Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXXI ヴェルディ・歌劇「椿姫」 みてきました

会場には温かい空気が流れていました。若手演奏家を育てるという目的があり、それに向けて、舞台も客席もスタッフも力を合わせ、拍手を贈る。そんなオペラでした。

©大窪道治/2025 Seiji Ozawa Music Academy

小澤征爾音楽塾は、21回目「椿姫」を新制作で上演しました。ヴィオレッタにアルメニア出身のニーナ・ミナシアン、アルフレードにカン・ワン、ジェルモンに世界最高のバリトンクイン・ケルシーが登場です。

指揮のディエゴ・マテウスは、歌手陣をたっぷり歌わせ、オーケストラもゆったりと流れます。彼は世界的に名高い、子供や若者が無償で音楽を学べる教育システム「エル・システマ」出身のスター指揮者の一人です。演出は、デイヴィッド・ニースで設定は1950年代。「椿姫」はMETで70回ほど上演に関わった経験があり、美しい舞台に仕上げました。さらに、METで長年合唱指揮を務めたドナルド・バルンボも加わりました。

カーテンコールでは、客席にいらしたオーケストラを指導した先生たちにも照明が当たり、感謝の拍手をおくり、会場全体が愛で包まれました。

どうしても聴きたかったケルシーの生声は、やはり素晴らしかった。高級娼婦ヴィオレッタを冷たく突き放すだけの父親ではなく、優しく包み込むように「あなたの息子への愛情もわかるけれど、彼の妹の将来も考えてほしい」と包容力にあふれていました。

©大窪道治/2025 Seiji Ozawa Music Academy

若手音楽家たちにとって、観客からの反応も含めて、本番の舞台がどれほど力になるか。この経験をエネルギーに変えて、次のステップを歩き始めてください。(前回の記事はコチラ

詳細はコチラをご覧ください。https://ozawa-musicacademy.com/program

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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