Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

新演出オペラ「カルメン」

『トウーランドット』の演出で度肝を抜いたアレックス・オリエ大野和士が、再びいまだかつてない『カルメン』を登場させた。

撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

時代を1990年代に置き換え、オリエは、カルメンをイギリスの歌手エイミー・ワインハウスと重ね合わせる。エイミー・ワインハウスは、グラミー賞など数々の賞を受賞しているイギリスを代表する歌手だが、薬物中毒やアルコール依存症などでリハビリを繰り返しながらも27歳の若さで亡くなった人物だ。

そしてドン・ホセは嫉妬深く、独占欲が強く、自分が拒絶されることが許せない男性を描いている。オリエは、自由に生きることこそが重要だというメッセージを強烈に打ち出している。

舞台美術は、野外コンサートでよく使われる鉄パイプのステージが多用され、歌手たちはボディコンシャスなミニスカートやパンツ姿で登場する。

撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

カルメン(ステファニー・ドゥストラック)は、セビリアの煙草工場で働く魅力的な女性。伍長のドン・ホセ(村上敏明)を誘惑し、とりこにする。ドン・ホセには故郷に許嫁ミカエラ(砂川涼子)がいるが、すっかりカルメンに魅了されてしまう。暴力事件を起こしたカルメンを逃がしたことで投獄され、出所後カルメンに会いに行くと、戻るなと止められる。軍隊を脱走してジプシーの密輸団の一員となるホセ。しかしカルメンは、あっという間に心変わりし、花形闘牛士エスカミーリョ(アレクサンドル・ドゥハメル)と愛し合うようになる。許せないホセは、闘牛の日、カルメンの前に現れ復縁を迫るが、冷たく拒否され激昂してカルメンの胸を突く。

オリエはカルメンを行動力があり、自由で、自分の生き方は自分で選択するという強い意志を持った女性で「力、喜び、勇気、反骨真、自由の象徴」だと読み解く。軍隊は日本の警察官の制服で、密輸団はドラッグディーラー、闘牛の場面はスペイン週間が開催されているイメージだ。

「これまで見てきたカルメンは忘れて、先入観を持たずに観てください。古典的な視点から離れ観客を現実に浸らせることを目指している私たちの演出と音楽に身をゆだねてください」(オリエ)と語る。

撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

どの曲も覚えやすく、なじみがあり、ドラマチックなカルメンだが、私にはホセを翻弄したカルメンは魔性の女に見える。自由を愛し、力強い女性には憧れるが、周りを巻き込んで翻弄しホセの人生を狂わせてしまった。

大野和士さんとアリックス・オリエさんの対談が新国立劇場YouTubeチャンネルに上がっていますので、そちらも(https://www.youtube.com/watch?v=X6jbdcLNiHk)是非ご覧ください。

公演は7月11日(日)、17日(土)、19日(月)HPはコチラhttps://www.nntt.jac.go.jp/opera/

 

*2021年7月9日現在の情報*記事と写真の無断転載禁止

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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