Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

名匠ピンカス・ズーカーマン来日公演

東京フィル2026年6月の定期演奏会は、指揮・ヴァイオリンに名匠ピンカス・ズーカーマンを迎えて、すべてモーツァルトというプログラムでした。私は、2025年に初めて東京フィルの定期演奏会で「弾き振り」というのを見せてもらいましたが、今回も弾いたり、振ったり、心に響く音を堪能させてくれました。

ズーカーマンは、イスラエル生まれの77歳。現在、カナダのオタワ国立芸術センター管弦楽団の音楽監督です。ヴァイオリンとヴィオラの両方でソロとして活躍するだけでなく、1974年から指揮者デビューして以降、指揮者としてもトップレベルの公演を続けています。これまでに100枚以上のアルバムをリリースし、グラミー賞に21回ノミネートされ、そのうち2回最優秀室内楽パフォーマンス賞を受賞しています。

このたびの東京フィルとは、歌劇「フィガロの結婚」序曲。こちらはオペラで聴き慣れた曲。

続いて、モーツアルトが故郷ザルツブルクで宮廷楽団のヴァイオリニストだったときのヴァイオリン協奏協第3番。弱冠、19歳の時の作品です。ここでヴァイオリンソロとして登場します。ヴァイオリンはこんな音を出せるのかと聴き入りました。第二楽章が圧巻です。弾きながら振る、振っていない時、オケはどのように合わせてしているのかじっくり拝見しました。

そしてト短調の交響曲第40番。第一楽章は、皆さまよくご存じの有名な曲です。

後身を育てることにも熱心なズーカーマンと共に演奏することで、オケのメンバーはどれほど多くのことを吸収できるでしょうか。どんな音にしたらよいか、イメージを実際に弾いて聴かせてくれて、それを演奏にどう表現するかというコツのようなものまで教えてもらえるなんて、それほどありがたいことがあるでしょうか。練習の様子を拝見すると、音を高めるための練習方法まで伝授され、オケを鍛え上げ、メンバーにもその喜びが満ち溢れます。

今回、サントリーホールで拝聴しました。座っていた席が舞台に向かって右側、2階の前の方で、オケやズーカーマンがすぐ目の前で、息遣いが聴こえてきそうでした。座っている席によって、聴こえ方がだいぶ違います。

また、客席も見渡せるため、万雷の拍手を自分が受けているような気さえしました。この拍手を一度味わってしまったら、その喜びに勝るものはないと感じることでしょう。素晴らしい音楽を会場全体で共に味わい、その喜びを牽引する役割は、何物にも代えがたいであろうと想像しながら席を立ちました。

 

*2026年6月23日現在の情報です*記事・写真の無断掲載を禁じます*写真はすべて撮影=藤本崇/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ