Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

魅力ある紳士達の出会い

第24回 「食の礼儀」

男性の食べ姿は生きるエネルギーに直結しているようなところがある。

基本的に健康な男性は食欲旺盛だ。

特に若いうちは周囲を圧倒するように食べ方をする男性がいる。

最近は若くても食の細い男性が少なくないが、

若くてスポーツマンで旺盛に食べる男性を見ていると、

こちらまで元気をもらったようで痛快な気分になる。

先日、オリンピックの金メダリストである若い男性を交えて

複数人で食事を共にする機会があった。

彼以外は私の年代に近いいわゆる年配者ばかりだった。

彼はすでに現役を引退し後進の指導をする立場にあるのだが、

とにかく気持ちのいいくらいの見事な食べっぷりだった。

同席していた私を含めた年配者は全員、

彼の親になったような気持ちになって、

まだ箸をつけていないからこれも食べなさい

あれも食べなさいとしきりに勧めたのだが、

何とそれを見事に平らげてくれたのである。

最後に運ばれてきた土鍋ご飯が土鍋3つ分もあり、

彼以外はもう満腹で食べきれなかったのだが、

それをほぼ片付けてくれて、残りはおむすびにして持ち帰ってくれた。

もともとが好青年なのだが、食べっぷりの良さによって、

彼に対する全員の好感度はさらに上がった。

元気そうに見えても老人は食が細い。

老いると食べるスピードも遅くなり、食べきれず残してしまうことが多い。

当然のことなのだが、

やはり若く見えてもエネルギーレベルは確実に退潮してゆく。

とは言えこの世にスーパー老人は存在する。

以前、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんと対談したことがある。

週に2~3回は400グラムの肉を食べるといっておられた。

普通の老人と一線を画するその秘訣に触れた気がした。

そんなわけで、病気を患っているならば仕方ないが、

若くても食べる量が少量だったり、スピードが遅かったり、

食べ残しが多かったりする青年を私はあまり信用できない。

しっかり食べ、本人にエネルギーが満ち溢れていれば、

多少の困難も乗り越えられるし、何よりも他者にも優しくなれる。

そしてそれを押し測るには、食事を共にすることが一番確実なのである。

 

話は変わるが、話に夢中でなかなか食事に箸をつけない男性がいる。

そんなに話したいならば、会食でなくてお茶を飲みながら

会話をした方がいいのにと思ってしまうことがあるのだが、

そういう人に限って本人から会食を提案してくる。

なかなか箸をつけない人もいれば、

食べることは二の次で喋り捲る人がいる。

もしその人がその会のホストであるならば、ホスト失格である。

招待主がおいしそうに率先して食べてくれないと

客はなかなか箸をつけづらいものである。

これも招待主が病気であったり、体調不良であったりしたら致し方ないが、

であるならば、

はっきりそれを告げて客には、

おいしく楽しく食べてもらう配慮をすべきである。

かなり昔の話になるが、

辻料理学校の創設者であり、料理研究家の辻静雄先生の

ご自宅に招かれ食事をごちそうになったことがある。

60歳で早世された先生はその時すでに肝臓病を患っておられ、

ご自宅でふるまわれたフレンチのフルコースもワインも

先生はほとんど口にすることができなかった。

しかし、客に気を使わせることなく、料理の豊富な知識を披瀝しながら、

どうぞ召し上がれ召し上がれと

気分良く客に食事を楽しませてくれる天才だった。

食の道のプロ中のプロだなあと感心した。

自分自身食べることが好きな人は客に楽しんで食べてもらいたいという

配慮にも長けている。

食事が運ばれてきてすぐに箸をつけるのは、

行儀が悪いと勘違いしている人もいる。

わざと、もったいぶって一席ぶってから食べ始めるのが

品の良さの証しだと思っている人もいるようだが、

プロは供されたものを即座に口に運ぶ。

山本益博さんやマッキー牧元さんという

いわゆる「食べるプロ」と食事を共に

する機会も少なくないのだが、彼らは出された料理を即座に食べる。

おいしそうに瞬く間に口に収めてしまうのである。

もちろんTPOもあるかと思うが、

寿司、そば、中華など、これが食べる側の礼儀なのだと

プロは教えてくれるのである。

プロフィール

 

南 美希子 MikikoMinami

(元テレビ朝日アナウンサー・エッセイスト・司会者・コメンテーター)

東京生まれ

東京女学館から聖心女子大学国語国文学科へ

大学3年生の時にテレビ朝日アナウンサー試験に合格。

3年終了後、1977年テレビ朝日アナウンス部に入社。

1986年12月に独立。

以降テレビ・ラジオ・執筆・講演・司会などで活躍中。

日本抗加齢協会公認のアンチエイジングアンバサダー。

美容・抗加齢に関しての知識も豊富。

東京理科大学オープンカレッジで話し方の講座を持つ。

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南 美希子 Mikiko Minami

(元テレビ朝日アナウンサー・エッセイスト・司会者・コメンテーター)

東京生まれ

東京女学館から聖心女子大学国語国文学科へ

大学3年生の時にテレビ朝日アナウンサー試験に合格。

3年終了後、1977年テレビ朝日アナウンス部に入社。

1986年12月に独立。

以降テレビ・ラジオ・執筆・講演・司会などで活躍中。

日本抗加齢協会公認のアンチエイジングアンバサダー。

美容・抗加齢に関しての知識も豊富。

東京理科大学オープンカレッジで話し方の講座を持つ。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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