紳士のためのステッキ入門
La cappoの挑戦
江戸時代に華咲いた日本独特の根付(根付け)の文化
各時代を彩る名工、角(つの)細工師が色々な題材を選び、ある時は彫りのきめ細かさを競い、また、ユーモア・トンチを利かせ、粋で洒脱な芸術の世界を繰り広げて来ました。日本はもちろん、皇室を始め、欧米にもたくさんコレクターが実在します。
日本独特の根付けの文化を基に、現代にも通ずるエスプリを利かせた芸術性の高いステッキ作りに組み入れ世界に発進させているオーナーの村山氏の新たな挑戦が始まっています。
他に類を見ない、ステッキコレクター必見、垂涎の世界を紹介します!
⑴ 蛸・蟹合戦
銀中リングには日本古来からの網模様をデザインに取り入れ、獲物である蟹を襲う蛸のリアリティ溢れる描写を象牙に彫り込んでいます。
特に蛸の足の吸盤はリアルに再現されていて、目を見張るものがあります。
そして石突では、難を逃れ息を潜める蟹の様子を見ることができ、ストーリーを想像させる作品になっています。
⑵ 狐狩り
親子の狐が狩りから逃げる様を象牙で描写しています。
銀中リングには狩りに必要な喇叭をモチーフとし、石突では、うさぎがその狐たちを影に隠れて見守る姿を描いています。
実際に触って見ると、狐の毛並みがリアルに彫り師によって表現されていると共に、思わず触りたくなる狐の肉球をぜひ見ていただきたい作品です。
⑶ 異界百鬼夜行
思わずあの有名なアニメを思い出してしまうほど、クオリティの素晴らしい作品です。
石突のは土蜘蛛の妖怪が彫刻され、外国人からすると、日本の独特の文化である妖怪の作品に、大変人気があるそうです。
⑷ 風神・雷神
俵屋宗達の風神雷神はあまりにも有名ではあるが、その風神雷神を村山氏独自の視点でデザイン画に落とし込み、それを掘り上げた作品です。
石突を見てもらうとわかるが、雷神の子供が描かれていて、どうやら、天から落ちて迷子のようです。
⑸ 六匹の猫
子猫六匹から村山氏は無病息災の思いを込めてこの作品をデザインしたとおっしゃっています。
銀中リングには維ぎ鈴、そしてその鈴を猫につけようとしているとも思える鼠が石突に描かれています。
今後の作品予定を聞いて見ると
ザトウ鯨(目くじらを立てない)
大天狗と小天狗(修行への道)
などなど
まだまだ村山氏の頭の中には思い描いている絵がたくさんあるようです。
村山氏曰く、
題を決める構想に2ヶ月。そして、ステッキの持ち手に合わせて絵柄を描くのに1ヶ月かかるそうです。
角細工師の山鹿氏によると
「平面の絵を立体化し、石膏で実物の模型を製作します。象牙の肉厚を測りながら、芸術を吹き込む。全て手彫りで題材にもよりますが、1,5ヶ月を要し、大作になると3ヶ月を越えることがあります。」
一つの作品を作り上げるのに、これだけの月日がかかっているのです。
ステッキ本体もオーダーで選べ、手持ちや石突も手彫りのオーダーメイドです。これだけで考えても、希少価値があり、手に入るまで、時間がかかる代物であるのがわかります。
そんなステッキをあえて持ち歩く。持ち歩くということは、ある意味、手を塞ぎ、不自由な状態になりますが、この世の中だからこそ、その不自由さを、男の心の余裕と考えたらどうでしょうか?
きっとステッキを持っている男性を見る目が変わるのではないでしょうか?

La Cappo
東京都江東区新木場2-9-6
お洒落で楽しく快適、健康で闊歩し続ける心持ちを願い、創られたステッキブランド ” La Cappo “(ラカッポ)。
江戸時代から300年続く ” 木の文化の町 ” 深川木場で日本を始め世界各地から選び抜かれた貴重な銘木を素材に、木を知り尽くした職人の手で、丁寧に造り上げたステッキが木の魂宿る「木魂の杖」。
永きに亘って木に携わってきた経験を生かし、とりわけ挽き肌の色彩と杢目の美しさが際った素材だけを吟味して、一本一本こだわりを持って製作している。