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映画『襲名』2026年9月25日(金)全国ロードショー

市川團十郎が、世界三大映画祭の一つ「ヴェネチア国際映画祭」のレッドカーペットを歩いている映像がニュースで流れているのをご覧になりましたか。「男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら)」の衣装で、伊達男振りを存分に発揮し、「日本の伝統芸能ここにあり」と、その姿の美しさで世界中を魅了しました。
團十郎襲名の様子をとらえたドキュメンタリー映画『襲名』が、第83回ヴェネチア国際映画祭「アウト・オブ・コンペティション部門」に正式出品され、日本では2026年9月25日から全国ロードショーとなります。世界中にファンを持つ三池崇史監督初のドキュメンタリー作品としても、おおいに注目されています。

歌舞伎の歴史を築く江戸時代から続く大名跡「市川團十郎」。歌舞伎界の名門、成田屋にとって十三代目市川團十郎襲名は大きな節目となります。市川團十郎という大名跡が9年ぶりに復活する。名前を継ぐということの重責、さらに父から子へ芸を繋ぎ、家を継承するというお役目、歌舞伎界の繁栄にとって欠かせない重要な出来事だということが容易に想像できます。

▲(c)2026 K2 Pictures・3Top

作品の中には、歌舞伎十八番(市川團十郎家のお家の芸として選定された18の演目)の中からの演目、昔の貴重な映像などが登場します。
1675年に初代市川團十郎が登場して以来、330年に渡って歌舞伎界を牽引してきました。しかし、これまでの12人の團十郎にはさまざまな苦難が降りかかります。初代団十郎は舞台上で共演者に46歳の若さで刺殺され、3代目、6代目は21歳の時に病いに倒れて急逝、7代目は江戸から追放、圧倒的な美貌で絶大な人気を誇った8代目は自死、11代目は空前の歌舞伎ブームを巻き起こすも56歳で病没、12代目は数々の古典を復活させた立役者でしたが白血病で66歳で亡くなっています。その名跡を継ぐということは、芸を磨き上げるのはもちろんのこと、並々ならぬ決意が必要だということがわかります。

▲(c)2026 K2 Pictures・3Top

13代目は2019年に襲名を発表し、2020年から「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」が始まる予定でしたが、コロナ禍で延期となり、ようやくお披露目できたのが2022年のことでした。そして、11月、12月と襲名披露公演が開催されました。その間、カメラが動き続けます。

印象的だったのは、襲名1週間前の成田山新勝寺での修行です。成田山新勝寺は成田屋の屋号の由縁であり、市川家は、ことあるごとにこの寺を訪ねます。「成田屋」の屋号は、初代市川團十郎が、新勝寺の不動明王を信仰し、子授け祈願が成就したことに端を発し、感謝の気持ちから「成田屋」と名乗るようになりました。また不動明王から「荒事」が創始されています。不動明王の化身となって「にらみ」をきかせ、厄や邪気を払うのは、市川家にしかできないお家芸です。力強く荒々しく、豪快です。

▲(c)2026 K2 Pictures・3Top

ドキュメンタリー作品になぜ三池監督と思いましたが、海老蔵(当時)自ら、旧知の仲の彼にオファーしたと言います。これまで、映画を3本一緒に制作し、海老蔵(当時)が中心となって2015年に始めた新感覚歌舞伎「六本木歌舞伎」の第一段から第三段までの演出もしています。三池監督のドキュメンタリー、観客にどのように受け止められるでしょうか。

▲(c)2026 K2 Pictures・3Top

映画にも登場する、襲名前の13役早変わりの「星合わせ十三團 成田千本桜」、「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」は、実際に歌舞伎座で拝見し、村上隆作の祝幕も客席から見てきました。ルイ・ヴィトンとのコレボレーションでも知られる世界的な現代美術家・村上隆の祝幕は、三池監督の考案で歌舞伎十八番がモチーフです。可愛らしく美しく、力強く、色気があり、まさに團十郎ここにあり。

映画を見て、興味を持ったら是非劇場へ。エネルギーを感じに足をお運びください。

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*2026年9月24日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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