Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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五感を研ぎ澄ます紳士

第15回 五感で感じる恋のストーリー

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パリに留学していた際、イタリアを旅したことがある。

ローマを訪れ、映画「ローマの休日」の舞台として知られる“スペイン広場”や“真実の口”を巡った。

その際不思議なほど鮮やかに、

女優Audry Hepburn(オードリー・ヘプバーン)と

俳優Gregory Peck(グレゴリー・ペック)の二人のシーンが蘇ってきた。

映画「ローマの休日」は、王女と新聞記者の恋物語として語られることが多い。

4しかし、私にとってこの作品は、恋愛映画である以前に「五感が目覚める物語」だと感じる。

映画で、オードリー・ヘプバーン演じるアン王女からは、

その気品とともに一人の若い女性としての無邪気さやあどけなさが観る人の心を惹きつけます。

ジェラートを食べながら階段に腰掛けるシーンや石畳の路地、髪の毛を短くするシーン、

ベスパでローマの街を駆け抜ける場面など、自由を満喫する王女の笑顔に魅了された。

そして、グレゴリー・ペック演じるジョー。

彼の職業柄である新聞記者という立場での王女のスクープ記事という打算的な気持ちから、

自由を求める若い女性そして責任に押しつぶされそうな一人の人間、純粋で心優しい女性へと、

彼はアン王女を大切にする想いに代わり、二人の心の距離が少しずつ近づいていく。

 

視覚と聴覚がひらく、新しい世界

この映画は、アン王女の五感という感性を最大限に映像化した映画だと思う。

上記に描いた様に、石畳の路地やスペイン広場に集う人々、噴水のきらめき。

王女として眺める景色ではなく、一人の女性として見る景色が王女の瞳を輝かせる。

初めて見る世界は視覚からの流れである。

そしてジョーは、彼女が髪を切った後の晴れやかな で無邪気な表情、自由を楽しむ輝く瞳。

王女としてではなく一人の女性を優しく見守り 想いをつのらせていく。

又、ローマの街に響く車のクラクション、

人々の笑い声、市場のざわめき、ダンス会場に流れる音楽。

アン王女の暮らす宮殿の静寂とは対照に、

街は音に溢れていて、聴覚から彼女は音に耳を傾ける。

ジョーも又、アン王女との何気ない会話や笑声、その一つひとつに耳を傾ける様になる。

触れて、味わい、香る、自由の記憶

スペイン広場でジェラートを食べるシーンも王女にとっては何でもないアイスクリームではなく、

それは自由の味だった。誰かに用意された食事ではなく、自分で選んだ味。

人生のちょっとした幸せは案外そんな小さな味覚から感じる喜びの中にある。

ベスパに載って街を駆け抜けるシーンでは、髪を揺らす風や頬をなでる空気、手に伝わる振動、

そんな風を感じる瞬間の触覚。

そして、ジョーは彼女をベスパの後ろにのせてわずかな触れ合い触覚がお互いの気持ちを近づけていく。

 

 

 

 

 

映画からは直接香りは伝わらないが、観ていながら想像する朝の石畳の湿り気や


カフェから漂うコーヒーの香り、広場を吹き抜ける風の匂い.

映画は映像を越えてローマの空気である嗅覚も感じさせる。

きっとアン王女とジョーは、お互いの五感を通し、限られた時間を楽しみそして愛する事の美しさや、

感じる事の豊かさを感じていたのだろう。

そんな美しい瞬間を映し出した映画なのかもしれない。

私にとって「ローマの休日」という映画は、

「自由への憧れ」や「人生の美しい儚さ」や「品格のある大人の愛」を感じさせた。

 

「手放す愛」という大人の品格

最大の見どころは、やはり結末。多くの恋愛映画のように「結ばれて終わり」ではありません。

お互いを想いながらも、それぞれの人生と責任を選ぶ姿が描かれます。

その想いとは、愛情・感謝・尊敬・別れの切なさが凝縮されている様に思います。

最後のシーンでのお互いを見つめあう二人の視線の中にお互いを尊重する「手放す愛」を選んだこと、

新聞記者という立場を捨て、彼女が果たすべき使命を尊重し、

彼女が彼女らしく生きられることを願う気持ちは、

誠実で品格のある大人の男性としの想いが込められている。

一緒に観た景色。                                         

一緒に聞いた声。 

一緒に味わった自由。                                              

一緒に触れ合ったぬくもり。                                  

一緒に感じた風の香り

そうした小さな五感の感覚の積み重ねが、

いつしか特別な感情へと変わっていく。

「ローマの休日」の美しさは、まさにそこにある。

二人は愛をかたりすぎない。

だからこそ、視線や沈黙が雄弁になる。

そして、二人がローマの街で過ごしたたった一日はきっと「五感で恋を知る時間」だったのだと思う。

鈴木 三月 Yayoi Suzuki

東京都出身。 
パリソルボンヌ大学、Institute Catholique大学短期留学後、
パリプレタポルテ・オートクチュール協会日本事務所入社。
その後(株)エルカ入社KENZOのレディースPR担当として働く。
1991年 日本におけるアタッシェ・ドゥ・プレスの先駆けとして(株)パザパを設立。
ヨーロッパのファッションブランド
のPRを主に手掛けるとともに、髙田賢三氏本人からの依頼によりKENZO PARISの日本におけるブランドPR及び髙田賢三氏本人のパーソナルマネージメントをスタート。
又、その後㈱パザパの業務は、ファッションに留まらず、美容・レストラン等衣食住を中心とした業務へと活動の幅を広げる。 
2000年 髙田賢三氏の共同経営者として(株)KENZO TAKADAを日本に設立。 
2011年(株)パザパを、(株)セ・シュエットに社名変更(パザパはPR事業部として存続)。
2013年 調理師免許取得後、フードアドバイザーの仕事をスタート。
各種イベントにおけるケータリング等開始。
2014年よりWEB SITE 『Minimalize+plus』でレシピを公開。
2020年10月、SHOP CHANNELにて自身のウィメンズのブランド・ミニマライズ+プラスをスタート
2023年2月 「髙田賢三と私」を出版。                                                著書を出版後、髙田賢三氏のご功績とお人柄を多くの方に伝える為、又次世代を担う若者及びアーティストの方々に向けて講演活動やラジオ出演をスタート。
WEB SITE Minimalize+Plus https://minimalize-plus.tokyo/
著書『髙田賢三と私』 https://bookpub.jiji.com/smp/book/b621530.html
Minimalize+plus/SHOP CHANNEL https://onl.bz/QeNN3vR
Instagram https://www.instagram.com/yayoi_suzuki_/?hl=ja
FB https://www.facebook.com/yayoi.suzuki.146
X https://x.com/yayoisuzuki
【講演会】
姫路市主催・姫路城世界遺産登録30周年記念事業/公益財団法人神戸ファッション協会主催ファッションスペシャルステージ/名古屋音楽大学ヴォーカルアカデミー2024/たまがわLOOP世界に誇る日本人デザイナー髙田賢三/文化服装学院 世界に誇る日本人デザイナー髙田賢三の偉業/アクリエひめじマダムバタフライ・衣裳に秘めた想い 髙田賢三/実践女子大学・駒沢大学「アタッシェ・ド・プレスの視線」
【ラジオ出演】
渋谷のラジオにゲストに2回出演
https://note.com/shiburadi/n/n7e237019e8be

渋谷ラジオ“ウラハラプロジェクト”第23回”賛同人トーク“』にゲスト出演
https://qr.paps.jp/SDO3M
オンラインラジオ 「渡辺喜子(YoshikoLee)の風」に計3回ゲスト出演
【前編】ファッション界に与えた影響https://stand.fm/episodes/67a5a103cc7911f191c5ec7c
【後編】プライベートについてhttps://stand.fm/episodes/67a5b229b882aa4964b92efe
【特別版】みんなが知らない裏話https://stand.fm/episodes/67aac24d0ecf095805085de0

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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