いま人気のチェリスト宮田大やピアニストの松田華音が出演するとなったら、興味がわかないわけがありません。しかも、チェコの作曲家であるスメタナとドヴォルザークという選曲です。自国の作曲家の作品を自国のオーケストラはどのように演奏をするのか、期待が高まります。

まずはスメタナの交響詩「わが祖国」より「モルダウ」。モルダウは、チェコを南北に流れる国内最長の川です。冒頭、2つの水源を表すフルートとクラリネットの入りが素晴らしく、それが壮大な流れになり、うねり、駆け抜けます。ボヘミアを流れるモルダウ川が目に浮かぶようでした。川の流れを表しながら、国の苦難の歴史が表現されています。

そして、ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」は、宮田大がソロを演奏。宮田大のファンも多く詰めかけているようで、そのテクニックの素晴らしさにため息をついていました。チェロの音色を満喫できた演奏です。ドヴォルザークは、アメリカに渡りこの曲を作って望郷の念が募り、ついに帰国してしまったのだとか。

宮田大のアンコール曲は、マーク・サマーの「ジュリー・オー」。指でピッツィカートを弾き、弓でも弾き、交互に使って民族音楽的な感じもする、とらわれない音楽です。

3曲目が、ドヴォルザーク「交響曲第9番 新世界より」。この曲は、ドヴォルザークがニューヨークの音楽院の院長としてアメリカで生活していた時に故郷を想いながら書きました。とくに、第二楽章の「家路」は、日本でも有名で、私は子供の頃、夏のキャンプファイヤーの時に「遠き山に日は落ちて~」とよく歌っていました。今、思うと、どうしてキャンプファイヤーの時にいつもチェコの曲を歌っていたのでしょうか。主要な主題を吹くオーボエより低い音域の出るイングリッシュホルンが、どこで息継ぎしているかわからないほど息が長く続き、哀愁があり素晴らしかった。ひときわ大きな拍手をもらっていました。

アンコールは、ドヴォルザークの「スラブ舞曲第15番」。明るく元気の出る曲でした。

指揮は、ベテランのスワロフスキー。マエストロは、この曲たちを一体何千回目振っているのだろうという手慣れた感じ。演奏会はまだ間に合います。詳細はコチラ

 

*2025年10月9日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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