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紳士のたしなみ

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三菱一号館美術館「“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで」

6月13日(土)~9月23日(水・祝)まで、「三菱一号館美術館で“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで」が開催されています。この展覧会では、カフェで生まれた芸術をたどり、印象派、ゴッホ、ロートレック、ピカソ、そしてバルセロナが誇るカザス≪マドレーヌ≫が見られます。

ラモン・カザス≪マドレーヌ≫1892年

オペラ好きな方は、「ラ・ボエーム」の世界を思い浮かべるとよいかもしれません。パリの屋根裏部屋で共同生活する貧しい4人の若き芸術家たち。これは、実体験をもとに描かれた1830年の作品です。芸術家が共に暮らし刺激し合う。そうしたことが日常でした。

19世紀後半、パリでは、詩、文学、音楽、絵画などの芸術家たちがカフェに集い、議論を戦わせ、新しい文化をつくりあげていました。それまで美術の世界では公式のサロン(官展)が発表の場で、そこに出品し、審査を受け、入選あるいは賞を得ることが画家として成功する唯一の道でした。しかも題材は宗教画か古典の物語を描いたものとおおよそ決まっていました。こうした時代に登場したのが詩人のボードレールです。「いまを表現することが重要だ」と説き、新しい流れが生まれます。

当時珍しかった、いまのパリの街を描いたマネ。彼を慕ったモネやルノワール、ピサロ、ドガが集まったのが「カフェ・ゲルボワ」です。彼らは、後に印象派となりました。特にドガは、踊り子や劇場、カフェの人々を描いています。

エドガー・ドガ≪赤い服の踊り子≫1897年頃

踊り子の何気ない仕草です。実家近くにあった旧オペラ座の舞台裏に入って様子を見ていたようです。

カフェが活発になり多様化し、歌やダンスのショーを見せる常設の舞台を持った「カフェ・コンセール」や「キャバレー」が生まれました。そして広告文化が花開き、ポスターが誕生しました。多色刷りの技術が開発されたのも一つの要因です。

展示風景

パリの頭脳と呼ばれた「シャ・ノワール(黒猫)」は、1881年にロドルフ・サリスによってモンマルトルに開店した芸術性を売りにしたキャバレーです。既存の価値観にはないものに新たな可能性を見出そうとした人たちから人気を博しました。雑誌を創刊し、画家リヴィエールの洗練された影絵芝居、ポスターにスタンランを起用しました。

テオフィル・アレクサンドル・スタンラン≪シャ・ノワール巡業講演≫1896年

彼は、これ以降、アールヌーボウを代表するデザイナーの一人となります。「シャ・ノワール(黒猫)」や「ムーラン・ルージュ」にはロートレックや、ゴッホがつどい、ロートレックはカフェコンセール 「デイヴァン・ジャポネ」やキャバレー「ル・ミルリトン」の常連となりました。

バルセロナの近代美術を牽引したカタルーニャ出身の画家カザスやルシニョルは、有名店「シャ・ノワール」に倣い、バルセロナに1897年に「クワトラ・ガッツ(四匹の猫)」を開店。そこには若かりし頃のピカソも通います。ピカソは“カフェ”文化に影響を受け「青の時代」へと向かいます。

ラモン・カザス≪ペラ・ロメウと4匹の猫≫1897年頃

三菱一号館美術館では、展覧会を愉しむための様々な企画があります。

まず、カラーコーデ割。メインビジュアル≪マドレーヌ≫からルージュ・クラシックをとりあげ、赤を着ていった人がチケット窓口で「カラーコーデ割を」と声をかけると割引になります。こちらは、記者会見の模様ですが、館長がコーデ割(笑)。

1日限りの仮装イベントも開催されます。7月25日(土)15時~20時

19世紀のパリでは、仮装で人気を博したカフェもありました。本格的にコルセットドレスや、バッスルスカートでベル・エポック風にして華やかに来場するもよし、手袋や扇子、レースのヘッドドレスだけでも、気分は盛り上がるでしょう。

ラッキーキャットデーは、にやんにやんの7月22日(水)、8月22日(土)の10~18時。「シャ・ノワール(黒猫)」と「クアトラ・ガッツ(四匹の猫)」にちなんでいます。会場のあちこちに猫ちゃんが見られますので、探してみてください。この日は、ラッキーキャットデーのチラシと、公式サイトの画面、公式SNSを、展示室へ向かう1階エレベーター前で見せると、キービジュアルのポストカード(非売品)がもらえます。

夜間開館する毎週金曜日と、第2水曜日、7月25日(土)、9月19日(土)~23日(水・祝)の18~20時限定で、一部展示室内に音楽が流れる特別演出のほか、大人のカフェにまつわるエピソードも紹介されます。展覧会で遊びましょ。

三菱一号館美術館HP

*2026年6月14日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます*マスコミ向け内覧会で、許可を得て撮影しています。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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