Philosophy of the gentleman

Mr.紳士の哲学

紳士の哲学では、紳士道を追求するにあたり、
是非参考にしたい紳士の先人たちのインタビュー・記事を通して学んでいきます。

山本晃永

Y’s SPORTS AND ENTERTAINMENT 代表取締役

ファッション哲学

「美しい姿勢、機能的な身体の動きがあってこそのかっこよさ」

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山本さんプロフ

【トップアスリートのトレーニングノウハウを一般の方にも】

アスレティックトレーナーとして、競技スポーツにおけるプロの選手のパフォーマンスアップから、メディカル面のサポートまでを行ってきた山本さん。
リハビリをして選手を現場に早く復帰させたり、選手のパフォーマンスを上げていく事を目的としながらトレーニングをさせていく等、様々なチームや選手を見ている中で、このノウハウを一般の人にも提供で出来たら、きっと色々な方のパフォーマンス向上に繋がるのではいか?
肩が痛い、膝が痛い、腰が痛い、などの悩みも改善出来るのではないか?と考えるようになったそうだ。

Y’s SPORTS AND ENTERTAINMENTが運営を行う運動施設「Y’s Field」では、パーソナルトレーニング、ボディケア、ボイストレーニングの3つが柱となっているという。
「長年トップアスリートをスポーツ現場で見て来て、一定の評価を得られてきたメソッドを持っているという部分は、他のジムとは違うところかもしれませんね。」と山本さんは語る。
トップアスリートに指導して来たプロのノウハウを、一般の人も教えてもらう事が出来るのだ。

【独自の開発メソッドで怪我や痛みもサポート】

競技スポーツの世界で、医師と連携しアスレティックリハビリテーションを行なっていく中で、患部の状況や患部以外のフィットネスレベルを評価しながら、物理療法と運動療法の両方をプログラミングし、選手の怪我を治していく事が非常に大切だと山本さんは言う。

その考えは一般の人や高齢者の人においても同じなのだそう。
山本さんは「Move・Y」という独自のメソッドを確立している。
人間の11の身体の動きに着目して、それぞれの評価方法やトレーニングメニューを構成しているのだ。
まず、機能解剖学上、人間の適切な動きをどの位出来るのか?それを確認する。
出来ない場合はトレーニングで修正して鍛えていく。
その上に、それぞれの目的となるパフォーマンスを乗せていく。
高齢者であれば日常動作であり、アスリートなら競技の特異的動作という事になる。
そうする事で、それぞれのニーズに合ったパフォーマンスの向上を図る事が出来るというのだ。

つまり、どんな人にも対応可能なトレーニングメニューが用意されているということ。
単純に体を「強く」「大きく」創り上げていくだけではなく、機能的な動き、「痛み」や「不調」などを抱えている人にも対応が出来る事が大切だと語る。

また、多くの女性が求めているダイエットについても、摂取カロリーと消費カロリーを計算しながらプログラムを段階的に行っていく。
栄養面に関しては公認スポーツ栄養士がしっかりと栄養バランスについてもアドバイスをし、トレーニングに関してはアスレティックトレーナーが個別メニューを作成し、効率的かつ健康的にダイエットを進めていく事が出来る。

【エンターテイメント性を取り入れた新しいプログラム】

ボイストレーニングを担当しているのは元劇団四季の井上智恵さん。
トレーニングジムで、ボイストレーニングが組み込まれているというのは珍しい。

きっかけは、彼女が劇団四季時代に膝を手術した際、山本さんのところでリハビリをする事に。
高齢者や子供達のプログラムを展開していたところに、運動だけでは脳や表情などを動かすのは非常に難しく、是非エンターテイメントプログラムを導入してもらいたいと思い、入ってもらったそうだ。
彼女は現在、コンサート活動、ボイストレーニング、エンターテイメントプログラムの開発を中心に活躍している。

オリジナルマシーンを使ったサーキットトレーニングに、各世代に応じた楽しいダンスプログラムを組んだりもしているそう。
「彼女はいつも、” 身体は楽器 “と言っています。身体がしっかりと機能していないと、いい声も出ません。そのためのプログラムを高齢者の方向け、主婦や女子高生向けなど、楽しくオールエイジに対応出来るものを作ってもらっています。」と語る山本さん。
機能解剖学をベースにオリジナルで開発されたメソッドは科学的で、楽しみながら身体を整えていける非常に理に適ったトレーニング方法であるのだ。

「肩こり、腰痛など、趣味のゴルフのパフォーマンスが上がらなかったりするのは、機能的に身体が動いていないからです。重い負荷で行う筋トレよりも、機能的に体を動かす事に重点を置いて行っていくべき。そうする事で健康はもちろん、趣味などのパフォーマンスも向上して、より楽しい生活になりますよ。」
人間が本来必要としている身体の動かし方に注目する事で、トレーニングの質は大きく変化してくるようだ。

文:野口万紀子

山本晃永

山本晃永

1967年神奈川県生まれ。法政大学卒業後大手フィットネスクラブに就職。その後、より専門的なスポーツ指導者を志し米国に留学し、全米アスレティックトレーナー協会公認ライセンスを取得。帰国後、Jリーグチーム、プロ野球チーム、サッカー日本代表などでも指導し、パーソナルトレーナーとしても多くのトップアスリート、俳優などのパフォーマンス向上に貢献。2004年に現在の株式会社ワイズ・スポーツ&エンターテイメントの前身であるワイズ・アスリート・サポートを起業。スポーツ医科学をベースにオリジナル運動メソッドを開発し、ジュニア年代のトレーニングスクール、高齢者の健康運動教室やデイサービスなども展開。またコンセプト運動施設である「ワイズパーク」「ワイズフィールド」の出店など事業を拡大している。

http://www.ys-athlete-support.com

 

<座右の銘>
「スポーツと健康の日本化」
海外輸入ではなく、今とこれからの日本を読み解いて運動プログラムを開発していきたいと常に思っています。
<おススメの本>
学生時代に熱中した司馬遼太郎の「竜馬がゆく」ですかね。両親が高知県出身という事もあって親近感もあったとは思いますが、自分も日本を変えたい、何の世界でそれが出来るのだろうと考えさせられました。
<おススの映画>
やはり「スターウォーズ」ですね。広がりはもちろん、シリーズ化が復活したことで深みも出てエンターテイメントとしては最高です。今後もワクワク出来るのがいいですね。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。