Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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新国立劇場はロシアオペラ『エウゲニ・オネーギン』

新国立劇場の2024年新春幕開けオペラ第一弾はチャイコフスキーの『エウゲニ・オネーギン』。チャイコフスキーの音楽は本当に美しい。音楽に身を任せると、海をたゆたう身となってどこまでも流れていってしまいそうです。芸術監督、大野和士が注力するロシアオペラ1作目、新制作として評判になった舞台で初演は2019年、ベルトマン演出でした。

指揮は、新国立劇場初登場のヴァレンティン・ウリューピン。情熱的でロマンティック、哀愁漂う旋律にのせて舞台を牽引します。

出演陣は、ロシアオペラを得意とする面々で、それぞれ役どころに合った個性が光ります。タチヤーナに、ロシア出身のエカテリーナ・シウリーナ。人気のソプラノです。オネーギンに、背丈のあるイケメン、キーウ出身のユーリ・ユルチュク。いかにも女性にもてる役にピッタリの外見です。タチヤーナの妹オリガにロシア出身アンナ・ゴリャチョーワ、その恋人に、今回私の一押しのサンクトペテルブルク生まれのヴィクトル・アンティペンコ。艶があり甘い憂いのある声が秀逸です。そしてグレーミン公爵にウクライナ出身ベテラン、アレクサンドル・ツィムバリュク

純真な乙女の思い、女を振り回す男、若気の至りで決闘にまでいってしまう友達同士・・。

 

物語は・・

貴族の家の田舎屋敷に、快活な次女のオリガを訪ねて婚約者レンスキーが友達オネーギンとともにやってきた。内気な読書家、長女タチヤーナは一目でオネーギンに恋をする。思いのたけを手紙にしたためる「手紙の場」。オネーギンに子ども扱いされ相手にしてもらえない。

タチヤーナが主役のパーティにオネーギンはやって来るが、周りが自分の噂話をしているので不愉快になる。そこで腹いせにオリガを何度も舞踏に誘い、ついにレンスキーが嫉妬のあまり決闘を申し込むことに。決闘の日、「レンスキーのアリア」で自分の短かった青春を思い起こす。互いに逡巡しながらも、ついに決闘となりレンスキーは果てる。

自分に嫌気がさしたオネーギンは放浪の旅に出かける。数年後、サンクトペテルブルクで開かれたパーティで、グレーミン公爵夫人となったタチヤーナと再開。気品と落ち着きを兼ね備えた大人の女性に成長したタチャーナに心奪われるオネーギン。タチヤーナも心穏やかでないが、過去には戻らないと別れを告げる。

それにしても、「なんで決闘まで・・」と思うわけです。劇場のガイドブックによると、この頃ロシアでは決闘が大流行していて『決闘法典』なるものが出版され儀式として多くの決めごとがあったのだとか。この日、オネーギンは数多くの法典違反をしていて決闘する意思が全くなかった。さらに拳銃の命中率が低く、はずしたはずの弾が親友の命を奪ってしまうという、何とも絶望しかない結末が待っていたということがわかります。オネーギンは冷酷で軽薄な人物ではなかったというわけです。

幕間に観客の方とお話しすると「衣装も舞台も素敵」と、とても満足そう。カーテンコールでは大いに盛り上がり、最上階までスタンディングする方もちらほらとみられます。

新国立劇場オペラ「エウゲニ・オネーギン」2024年1月24日、27日、31日、2月3日

HPはコチラhttps://www.nntt.jac.go.jp/opera/eugeneonegin/

*2024年1月28日現在の情報です*写真撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場*記事・写真の無断転載を禁じます。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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