<伝えることの大切さ>
徳田さんは、最初バイトとして入った大手流通グループ会社のグループ専務兼基幹事業会社社長に、37歳という若さで異例の抜擢。その後も上場アパレル企業をはじめ様々な企業の事業立て直し・経営を行ってきた。
そんな経験もあって、現在の株式会社ダイアナに入社するまでは、MBAの知識やこれまでの経験を元に仕事をしてきたが、ダイアナではそうはいかなかったと言う。
ダイアナのメイン商材は補整下着。女性の口コミで広がってきた会社である。「フランチャイズで店舗展開を行っていたが、ビジネスモデルを変える等といった変革をすると、とたんに動けなくなる女性経営者が多く、前年比60%まで落ちたこともあります。
創業当初から、「女性美の原点はプロポーションの美しさにある」という理念を掲げており、91万人以上(※)の体型データから導き出した「ゴールデン・プロポーション(理想体型)」を提唱している。※2018年12月末現在
補整下着の「ダイアジェンヌ」は、ボディースーツ152サイズ、ガードル26サイズなどの幅広いサイズで展開。フルカップブラジャーに関しては69サイズ展開で、2011年にギネス世界記録にも認定された。
<トータルビューティソリューションから、ライフスタイルソリューションへ>
「何を言うかよりも、携わる人々のやる気をいかに引き出せるか、を大切にしています。日頃からホスピタリティを大事にしており、例えば海外研修として毎年約1,000人の方を世界各地にお連れするのですが、その際などは最後のお一人までお見送りします。喜んでくださる方が多く、嬉しいですね。」(徳田氏)
今後の展望をお聞きすると、「ライフスタイルソリューションを目指します。」とおっしゃった。
女性が一生を幸せに過ごせるように、補整下着だけでなく女性のライフスタイルに関わるビジネスを多角的に展開・拡大予定とのこと。
現在も補整下着だけでなく、ヘルシーフードや化粧品、ヘアケア、ビューティアイテム商品も取り扱っており、女性の真の美しさを手にするための道具として開発されている。ダイアナはプロポーションづくりだけでなく、女性の人生そのものを応援する組織へと進化していると言えるだろう。
また、ブランドのイメージキャラクターにはオードリー・ヘプバーンを起用しており、女優としても社会貢献活動においても活躍された生き方全てをダイアナの世界観として表現している。また、CMには、ロックアーティストの相川七瀬さんを起用。アーティストとしてだけでなく、子育てや社会奉仕活動も行いながら、美しさをキープされているので、ダイアナが提供する様々なサービスを重ね合わせながら、ブランドイメージを表現している。
「ぜひダイアナで《なりたいわたし》を実現してほしいです。」(徳田氏)
<人生は決断の連続>
大学卒業したら、すぐに起業するつもりだった。しかし起業するための経験を積むために、様々なアパレルや商品を扱うことができる当時バイトで働いていた繊維企業に新卒で入社した。これが、後に社長に抜擢される会社だ。2年ぐらいで独立し、自分の店舗を持つことを思い描いていた。
しかし、当時の先輩からの「自分で商売したら1億円動かすのも大変だ。この会社で社長になれば1,000億を動かすことが出来る」という言葉で一転。
「そうや!この会社の社長に絶対なる!」と決心し、普通であれば到底不可能であるその夢を37歳で叶えた。
また、2009年にファンドから招聘され、現在の株式会社ダイアナにおいて本気でダイアナと生涯を共にしたいと決意し、普通では考えられないが2014年に純粋MBOを成し遂げ、現在はオーナー経営者としてダイアナファミリーの指揮を執っている。そして、一生懸命考えて行動すれば夢は叶う、ということを今では全国で伝えている。
「自律」を座右の銘とし、夢を叶え続けている徳田さんは、まさに紳士な男性である。
文:川手美紗 撮影:岩村紗希