Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

五感を研ぎ澄ます紳士

第14回 憂鬱な雨を「特別な時間」に変える「五感の楽しみ」

初夏の訪れとともにやってくる梅雨の季節。空には厚い雲が広がり、

しとしとと雨が降り続く日が多くなります。

外出が少し億劫に感じられたり、湿気の多さに悩まされたりすることもあります。

しかし、梅雨は日本の自然にとって大切な季節でもあります。

田んぼや畑を潤し、私たちの暮らしを支える水を育む、大切な時期とも言えるでしょう。

一方で、ここ最近は梅雨の様子が少し変化してきているとも感じられます。

季節の風情を味わうというよりも、温暖化の影響による豪雨などが話題となり、

単なる季節の風物詩ではなく、

防災の視点からも意識しなければならない季節になりつつあります。

四季が「二季化している」といった声も聞かれますが、

日本の四季は暮らしや文化に欠かすことのできない大切な存在です。

春・夏・秋・冬、それぞれの季節が異なる自然の表情を見せ、

私たちの生活に彩りを与えてくれます。

そしてさらに、五感を通して自然を感じさせ、

私たちの感性を豊かに刺激してくれる特別な「季節」でもあるのです。

これから迎える季節、梅雨。

耳を澄ませてみると、さまざまな雨の音に気づきます。

屋根を打つ雨の音、窓ガラスに当たる細かな雨粒の音、木々の葉に落ちるしずくの音、

遠くで聞こえる雨だれの音など、場所によって異なる雨音が聞こえてきます。

同じ雨でも、強く降る音ややさしく降る音など、

その日ごとに違うリズムや表情を見せてくれます。

それはまるで、自然が奏でる静かな音楽のようにも感じられます。

目に映る景色にも、梅雨ならではの美しさがあります。

雨に濡れた木々の葉は一層鮮やかな緑となり、普段よりも深い色合いに見えます。

道ばたや庭先では紫陽花の花がしっとりと咲き、

青や紫、ピンクなどさまざまな色合いで梅雨の景色を彩ります。

雨粒をまとった花や葉は、晴れた日とはまた違った趣を感じさせてくれます。

また、雨上がりの空気の中には自然の香りが広がります。

濡れた土や草の香りはどこか懐かしく、

深呼吸をすると自然の息づかいを感じることができます。

湿った空気の中には、

季節の移ろいを知らせてくれるやさしい香りが含まれているようにも思えます。

触れる感覚にも梅雨らしさがあります。

少しひんやりとした空気や、雨上がりの涼しい風は、

肌で季節の変化を感じさせてくれます。

雨の日に感じる空気のやわらかさや湿り気は、他の季節にはない独特のものです。

パリに住んでいた頃、少しの雨が降っても傘を差さない人が多いことに驚きました。

フードをさっと被り、小走りで目的地へ向かう姿を見かけることも珍しくありません。

雨を特別なものとして構えるというよりも、

日常の一部として自然に受け止めているような光景です。

日本では少しの雨でも傘を差す人が多く、

折りたたみ傘をバッグに入れて持ち歩く人も少なくありません。

また、コンビニなどで手軽に買えるビニール傘を持つ姿もよく見かけます。

突然の雨に対応できる便利な存在ではありますが、

せっかくその日に選んだ洋服のコーディネートが、

ビニール傘によって少し味気なく見えてしまうこともあります。

雨の日こそ、傘をファッションの一部として楽しんでみるのも素敵です。

洋服の色に合わせた傘やデザイン性のある傘を選ぶだけで、

全体の雰囲気がぐっと引き立ちます。

お気に入りの傘があれば、雨の日の外出も少し楽しく感じられるものです。

晴れた日だけでなく、雨の日も含めて一日のスタイルは完成するもの。

傘もまたファッションの一部として取り入れながら、

雨の日のトータルコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、雨の日に街を歩いていると、

傘の使い方にも人それぞれの個性が表れていることに気づきます。

特に紳士的な振る舞いとして語られるのが、傘のさりげない気配りです。

例えば歩道ですれ違うとき、

傘をそのまま広げたままだと相手の傘とぶつかってしまうことがあります。

そんな時、少し傘を傾けたり、

軽く持ち上げたりして相手に道を譲る姿はとてもスマートに映ります。

ほんの小さな動作ですが、その気遣いに品の良さが表れるものです。

また、建物の入口やお店に入るとき、

濡れた傘の水滴を軽く払ってから入るのも大切なマナーのひとつです。

周囲の人や床を濡らさないように配慮する姿には、思いやりが感じられます。

さらに、誰かと一緒に歩くとき、

相手が濡れないように少し傘を広く差しかける姿も、

紳士らしい心配りと言えるでしょう。

自分よりも相手のことを気にかける、

そのさりげない優しさが印象に残ります。

傘は単なる雨よけの道具ですが、

その使い方には人柄が表れるものです。

雨の日の何気ない行動の中にも思いやりや品格を感じさせる振る舞いがあります。

そんな小さな心配りこそが、紳士らしさを感じさせる瞬間なのかもしれません。

また、雨の日には、雨音を聞きながら五感を研ぎ澄まし、

温かいお茶をゆっくり味わう時間も心を落ち着かせてくれます。

仕事が終わったあとや休日のゆったりとした時間、

窓の外の雨を眺めながら過ごすひとときは、

忙しい日常の中で少し立ち止まり、自分の時間を大切にするきっかけにもなります。

梅雨が明けると、まぶしい夏の日差しがやってきます。

その前の静かな時間として、

五感を通して梅雨の季節をゆっくり味わってみてはいかがでしょうか。

梅雨の季節だからこそ、

感じることができる豊かな自然の表情に気づきながら過ごす時間は、

きっと私たちにとって素敵な「五感時間」になるはずです。

鈴木 三月 Yayoi Suzuki

東京都出身。 
パリソルボンヌ大学、Institute Catholique大学短期留学後、
パリプレタポルテ・オートクチュール協会日本事務所入社。
その後(株)エルカ入社KENZOのレディースPR担当として働く。
1991年 日本におけるアタッシェ・ドゥ・プレスの先駆けとして(株)パザパを設立。
ヨーロッパのファッションブランド
のPRを主に手掛けるとともに、髙田賢三氏本人からの依頼によりKENZO PARISの日本におけるブランドPR及び髙田賢三氏本人のパーソナルマネージメントをスタート。
又、その後㈱パザパの業務は、ファッションに留まらず、美容・レストラン等衣食住を中心とした業務へと活動の幅を広げる。 
2000年 髙田賢三氏の共同経営者として(株)KENZO TAKADAを日本に設立。 
2011年(株)パザパを、(株)セ・シュエットに社名変更(パザパはPR事業部として存続)。
2013年 調理師免許取得後、フードアドバイザーの仕事をスタート。
各種イベントにおけるケータリング等開始。
2014年よりWEB SITE 『Minimalize+plus』でレシピを公開。
2020年10月、SHOP CHANNELにて自身のウィメンズのブランド・ミニマライズ+プラスをスタート
2023年2月 「髙田賢三と私」を出版。                                                著書を出版後、髙田賢三氏のご功績とお人柄を多くの方に伝える為、又次世代を担う若者及びアーティストの方々に向けて講演活動やラジオ出演をスタート。
WEB SITE Minimalize+Plus https://minimalize-plus.tokyo/
著書『髙田賢三と私』 https://bookpub.jiji.com/smp/book/b621530.html
Minimalize+plus/SHOP CHANNEL https://onl.bz/QeNN3vR
Instagram https://www.instagram.com/yayoi_suzuki_/?hl=ja
FB https://www.facebook.com/yayoi.suzuki.146
X https://x.com/yayoisuzuki
【講演会】
姫路市主催・姫路城世界遺産登録30周年記念事業/公益財団法人神戸ファッション協会主催ファッションスペシャルステージ/名古屋音楽大学ヴォーカルアカデミー2024/たまがわLOOP世界に誇る日本人デザイナー髙田賢三/文化服装学院 世界に誇る日本人デザイナー髙田賢三の偉業/アクリエひめじマダムバタフライ・衣裳に秘めた想い 髙田賢三/実践女子大学・駒沢大学「アタッシェ・ド・プレスの視線」
【ラジオ出演】
渋谷のラジオにゲストに2回出演
https://note.com/shiburadi/n/n7e237019e8be

渋谷ラジオ“ウラハラプロジェクト”第23回”賛同人トーク“』にゲスト出演
https://qr.paps.jp/SDO3M
オンラインラジオ 「渡辺喜子(YoshikoLee)の風」に計3回ゲスト出演
【前編】ファッション界に与えた影響https://stand.fm/episodes/67a5a103cc7911f191c5ec7c
【後編】プライベートについてhttps://stand.fm/episodes/67a5b229b882aa4964b92efe
【特別版】みんなが知らない裏話https://stand.fm/episodes/67aac24d0ecf095805085de0

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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