Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

塩で食べる「藁焼き鰹たたき」

ときどき無性に、「鰹のたたき」が食べたくなります。「鰹のたたき」と言えば、高知。私は東京で鰹を食べたいときは、土佐料理のお店を探します。

<「藁焼き鰹 塩たたき」6切(1408円)>

2025年6月20日にオープンする「藁焼き鰹たたき 明神丸 吉祥寺店」は、鰹の漁獲高日本一を誇る明神水産グループの飲食部門で、東京では4店舗目。2000年に高知で飲食店を初めて、現在では明神丸ブランドのお店を15店舗展開しています。

提供される鰹は、昔ながらの伝統の“土佐の一本釣り”で1尾ずつ釣り上げるスタイル。棹で釣り上げられた鰹は、身体がキレイで身の痛みが少ないのが特徴です。網で一網打尽にしない節度あるとり方は、限りある水産資源を守る漁法だとも言えるのではないでしょうか。

 

<店内には、船の写真をはじめ釣り竿なども掲示されている>

そしてその鰹を美味しく食べるには「たたき」が一番。「鰹のたたき」の本場の美味しさを広めたいと明神水産グループはカツオ船事業から、加工事業、飲食事業へと広げ、「藁焼き鰹たたき」の普及に努めています。

藁の強い炎は一瞬で800度にもなり、あっという間に消えてしまいます。炎に炙られた表面は、藁特有の香ばしい香りが燻製のようです。炎は、旨味を封じ込めるだけでなく皮の下の脂が溶けて身になじみます。身はほとんど生の状態で艶のある赤い色。藁の炎が安定するためには、藁も良質なものでなければなりません。そこで良質な藁を確保するためにグループで農業も始めました。現在、栽培したお米はブランド米「佐賀明神米」として広く知られるようになりました。藁は、自社のものだけでは足りず地元高知の山間部の農家からもわけてもらっています。

10代の頃から漁師として船に乗っていた森下幸次社長は、飲食部門1号店立ち上げの時の店長でした。飲食業は、もちろん初めて。「美味しい鰹を食べて幸せになってほしい」という一念で、店舗を軌道に乗せ、「藁焼きライブパフォーマンス」を生み出し、看板メニューである、温かい鰹に地元高知黒潮町の天日塩をさっとふりかけてたべる漁師の味「藁焼き鰹 塩たたき」にいきつきました。鰹のたたきというのは、ポン酢で食べるものだとばかり思っていた私にとっては、驚きの美味しさでした。ほんのりとやさしく脂がのり、舌触りものど越しもなめらか。

 

このほかにも土佐づくしのメニューが並びます。

「鰹ねぎとろのこぼれトロたく」(1078円 写真は2人前)

「漁師のつくね串3本セット」(858円)

土佐名物「うつぼの唐揚げ」(1408円)

私は伊太郎という土佐の辛口吟醸酒を頂きましたが、どこまでも飲めそう。土佐のお酒が揃っていますので、鰹と一緒にグイグイまいりましょう。

伊太郎(80ml 748円)

『藁焼き鰹たたき 明神丸 吉祥寺店』 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目7-2 萬福ビル1,2F  HP オンラインショップはコチラ

*2025年6月18日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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