Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

獺祭が宇宙へ。

2019年に始まった、獺祭の旭酒造が主催する「最高を超える山田錦プロジェクト2024表彰式」が開催されました。(去年の様子はコチラの記事をご覧ください)全国から約160の農家がエントリーし、その中からグランプリ(賞金3000万円)と準グランプリ(賞金1000万円)を表彰します。

玄米を穀類判別器で計測したデータをもとに最終審査で7品に絞り、そこから選び抜かれた2品。桜井博志会長は「最近の審査基準は、玄米の心白が中心にあって小さいことだ」とあくまで獺祭に適した米が審査基準だということを強調します。

グランプリは栃木県五月女農場の五月女文哉さん。準グランプリには同じく栃木県の山田錦栽培研究所の佐藤友幸さん。「去年は夏の猛暑で天候に苦しみ北の方が良い米がとれたんですよ」と、表彰式に参加していた生産者の方が話していました。農作物は天候が大きく影響しますので、気候変動は生産者にとって大きな課題です。良い米を作るために試行錯誤して生産しています。旭酒造は、若い人が夢を持てる農業であるようにと応援し、このプロジェクトを進めています。

「夢と希望を持てる農業」というテーマでのパネルディスカッションには、漫画家弘兼憲史さんをコーディネーターに、蕎麦屋「港屋」創業者で、現在トマトハウスや東京ドーム 60 個分のそば畑など、農業に注力する菊地剛志氏、静岡県袋井市で世界最大規模である 1 日 10 トンのレタスを生産する中部電力の完全人工光型の自動化植物工場「テクノファーム袋井」の運営合同会社 TSUNAGU Community Farm 代表の林俊弥氏、環境副大臣兼内閣副大臣中田宏氏、旭酒造桜井会長が登壇しました。

中田さんは、「日本の伝統的酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録されたが、アルコールを転嫁しない純米酒こそが日本の文化だ」と語り、弘兼さんは「日本は農産物の自給率をあげる必要がある」、菊地さんは「生存に必要な作物を作っている人を公務員化したらどうだろう」などと語ります。また桜井会長は「仕事というものは、夢があってわくわくできないと続かない。農業にも夢が持てるようにしたい」と、様々なテーマで話し合いました。

高度経済成長期、日本酒は他のお酒に押され消費量が減少していましたが盛り返し、日本の味、日本の文化として世界に広まるのは嬉しい限りです。酒蔵の方たちの企業努力が忍ばれます。

2025年6月1日、旭酒造は社名を「株式会社 獺祭」にします。世界のDASSAIを目指し、プレミアムブランドとして海外へさらに浸透させるための社名変更です。また、月で酒を作るのを目標に、国際宇宙ステーションで醸造することも決定しています。

進化し続ける獺祭。口の中に香りや味が蘇り、飲みたくなってくるでしょ(笑)。

2025年1月28日現在の情報です *記事・写真の無断転載を禁じます

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ