Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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ルーシー・リーの、繊細で美しい世界 東京都庭園美術館

20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リーの作品は、エレガントで繊細な色と形に彩られています。「ルーシー・リー展東西をつなぐ優美のうつわ」が東京都庭園美術館で2026年7月4日(土)から始まりました(9月13日(日)まで)。

国内のリーの作品が67点、そのほか交流のあったヨーゼフ・ホフマン、バーナード・リーチ、ハンス・コパーなどの作品も合わせて展示されています。

ルーシー・リー《青釉鉢》1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託)

オーストリア・ウィーンでユダヤ系の裕福な家庭に生まれたリーは、ウィーン工芸美術学校でろくろを用いた制作に魅了され、陶芸の道へ進みました。当時のウィーンは、高い美意識の総合芸術で生活を彩るという理想を掲げていた「ウィーン工房」の作家たちが活躍していました。こちらはリーのウィーンでの作品。色合いも花のようなフォルムも、独創的で可愛らしいです。

ルーシー・リー《鉢》1926年頃 個人蔵

下の写真のリキュールグラスは、ウィーン工房の創設者の一人、建築家でデザイナーのヨーゼフ・ホフマンのデザインです。

上野リチ・リックス(装飾)/ヨーゼフ・ホフマン(形)《リキュールグラス》1929年[1917年(形)/1929年(装飾)] 京都国立近代美術館蔵

リーはすでに作家としての地位を確立していましたが、第二次世界大戦がはじまる直前の1938年にはナチスの迫害を逃れるためロンドンに渡ります。戦争中は、生活のために器と同じ素材を使って陶でボタンをつくると大人気となりました。様々な色があって、形もユニーク。後に、三宅一生も魅せられ1989年にリーのボタンを使ったコレクションを発表しています。

ルーシー・リー《ボタン》(一部)1940~50年代 公益財団法人岡田文化財団パラミタミュージアム蔵

  

ロンドンで、イギリス陶芸界の中心的な役割を担っていたのがバーナード・リーチです。リーチは日本の民藝運動に一役かった著名な作家であり、リーも交友を深めました。民藝運動というのは、名もなき職人が作る日常品の中に美があるという考え方です。こちらはリーチの作品。大昔のギリシャの器を手本に作った大きなタコの絵の皿です。大きくて重そうで、肉厚です。

バーナード・リーチ《蛸図大皿》1925年 国立工芸館蔵

リーチは、リーの繊細で優雅なフォルムではなく、もっと肉厚で無骨なものがよいと評論します。この頃、リーの作風は東洋からも影響を受けていると考えられています。

戦後、リーは陶器制作を再開することができ、自らのスタイルを確立します。1970年以降(リーは68歳)に制作した鉢と花器は特徴的です。ろくろから生み出される優雅で上品な形、象嵌や掻き落とし技法による文様、釉薬によって生み出される深い色彩など、私たちが「リーらしい」と思う作品群が並びます。

ルーシー・リー《鉢》1968年頃 京都国立近代美術館蔵

左:ルーシー・リー《溶岩釉鉢》1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託) 右:ルーシー・リー《練り込み花器》1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託)

前述した三宅一生は、ロンドンのリーの仕事場を訪ね親交を持ち、1989年に日本で最初のリーの大規模展覧会を開催しました。優雅で上品なフォルムと見事な色彩は、見る者の心を浄化し、とらえて離しません。

ルーシー・リー≪ブロンズ釉花器≫1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託)

 

ルーシー・リー展東西をつなぐ優美のうつわ」東京都庭園美術館 2026年7月4日(土)~9月13日(日)10時~18時 毎週月曜日休館(7月20日は開館、7月21日は休館)日時指定予約制 詳細はHPでご確認ください。

*2026年7月8日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

 

 

 

 

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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