Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

東京フィル6月定期演奏会 尾高忠明マエストロの『ラフマニノフ』

6月25日の東京フィル定期演奏会は、尾高マエストロでした。まずは、尾高マエストロのお兄様で2021年に亡くなった作曲家、尾崎惇忠の代表作「オーケストラのための『イマージュ』」からスタート。1981年に東京フィルが初演し、お父様にちなんだ「尾高賞」を受賞した曲を、再び東京フィルが演奏します。

撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

尾高賞とは、NHK交響楽団の常任指揮者だった尾高マエストロの父上の死後、その功績をたたえて文部大臣賞が贈呈され、それをN響に委託したことから1952年に創設された賞です。すぐれた日本の作曲家によるオーケストラ作品を顕彰する日本で最も歴史のある作曲賞です。

つづいて、生誕150周年アニバーサリーイヤーであるラフマニノフ。若いラフマニノフがつくった「交響曲第一番」は、ラフマニノフの情熱が詰まっているような作品で、多くの要素が詰め込まれています。この曲が、初演(1897年)で酷評を受けたために、ラフマニノフは希望を失い、心理療法を受けながら作り上げたのが「ピアノ協奏協第2番」(1901年)。こちらは初演時から大絶賛され、名曲として知られ映画などにも使われていますので、みなさまよくご存じでしょう。

撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

ピアノは今、注目の亀井聖矢(まさや)さん。尾高マエストロとは初共演です。亀井さんは、ロン=ティボーコンクールで優勝しています。

これが素晴らしかった。ラフマニノフのロマンティックで豊かな曲調に加えて、亀井さんのたたきだす溌溂としたきらめきのある音が、会場を巻き込みます。技術が優れ繊細に弾き込んでいきます。オーケストラが彼を包み込み、亀井さんがその中で守られながら、全力を尽くしているのが伝わってきます。

演奏が終わって、思わずマエストロにハグする亀井さん。「情緒的なメロディーや重厚なハーモニーをお楽しみください」と語っていましたが、十二分に味合わせていただきました。

そして、私は初めて聴く「交響曲第一番」でしめくくられました。演奏するのがとても難しい曲だそうです。

ロシア貴族だったラフマニノフは、ロシア革命で亡命し、最後はアメリカの地でなくなっています。

ラフマニノフ

いまもなお、さまざまな事情で、故郷を離れざるを得ない人たちがたくさんいます。革命や戦争で失われてしまった美しいものたちは、音楽家の心の中に生き続け、名曲となって後世にその姿を現してくれます。音楽家の才能に、感謝!そして、音楽に、感謝!

 

*2023年6月28日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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