Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

胸がキュンとします 「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」

風が吹き抜ける世田谷公園の木陰を歩いて世田谷美術館に到着すると、そこで出会えるのが「わかやまけんの世界」。「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」展が始まりました。

 

紙芝居から始まり、ベストセラー『しろくまちゃんのほっとけーき』(1972年こぐま社刊)や、「純絵本」という、言葉がなくても絵の力だけで場面や設定がわかるものなど、わかやまけんの創作の全貌が紹介されています。

絵本の原画や、絵本制作の過程で刷られたリトグラフ、雑誌の表紙原画、関連資料など約230点の展示から、彼の才能の多彩さがしのばれます。

日本の子供たちが始めて出会う絵本を日本の作家で創ろう。こぐま社の創業者佐藤英和は考え、まだ字が読めない子供たちに絵で伝えるための絵本の構想を練り始めます。主人公は子供の最初の友達、ぬいぐるみの「こぐまちゃん」に決定。「こぐまちゃんおはよう」からシリーズが始まり、全15作続き、累計発行部数1000万部を超える絵本シリーズとなりました。

今回出品されているのは、発色の確認をするために使用された、手刷りの校正刷りリトグラフです。特色6色が使われています。

『しろくまちゃんのほっとけーき』分色刷本・2021

ホットケーキがつくられていく様子が、なんだか可愛くて、最初に出版された1972年の時は最後のフライパンの中は、次を焼くために空になっていたのが、子供たちが「ホットケーキが消えちゃった」と感じるということから、早い段階で、変更。お皿に乗ったホットケーキに差し替えられました。

この上の絵も、下の絵に変わりました。左側は、コップの形を自然なものに変え、右側は、ここまで泡だらけにするのは大量の洗剤を入れないとならないということから、第26刷(1980年)以降、変えられています。

 

作品によって全く作風が変わりますが、一貫しているのは、どの作品を見ても心がほっこりし、優しい気持ちになること。

「おばけのどろんどろん」は、自分がお化けなのに、池の中のオタマジャクシを見て、怖がったり、最後には、蛙になったオタマジャクシたちと仲良くなります。

人間の子供になりすまして幼稚園に迷い込んだ小鬼が、いつの間にか子供たちと一緒に遊び始める「ちびっこ ちびおに」。いい世界だなぁ、と感じます。「きつねのよめいり」や、名作「てぶくろをかいに」、民話の絵本や詩集などもあり、淡い色彩の水彩画、シンプルな線描など、どれを見ても心があたたまり、しばらく優しい気持ちで過ごせそうです。

紙芝居『よっちゃんはうんちはかせ』

こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界
会期:2022年7月2日(土)〜2022年9月4日(日)
会場:世田谷美術館
時間:10:00〜18:00(最終入場時間 17:30)
休館日:毎週月曜日 ※ただし2022年7月18日(月・祝)は開館、翌7月19日(火)は休館
日時指定券発売。

【展覧会公式サイト】 https://koguma-wakayama.com/

*2022年7月2日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ