Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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METライブビューイング「カルメン」 上映中です

オペラを映画館で楽しむMETライブビューイング「カルメン」にオペラ界の新星が登場しました。ロシア出身のアイグル・アクメトチナは27歳。初めて全幕で歌ったのは21歳の時で英国ロイヤルオペラでした。バイエルン国立歌劇場などでも歌っています。力強く、妖艶で、自信と哀しみに満ち溢れた複雑なカルメンを演じています。

(c)Ken Howard/Metropolitan Opera

ドン・ホセ役にはMETのスター、ピョートル・ベチャワ。METでのホセ役は初めてです。今回の演出では、ドン・ホセは、どうも惑わされているだけの男ではなさそうです。

上官のスニガにウエイ・ウー、闘牛士(ここでは、ロデオのチャンピオン)エスカミ―リョにカイル・ケテルセン。真っ赤なジャガーに乗って登場します。ドン・ホセの故郷の許嫁ミカエラにエンジェル・ブルー。

(c)Ken Howard/Metropolitan Opera

舞台は現代のアメリカです。テンポよく歯切れよく、リズムよく今風で、「カルメン」って、こんなに面白い話しだったかしらと驚きです。最初の場面は兵器工場。軍人が建物を守っています。2幕目は密輸品をのせたトラックが道路を走り国境へ向かう場面。LEDライトで高速道路のスピード感が表現される斬新さ。美術の力も大きいですね。そして、「自由か死か」というカルメンの刹那的な考えは悲劇の結末を迎えます。

本作がMETデビューになるキャリー・クラックネルの新演出は、実に素晴らしい。カルメンを現代によみがえらせ心に響く物語にしました。古典は古典として、十分楽しめますが、現代に置き換えての物語もこれほど心をとらえるものだと知りました。MET総裁のピーター・ゲルブは、「オペラの活気を保ち、新鮮なものにするためには新演出が必要」と語ります。

(c)Ken Howard/Metropolitan Opera

指揮は甘いマスクのダニエレ・ルスティオーニ。ドラマティックで情熱的な音楽を作り上げます。案内役は、マシュー・ポレンザーニ。彼もまた、当日突然の代役だったにもかかわらず見事な案内役を務めました。アイグル・アクメトチナの堂々たるカルメンを、どうか、お見逃しなく。

久しぶりで、METの舞台をNYに行って、生で見たいと興奮しました。

 

METライブビューイング ビゼー「カルメン」2024年3月8日(金)~3月14日(木)(東劇のみ3月21日まで2週上映)ビゼー《カルメン》 | 演目紹介 | METライブビューイング:オペラ | 松竹 (shochiku.co.jp)

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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