Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

8月は納涼歌舞伎 歌舞伎座

昔、8月の歌舞伎座は、歌舞伎の公演を行っていない時期が長らくありました。しかし1990年に十八世中村勘三郎(当時勘九郎)と十世坂東三津五郎(当時八十助)が中心となって「若手の公演」として31年ぶりに夏の興行を復活させてから、納涼歌舞伎として定着したというわけです。やる気にあふれていたということでしょう。「挑戦の場」でもあり、わかりやすい演目や、3部制で時間も短めで歌舞伎初心者でも楽しめるスタイルになっています。
たまには休んで避暑に行ってもらいたい気持ちはやまやまですが、昨年の納涼歌舞伎で坂東玉三郎の新作『火の鳥』を観せてもらいましたし、せっかくなので今年も行ってきました。

11時からの第一部は、涼やかになる『怪談 牡丹燈籠』の通し狂言。夏の怪談は、日本の風物詩ですね。
15時10分開演の第二部は、先ごろ亡くなった四世片岡亀蔵を偲び、落語が元になった『らくだ』。そして『鬼神(きじん)のお松』。
19時夜スタ―トの第三部は美しい舞踊です。『舞鶴(ぶかく)雪月花』は十七世中村勘三郎に書き下ろされた中村屋ゆかりの舞踊です。『雪』と『残月』は玉三郎。『雪』は実在の芸妓をモデルにした江戸時代中期の曲を、昭和の舞踊家・武原はんがオリジナルで表現した作品に基づいたパリでも称賛された舞踊です。上方舞の情緒が息づく『残月』も見逃せません。

私は、第二部に伺いました。
『らくだ』は、紙屑買の久六にコミカルな役が得意な中村勘九郎、遊び人の手斧目半次に松本幸四郎、家主の女房に笹野高史、NHK大河ドラマで人気を博した坂東彌十郎は長屋の家主佐兵衛です。死人の役・駱駝の馬太郎は、亀蔵の当たり役でした。今回は亀蔵の兄の片岡市蔵。
長年、共に舞台を踏んできた俳優たちが集い演じます。俳優の笹野高史は、これまで平成中村座、コクーン歌舞伎に登場してきましたが、歌舞伎座は初登場。さすがのキャリア、思いっきりよく演じ、笑いを誘います。亀蔵を偲ぶ場面も盛り込まれ、勘九郎と幸四郎のやり取りのリズムが小気味よく、また、勘九郎の次男・長三郎が酒屋の丁稚役となって登場。亀蔵がどこかで見守り「頼んだよ」と言っているような、笑いたっぷりの一幕です。

『鬼神のお松』は、本興行では62年ぶりです。夫を支える妻、女盗賊お松に中村七之助。初役です。鬼神のお松というと、講談などの題材とされる三大盗賊の一人に数えられるほど強い役です。盲目の夫・夏目四郎次郎に尾上右近。
夫は主家の宝刀「暁丸」をとられ、自分は盲目になってしまいました。その刀を奪い返すために盗賊になったお松。愛する男の妻として、子供の母として、そして夫のために戦う盗賊として生きるお松。七之助の変化を楽しみます。

「出演者直筆うちわプレゼントキャンペーン」をやっていますので、2階のロビーを歩いてみてください。出演者27名の直筆うちわをじっくり見て楽しめます。第三部に登場する勘九郎の長男・勘太郎のうちわが、とても素敵。勘太郎は、すでにお父さんの勘九郎の身長をぬきました。次の歌舞伎を背負う世代です。

*2026年8月24日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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