Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

映画『Michael/マイケル』2026年6月12日~全国公開中

寂しくて、悲しくて、ひとりぼっちで胸が締め付けられるようでした。

世界中から愛されるマイケル・ジャクソンは、キング・オブ・ポップと言われ、全世界で10億万枚以上の売上を誇り、13のグラミー賞、30を超えるギネス世界記録を持ち、2009年に亡くなってからも新しいファンを増やし続けています。

生前のマイケルを見たことがない人たちもマイケルに熱狂していると聞きます。彼はダンスにおいても音楽においても、またこれまでなかった世界感をミュージックビデオで表現することにおいても天才であり、努力家であり、戦い続け、そして孤独な人でした。

®, TM & © 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

日本で公開されて1ヵ月がたち、平日の昼間に劇場を訪れましたが、8割ほど席が埋まっていました。

物語は、「ジャクソン5」結成時からソロ・キャリアがスタートするまでの、マイケルの歌とダンスを、全27曲で彩ります。数々のライブとミュージックビデオは、観客を当時の興奮の中に巻き込みます。

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中西部の労働者階級の普通の家庭に生まれたマイケルは、幼いころから厳しい父親によってジャクソンファミリーの成功のためにステージに立っていました。製鉄所で働く父親は、自分がバンドをやっていたこともあり、現状から抜け出すために「ジャクソン5」を結成したのです。

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人気が上がり、数々のスターを生み出した「モータウン」と契約したのは、マイケル10歳の時のこと。その後、違うレコード会社に移籍し「ジャクソンズ」と名前も変えました。マイケルがソロで活動したいと思っていたころ、名プロデユーサーでグラミー賞を28回受賞しているクインシー・ジョーンズと出会いマイケルは世界に飛び出していきます。

家族のためを思い、また父親の管理の下、グループでの活動を強いられ、マイケルは自分の思ったことを自由に表現できません。「自分に与えられた才能を世界に向かって放ちたい」と願うマイケル。

心に届く声と、圧倒的歌唱力、キレの良いダンス、そして作詞、作曲、演出すべてをこなし、完璧なものを作り上げていくのでした。

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マイケル役に、マイケルの兄の息子ジャファー・ジャクソン(幼いころは、ジュリアーノ・ヴァルディ)。ジャファーはシンガーで、演技もダンスも未経験でしたが、2年という準備期間をかけ、足の感覚がなくなるまで毎日ダンスのレッスンに励み、見事なダンスと歌を披露します。DNAが流れているのでしょう、素晴らしいパフォーマンスです。

監督は、『イコライザー』シリーズのアントワーン・フークワ

脚本は、アカデミー賞に3度ノミネートされ、トニー賞を受賞しているジョン・ローガン。ミュージカル分野では映画『ムーラン・ルージュ』を手掛けています。わかりやすく、そぎ落としたストーリーに仕上げています。

製作は、世界的メガヒットを飛ばした『ボヘミアン・ラプソディ』のグレアム・キング。アカデミー賞受賞プロデユーサーでもあります。ジョン・ブランカ、ジョン・マクレイン

劇中、ジェームス・ブラウンのスプリットや、ジーン・ケリーの映画『雨に唄えば』、チャリー・チャップリンをTVで見て研究したり、ニュースから影響を受けたり、当時の時代背景もわかります。また、黒人であるがゆえに音楽専門チャンネルMTVで曲を流してもらえず、CBS社長に自家談判したことなどもわかります。

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さらに、この作品を素晴らしいものにしたのは、マイケル・ジャクソン遺産管理団体が、実際にマイケルが曲を書いた場所での撮影を許可してくれたことです。1971年にジャクソン一家が購入したヘイヴンハーストの約2エーカーの敷地で撮影できたこと。実にジャファーはこの家で育ちました。敷地内には、マイケルのホームスタジオがあり、マイケルはまさにそこで曲を作っていました。

また、マイケルのエンターテインメントのスタッフたちが力を貸してくれたことも大きく影響します。振付チームはジャファーに、マイケルのダンスを体得できるように肉体を鍛え上げました。さらにマイケルとのツアーでの経験や、ファンの熱狂の中にいることがどういうことなのかを伝えたのです。ムーンウオークが誕生した瞬間も同じ会場の同じステージで撮影でき、「スリラー」のミュージックビデオも同じ通りで撮影することがかないました。

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純粋に音楽を愛し、愛され、人々を魅了し、あっというまに去って行ったマイケル。神からの啓示のように、あふれる声と歌と、音楽とダンスと、リズムを放ち、人々に元気を届けるために生まれてきたようなアーティストでした。彼にとってはステージの上にいる時が「生きている」と実感できるひとときだったのではないか。どうぞ、大劇場でご覧ください。

*2026年7月14日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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