Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 「トゥーランドット」6月20日(金)~26日(木)1週間限定

プッチーニ最後の未完のオペラ「トゥーランドット」。アンドレイ・セルバンが演出した傑作です。古代の中国が舞台で、英国ロイヤル・オペラ・ハウスでは1984 年から上演し続けています。凝った舞台装置に、美術、衣装、仮面、斬首された首の数々、ダンサーたちの太極拳風の踊り、プッチーニの名曲、すべてが一つの世界を作り出します。演劇的でドラマティックなところも見どころです。

©Tristram Kenton

物語は、

皇帝の娘トゥーランドットは、求婚する者に3つの問題を出し、答えられなければ首をはねるというおふれを出していた。かなりの数の挑戦者がやってきては、殺されていたのである。そこにやったきたのが、祖国を追われたカラフ王子。生き別れて盲目になっていた父王と、その王を支えて共にいるカラフを慕う女奴隷リューとも出会う。ところがカラフは、姫を一目見たとたんに挑戦を決めてしまう。周りからは反対され、阻止されようとするのだが、言うことを聞かない。そして・・・

トゥーランドットに、ソンドラ・ラドヴァノフスキー。トゥーランドット姫は、難役だとして知られていて、声量はもちろん、高音に次ぐ高音、多くの求婚者たちを斬首する冷酷さ、そして彼らが命を投げ出したいと思うほどの魅力を秘めていることが求められます。

©Tristram Kenton

第一幕の幕切れの合唱の重厚さに震え、第二幕の難問を繰り出すトウーランドットのアリアの完成度が高く、「トゥーランドット」で一番有名な曲、テノールのアリア「誰も寝てはならぬ」を歌うのは王子カラフ役のソクジョン・ベクです。すでに MET などで大人気の彼ですが、今までのカラフとは違った優しさと芯の強さが感じられます。

ラドヴァノフスキーは「演じるたびに、トゥーランドットの気持ちがわかるようになってきた」と映画の中の幕間のインタビューで語っていますが、トゥーランドットの背負ってきた苦しみや悲しみ、冷たくしているけど実はカラフに惹かれている様子が表現されていました。

仮面をつけた合唱団や、ダンサーたちの踊りが、異国情緒を盛り上げます。指揮は、ベネズエラのエル・システマ出身のラファエル・パヤーレ。歌手に寄り添った演奏に万雷の拍手を浴びていました。

英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ『トゥーランドット』6/20(金)~6/26(木)TOHO シネマズ 日本橋 ほか 1 週間限定公開 HPはコチラ

*2025年6月20日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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