Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

新国立劇場オペラ 新シーズンの幕開けは「チェネレントラ」

ロッシーニのオペラ・ブッファ「チェネレントラ」は、童話のシンデレラがオペラになったものです。装飾満載のアリアや、超高速に言葉が連発するアリアに重唱、フィナーレの「苦しみと涙のうちに生まれ」は、メゾソプラノの名アリアとして知られる名曲です。

演出は、東京生まれローマ育ちで、イタリアオペラの演出にかけては随一と言われる粟國淳。舞台美術家で衣裳も担当するアレッサンドロ・チャンマルーギとともに、舞台を黄金期のチネチッタ(映画撮影所)に設定し映画のヒロイン探しというストーリーです。

舞台美術が素晴らしい。ファンタジーにあふれています。アレッサンドロ・チャンマルーギの美術は、夢があって楽しくて、家族ぐるみで楽しめそう。

撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

物語は、チェネレントラの映画を撮影しようとしているプロデユーサー(王子)と監督(王子の家庭教師アリドーロ)がヒロインの女優を探すところから始まります。ロッシーニの描くヒロインは、魔法使いに助けられるわけではなく、自分の力で幸せをつかみとる強さを持っています。というわけで、舞踏会の場面でシンデレラ(オペラではアンジェリーナという名前)は、黄色と黒のアゲハチョウのような衣装に。美しい衣装ですが、いわゆる童話のシンデレラのイメージとはかけ離れています。

撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

そのアンジェリーナ役にミラノスカラ座などで活躍する脇園彩。王子ラミーロにロッシーニ歌いのルネ・バルベラ。強靭なのどの強い声が超絶技巧に彩られ劇場に響きわたります。男爵のドン・マニフィコには名ブッフォのアレッサンドロ・コルベッリ。アリドーロにベルカントの旗手ガブリエーレ・サゴーナ

独立心が強く、自分の力で自分の運命を切り開く女性は「いまどき」かもしれませんが、いつか白馬の王子様がやってきて、救い出して宮殿へ連れて行ってくれると思っていた自分の少女時代を思うと複雑な心境です。シンデレラには、白いフワフワのドレスを着てほしいし、素敵な男性に救いの手を差し伸べてほしい。

劇中劇ということでしたが、私にはわかりずらかった。私の頭が悪いだけかも(笑)

 

2021年10月1日(金)~13日(水) 新国立劇場オペラハウス HP:https://www.nntt.jac.go.jp/opera/lacenerentola/

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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