Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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映画「エミリア・ペレス」 3月28日(金)新宿ピカデリーほか全国順次公開

映画「エミリア・ペレス」は、テンポ感よく、歌と踊りがスムーズに交錯し、いまだお目にかかったことのない、どんなジャンルにも当てはまらない作品です。第97回アカデミー賞最多12部門13ノミネートされ、歌って踊るドミニカ出身のゾーイ・サルダナが助演女優賞を受賞し、監督自身が作詞した主題歌で歌曲賞を受賞しました。

© 2024 PAGE 114 – WHY NOT PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA

30年以上のキャリアを誇るフランスを代表する映像作家、ジャック・オーディアール監督は、これまでも数々の賞を受賞していますが、このたび新境地のエンタテインメントに挑戦しました。メキシコを舞台にした全編スペイン語の作品で、サスペンスであり、ミュージカルであり、ヒューマンドラマであり、深いテーマをしみこませた歌詞で観客の心に訴えかけます。自分の人生を生きたいトランスジェンダーの気持ち、友情、愛、家族、メキシコの麻薬カルテルのすさまじさ、様々なことをはらませながら物語が展開します。

 

不遇の弁護士リタは、メキシコの麻薬カルテルのリーダー、マニタスから「女性として新しい人生を用意してほしい」と依頼され、計画を進めます。すべてが無事に成功し、エミリア・ペレスとしてマニタスは新たな人生をスタートさせることができました。また、リタも高報酬を得て新たなキャリアをスタートさせます。4年後、エミリア・ペレスは、リタの前に再び現れ「子供たちが恋しいからメキシコで一緒に暮らせるようにしてほしい」と依頼します。エミリアは亡きマニタスのいとことして、妻と2人の子供と暮らし始めるのでした。

© 2024 PAGE 114 – WHY NOT PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA

そうした中、犯罪に巻き込まれて行方不明になった息子を持つ人から、息子を探しているとチラシを渡されました。それをきっかけに、エミリアは行方不明者の捜査活動をする団体を立ち上げました。数々の悪事を重ねてきた過去を悔いるエミリアは、救済の仕事に喜びを感じます。ところが、思わぬところから運命が動き始めるのでした・・。

 

主人公のエミリアを、実際にトランスジェンダーであるカルラ・ソフィア・ガスコンが演じます。トランスジェンダー女性として史上初アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。そして、弁護士のリタにゾーイ・サルダナ。助演女優賞を受賞したゾーイ・サルダナが、実に味があり、歌もダンスも抜群。こういう才能を引き出す監督の力量が素晴らしい。

© 2024 PAGE 114 – WHY NOT PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA

そしてマニタスの妻、ジェシー役に歌手として絶大な人気を誇るセレーナ・ゴメス。セレーナ・ゴメスがよくこの役を引き受けたと思うと同時に、彼女に目をつけオファーした眼力もすごい。麻薬王の妻を演じます。

© 2024 PAGE 114 – WHY NOT PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA

音楽と台詞と振付が一体となってストーリーを語り、とくに『EL Mal』という歌曲賞を受賞した曲の場面は、痛快です。アカデミー賞のほか、カンヌ国際映画祭女優賞やゴールデングローブ賞など多数獲得。

エンタテインメントは面白い。

映画『エミリア・ペレス』2025年3月28日(金)新宿ピカデリー他全国順次公開 HPはコチラ
*2025年3月15日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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