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紳士のたしなみ

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銀座・和光で開催 「グロッセ」110年のアーカイブ

アクセサリーは見ているだけでも心ときめくものですが、その一つひとつに物語が込められていると思うと、なおさらです。

ドイツのラグジュアリー・コスチューム・ジュエリーブランド「グロッセ」が110周年を記念して、銀座の和光ホールで2017年6月29日(木)から展覧会を開催しています。110年前の作品から、各時代のアーカイブ作品が全部で160点、収蔵庫から大切に運んでくると言いますから、見逃すわけにはいきません。

 

「グロッセ」は、1907年にドイツの宝飾都市フォルツハイムで誕生し、37年にパリ万博で最高賞を受賞しています。その作品「リボンブローチ」は、現在も復刻版を手に入れることができます。これは、中空ワイヤーを使った当時、画期的な手法で作られ、サテンの地模様を再現したきめ細かなテクスチャーなど、芸術性と技術力が高い評価を受けました。

 

その美しさ、デザイン力は、マレーネ・ディートリッヒやグレタ・ガルボをはじめとした多くのハリウッド・セレブたちを魅了し続け、今年もグラミー賞の公式ギフトラウンジでセレブ達の目をくぎ付けにしました。

55年にはクリスチャン・ディオールとパートナーシップ契約を結び、その後50年間にわたって、ディオールのジュエリーの製造・販売を任されていました。

今もなお、輝き続けるその軌跡を会場内でたどってみましょう。

 

まず、1914年の第一次世界大戦の頃、無事を祈って、恋人や母親の長い髪を編み込んだ時計チェーンが戦地に赴く若者に大流行しました。

 

1920年代、女性のファッションが、動きやすく機能的なものへと変化した時、ココ・シャネルがコスチューム・ジュエリーの重ね付けを提唱すると、宝飾品の模造品という立場からおしゃれなものとして社会的に認知されました。

ガラリスという新素材を使った幾何学的なフォルムは、アールデコの草分けとして高い評価を受け、シャネル、ランバンなどオートクチュール全盛期の人気デザイナーに注目されました。

 

29年に世界恐慌が起き、30年代に入ると女性らしく流れるようなラインが主流になってきたため、ロマンティックなフラワージュエリーを制作しました。ファッションにアートの面白さを取り入れたエルザ・スキャパレリが代表的なデザイナーとなり、赤い花のネックレスやフルーツのブローチなどのシリーズを提供しました。

 

37年のパリ万博では、技術とデザインの両部門で最高賞の名誉メダルを受賞。銀幕の大女優たちが顧客となり、特にマレーネ・ディートリッヒはグロッセのニューヨークの在庫を全て買い取ったと、当時大きな話題になりました。

ニュールックで一世を風靡したクリスチャン・ディオールから高く評価され、55年からパートナーシップ契約を結び以後50年にわたって、ディオール・ビジューの制作を任されていました。

 

その後も、新しい技術開発を行い、特許を取得し、デザイン力と技術力でニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのビクトリア&アルバート博物館など世界の美術館に収蔵・展示されています。

 

熟練のジュエリー・マイスターたちが伝統を重んじながら、常に最新技術を取り入れ、一つひとつハンドメイドで製作し、それぞれの分野の専門家たちのこだわりの技術を伝承し続けています。

メッキ加工は6層、23・5金やプラチナ1000など純度の高い貴金属を使用する品質の高さが、今もなお、ファンを魅ひきつけ、愛され続けています。

手に取りやすい価格帯なので、衝動買いしてしまいそう~!

 

6/29(木)~7/4(火)10:30~19:00(最終日は17:00迄)

和光 本館6階 和光ホール 東京都中央区銀座4丁目5-11

 

*2017年7月3日現在の情報です。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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