Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士が知るべき酒と料理のペアリング

新政とペアリング

吟天 酒コンシェルジュの小田切です。

30年間の日本酒会主宰を通じて、蔵元と交流を深め、様々なレストランで「日本酒と料理」のペアリング会を開催しております。

よく親しまれている日本酒に加え、隠れた銘酒も厳選し、料理とのペアリングの楽しさをお伝えします。

 

 

〜第二回 新政〜

若い日本酒愛好家のベスト3に必ず入るといっても過言ではない「新政」です。

中でも熱狂的なファンを「アラマサー」の愛称で呼ぶほどの盛り上がりが見られます。

 

かつて、新政酒造は平成初期の空前の焼酎ブームのなか、不良在庫を二年分も抱える大変な経営状況でした。

その日本酒大不況時代の2006年、大きな転換期が訪れます。

現蔵元である佐藤祐輔氏による革命的な方向転換です。蔵の未来を日本酒の未来と捉え、6号酵母の発祥蔵として原点回帰を目指します。

↑8代目蔵元の佐藤祐輔氏。従業員は平均年齢30代の勢いのある蔵。

 

伝統技術の復活と継承を目指して様々な施策を打ち、この試みが若い新しいファンの獲得につながりました。

祐輔氏が毎年、次々と変えていった内容をあげてみましょう。

・数種類使用していた酵母を自社6号酵母のみに限定

・使用米を秋田県産米に絞り、全商品を純米造り

・添加物を一切使用しない生酛造りの採用

・品質保持のために一升瓶を廃止して“四合瓶”に統一

・醸造用タンクをホーロータンクから木桶に変更

↑自然のメカニズムを利用した芳潤な味わいになる木桶を使用。コストや技術が必要なため、一般的にはホーロータンクが主流。

 

更に祐輔氏は、酒造り手法転換ののち、酒の原料として欠かせない米作りを守ることにも力を入れるようになりました。

 

 鵜養地区に新政が独自で無農薬田んぼの栽培管理を開始

同時に鵜養地区生産者7名による減農薬作付けの協力を得ています。

 

現在では鵜養地区の90%近くが無農薬又は減農薬田んぼへと進化しています。

昨年の蔵訪問時、山の際まで黄金色に輝いた圃場は壮観な眺めでした。

↑責任者は先代の杜氏。祐輔氏の理想とする米を作っている。

 

 このような、一つ一つの施策によって、日本酒の新しい価値が創造されました。

従来の生酛造りは酸味があり、味が濃い・重いと表現され、好みが分かれる傾向にあります。新政の作る生酛純米は酸味に加わった甘味のバランスが良く、フレッシュな味わいに仕上がっているため、その味に魅了される人が続出しています。

すでに、新政は十分に成功し、日本酒業界に多大な影響を残しています。

 

それでもなお一層、醸造技術の探究は留まるところを知らず、

2020年も様々な視点から改良とチャレンジが行われています。

 

まず、前述の田んぼが育くんだ米の精米方法にも革命を起こします。

主流の精米方法である、米を丸く削る球形精米を廃止し、米の心白を残すように削る“扁平精米機”を導入しました。低い精米歩合に抑えながらも酒の味わいを向上させつつ、同じ一俵からより多くの酒を造り出す挑戦は、自社田を耕作し、米の大切さを身をもって知っているからこそでしょう。

↑乾燥に二週間以上もかかる天日干し。藁の油分や栄養分が降りて甘みと旨味が増す稲架掛け。

 

更に麹の作り方も、昨今の自動作麹機を使用した効率化に進むのでは無く、伝統技法「蓋麹作り」の復活に挑んでいます。

 

↑蓋麹

 

くの手間と杜氏の卓越した技術が必要なため、一般的には蔵の最上級酒の醸造に限られがちな蓋麹製法全酒の造りに採用しました。酒の味の向上と共に、最上の酒を作る伝統技術を後世に伝承していく試みです。

 

↑湿温度の調整が難しい蓋麹作り。室内の場所により温度が変わるため発酵の速さに違いが出てきます。こまめに場所を移すことでムラの無い味に仕上がります。

 

そして2020年、新政専用新デザインボトルの出荷が始まっています。これは新政の味を少しでもフレッシュなままお客様に届けるための、四合瓶専用ボトルの設計に着手しました。瓶の首の形状を変えて上部空間を減らし、空気と触れる部分を極力減らすことに成功しました。

新デザインは機能面の改善をよりスタイリッシュに表現しています。

 

↑リニューアルされたN o.6とプライベートラボシリーズ。

今年発売された新デザインボトルは7種類で、

いずれも飲み終えた後、部屋に飾っておきたい見惚れるボトルです。

 

祐輔氏が取り組み続けている施策には、親しまれる酒造りを、伝統文化の復活、そしてそれを維持しながら地域全体の活性化を企てる大きな理念を感じました。

蔵元の祐輔氏(右)と酒コンシェルジュの小田切(左)

 

 

祐輔氏が伝統を守りつつ新時代に合わせた新政に合うお料理をご紹介します!

 

〜紳士が知るべき酒と料理のペアリング〜

 

日本酒は一般にはお刺身とのイメージが強いですが、

実はそれ以外のお料理にも合うんです!

 

 

新政の作る生酛純米の優しい酸味

 

お肉

 

にとても相性が良いのでお勧めです。

↑新政と合わせる柔らかなローストビーフは箸が止まりません。

新政のほのかな甘みがお肉の味をより一層引き立ててくれるでしょう。

 

新デザインのスタイリッシュさが

ディナーをますます贅沢な気分にさせてくれること間違いなし! 

 

低温調理で中心までゆっくり火を通して表面だけパリッと仕上げた

牛肉や鹿肉のローストと是非一度試していただきたいですね。

 

 

新政のHPはこちら↓

http://www.aramasa.jp/ 

小田切 崇

 

北海道札幌市生まれ。大手IT企業に務めるかたわら、20代半ばで、日本酒に傾倒し、啓蒙活動をスタートする。現在主宰している『吟天』の前身にあたる日本酒会『吟盃座』を立ち上げた。 2020年、『吟天』は予約を開始すると直ぐ定員になる人気の会へと成長。月に2-3回の開催で、『吟盃座』から始まり『吟天』に至る30年間で延べ1万人以上が参加している。 近年は和食のみならず、フレンチ、イタリアン、焼肉など、様々なジャンルでSAKEのペアリングを積極的に進めている。
  特にシャンパンと同様の瓶内二次発酵製法で作られたスパークリングSAKEの普及に尽力している。  飲食店へのSAKEコンサルで成果をあげ、現在では海外輸出やSAKEプロジェクトのプロテュースを手がけている。

吟天SAKEショップ  https://ginten.tokyo/
インスタグラム      @sakeconcierge

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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