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ヴァレンティノの衣裳が話題のオペラ、ソフィア・コッポラ演出『椿姫』来日

イタリアの名門オペラハウス、ローマ歌劇場が2018年9月9日、日本にやってきます。演目は『椿姫』と『マノン・レスコー』。

特に人気なのが、ヴァレンティノが衣装を担当し、ソフィア・コッポラが演出をした『椿姫』。現地、ローマ歌劇場で上演された15日間は、ほぼ売り切れ状態でした。

(c)Yasuko Kageyama / TOR

ソフィア・コッポラは、衣装のヴァレンティノ・ガラヴァーニからのご指名。今年86歳のヴァレンティノは、以前から『椿姫』の衣裳がつくりたかったと、大半のリハーサルに自ら顔を出し、キャストの位置や照明の具合まで細かくチェックしていたそうです。

ソフィア・コッポラは、ハリウッドで数々の大作を手掛け、アカデミー賞美術賞に3度ノミネートされているネイサン・クロウリーに舞台美術を依頼しました。そして衣裳がはえるような舞台にしてほしいと伝えました。

(c)Yasuko Kageyama / TOR

 大胆でシンプルでスケールが大きい舞台にたたずむゴージャスな衣装をまとった主人公、ヴィオレッタ。フォローラとコーラスは、ヴァレンティノの精神を継承するマリア・グランンツイア・キウリが手がけました。美しい衣装、空間を効果的に使った舞台美術、息をのむことでしょう。

 

さて、『椿姫』は、ヴェルディのオペラの中でもっとも有名で、約160年間人々から愛され続けている作品です。

18世紀初頭、パリで裏社交界をにぎわす高級娼婦ヴィオレッタ。純粋なアルフレードはヴィオレッタに恋をし、2人は共に暮らし始めるのですが、そこに登場するのがアルフレードの父親です。父親は、アルフレードの妹の縁談にさしさわるからヴィオレッタに身を引くように迫ります。彼女は父親との約束を守りパリに戻ります。ほかの男をパトロンにして暮らしているヴィオレッタですが余命僅か。彼女の望みは最期にアルフレードに会うことでした・・。

(c)Yasuko Kageyama / TOR

 

ヴィオレッタ役にフランチェスカ・ドット、アルフレード役にはイタリア人テノール、アントニオ・ポーリと、現在の第一人者がキャスティングされました。アルフレッドの父親ジェルモンにはアンブロージョ・マエストリ。マエストリはリッカルド・ムーティがミラノ・スカラ座の音楽監督だった時にヴェルディ歌手として活躍したバリトンで、日本では2013年ミラノ・スカラ座日本公演の『ファルスタッフ』でタイトル・ロールを歌っています。

 

この舞台、すでに日本でも映画で公開されていて、キャストはその時と同じフランチェスカ・ドット、アルフレード役にアントニオ・ポーリー、指揮者も一緒です。

指揮者ヤデルは、財政難から2014年にリッカルド・ムーティがローマ歌劇場終身名誉指揮者から離れることになったときに『アイーダ』を代役として振った人物です。その気鋭の指揮者ヤデル・ビニャミーニという布陣で見せる『椿姫』、心が躍らずにいられましょうか。

 

カルロ・フォルテス総裁は、ローマ歌劇場にイタリアらしさを存分に取り入れ、若い世代を取り込もうと立て直しを図っています。この作品を見ると、オペラファンのみならず、ファッションが好きな人、映画好きな人といった幅広いファンを集客しています。

 

(c)Yasuko Kageyama / TOR

さて、来日公演の入場料は、S席が5万4000円、A席4万7000円、B席4万円、C席3万3000円、D席2万6000円、E席1万9000円、F席1万2000円。学生券は8000円と、かなり敷居が高くなっています。

これは難しいと頭を抱える方もいらっしゃるかもしれませんが、海外の歌劇場の引っ越し公演というのは、建物以外すべてを日本に持ってくるため300人から500人を招聘します。その人たちが滞在している間の宿泊だけでも5000から8000泊にもなり、日本への海外旅行者が増えている今、ホテル代も高騰し、どうしても入場料が高くなってしまうそうです。

しかし、冷静に考えてみれば、海外旅行の費用はかからず、現地の歌劇場では字幕もつきませんから、日本に居ながらにして本物が見られるなんて、そんなチャンスはめったにありません。

一足早く、今、話題のオペラを体験したいなぁ、と私の夢は枯野を駆け抜けるのでした・・!

 

 *2018年9月2日現在の情報です。*記事、写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

http://www.geocities.jp/officewe_homepage/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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