Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのWellーbeing

第1回 「男性の更年期を知っていますか」

身体も、心も、社会も健康であるというWell-beingは、いまやなくてはならない概念です。怪我をしていないし病気でもないという身体が健康であることはもちろん、精神的にもストレスがなく充実していて、よく眠れる。そして社会そのものも健全であることが重要だと、誰もが気付き目指し始めました。そうした中、2025年11月、男性の健康をサポートするスタートアップ「MenLab(メンラボ)」が誕生しました。経済産業省は、男性更年期障害による経済損失を1.2兆円と試算しています。代表の松浦良彦さんは、こうした社会課題を解決し、働く男性たちのコンディションを良くしたいと取り組んでいます。

 

<体験をもとに、男性の健康をサポートする事業をスタート>

「なぜあんなに怒ってしまったんだろう」数年前の出来事が今でも忘れられません。そんなつもりはなかったのに、部下に対して必要以上に強い口調で叱ってしまったのです。あとで冷静になると「なぜ、あんな言い方をしてしまったんだろう」「自分らしくなかった」と、ひどい自己嫌悪に陥りました。

それまでは人から「穏やかな人ですね」と言われることの方が多かったため、自分自身の変化に戸惑いました。最初は「疲れているだけだ」「ストレスのせい」「年齢のせいだ」と思っていました。ところが、医療機関での血液検査の結果、男性更年期障害だと診断されました。

その時、医師から言われたのは、「更年期症状というのはホルモンバランスが変化することで現れるものなので、男性ホルモン(テストテトロン)の数値で診断します。松浦さんの場合、基準値から少しはずれているので、治療をはじめましょう」ということでした。そして治療を始めると、少しずつ以前の自分を取り戻すことができたのです。

自分はこれまで15年ほど新規事業開発を手掛け、いつかは自分の事業を作りたいと考えていました。そこで、男性更年期をきっかけに、人生後半戦の男性が自分のコンディションを知り、整え、健康に活躍し続けられるためのサポートをする会社を作ろうと事業化することにしました。

<男性更年期とは、どういうものか>

日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会がまとめた「LOH症候群診療の手引き」では、男性の更年期とも呼ばれるLOH症候群について、主として加齢やストレスなどに伴うテストテトロンの低下に関連して、さまざまな症状が現れる状態として示されています。

症状は、疲労感や不眠、発汗といった身体的なものから、気力や集中力の低下、イライラ、抑うつ、性欲の低下やEDまで多岐にわたります。

ただし、症状やテストステロンの値だけで男性更年期と判断できるわけではありません。ほかの疾患でも似た症状が現れるため、気になる状態が続く場合は、自分だけで原因を決めつけず、男性更年期を扱う泌尿器科や専門外来などで相談することが重要です。

私自身も当初は、「疲れているだけ」「自分はまだ大丈夫だ」と考え、不調を認めたくありませんでした。経営者や管理職など、周囲から強さを求められる立場にいる人ほど、不調を口にしづらいこともあるのではないか。これは私自身の経験から強く感じていることです。    

令和6年2月 経済産業省 ヘルスケア産業課

女性特有の健康課題による経済損失の試算と 健康経営の必要性について

 

<男性更年期は社会課題になった>

2025年、政府の骨太の方針(「経済財政運営と改革の基本方針」)に初めて「男性更年期」という言葉が盛り込まれました。企業では人的資本経営が重視され、健康経営への投資も加速しています。ストレスチェック制度の見直しも進み、「心身のコンディション」をどう支えるかが企業経営のテーマになっています。

また、国内では、男性更年期に悩む潜在的な対象者を600万人規模とし、経済産業省も男性更年期による経済損失を約1.2兆円と試算しています。つまり、すでに男性更年期は個人の悩みではなくなり、社会全体で向き合うべきテーマになりつつあるのです。    

<自分のコンディションを知る大切さ>

自分自身が、男性更年期と診断され治療を始めることで、少しずつ以前の自分を取り戻すことができた時に感じたことがあります。「なぜ誰も、このことを教えてくれなかったのだろう」ということです。女性の更年期は広く知られていますが、男性更年期は、まだまだ認知されていません。

 

「年齢だから」「気合いが足りない」「うつじゃないの?」そんな言葉で片付けられてしまうことも少なくありません。多くの働く男性に起こり得ることであり、特別なことではないのです。だから私はMenLabを立ち上げました。人生後半戦を迎える男性が、自分のコンディションを知り、整え、健康に活躍し続けられる社会。それがMenLabの目指す未来です。

MenLabでは、自分のコンディションを知ることの大切さをテーマにしたセミナーなどを開催するほか、医療機関との連携、体調を整えるための様々なサポートをしています。

また人間ドックや健診センターで「男性更年期」に関する検査が受けられる環境づくりにも取り組んでおり、その一つとして「検査パッケージ」の提供もしています。

 

男性更年期が気になる方は、どうぞ、MenLabで提供しているセルフチェックを実施してみてください。

<セルフチェック>

https://gentsome.jp/?utm_source=danshisenka

<今後の連載で伝えたいこと>

男性の健康寿命を延ばすためにはどうしたらよいか。 健康経営、地方創生、保険、行政、AI、スポーツ、美容、人材など、さまざまな分野で活躍されている方々をお迎えし、「成熟した男性は、どう自分を整え、どう人生後半戦を生きているのか」をテーマに、今後、対話を重ねてまいります。
人生100年時代。男性のWell-beingは医療だけでは語れません。仕事も、家庭も、地域も、生きがいも含めた「人生全体のコンディション」が重要になります。この連載が、皆さま自身の人生を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

 

15年以上にわたり、新規事業開発・事業戦略に従事。パーク24株式会社でカーシェアリングなどの新規事業立ち上げに関わり、「社会課題をビジネスで解決する」ことの意義を学ぶ。その後、FRCTL株式会社を創業。スタートアップや大企業など20社以上の事業開発・アライアンス支援を手がける。自身が男性更年期を経験したことをきっかけに、2025年MenLab株式会社を創業。人生100年時代における「男性コンディション」を社会課題と捉え、企業・医療・行政・保険・テクノロジーをつなぐ新しいヘルスケアインフラの構築に挑戦している。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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