Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士がするべき時計

【PATEK PHILIPPE】紳士には受け継ぐべき時計がある

時を知るだけなら、時計はもはや以前ほど必要でなくなったのかもしれない。しかし、時計には単なる道具を超える価値があることを多くの人は知っている。
今持つべき時計とは、豊かな過去に根差し、未来へと時をつなぐような時計ではないだろうか。

<「一生もの」を超えて未来にも真価を発揮する時計>

 時計は、誰にとっても、まず第一に時刻を知るための道具である。しかし、時 計に対する考え方となると、人によってさまざまだ。
たとえば、新作を次々に手 に入れて着け替えを楽しむ人にとっては、時計は一種のファッション・アイテムだろう。その一方で、愛着をもって長く使うことに価値を見出す人も少なくな い。愛好家にとっての時計は、もはや自分の一部である。そこにパーソナルな時がタイムラインとして刻まれ、大げさに言えば、生きた証が宿ると考えられているのだ。
したがって、使い込むほどに他のものでは代えがたい自分だけの時計としての価値が増してゆくのである 。

「時計は一生もの」とよく言われるが、実際に機械式時計の場合、適切なメンテナンスを施せば、文字通り一生使えるだけでなく、一生を超えて先々までも使え、子々孫々に残すことも不可能ではない。男なら、そんな次世代に受け渡すにふさわしい時計を持ちたいものである。

機械式時計には、未来の時さえ内蔵する時計がある。伝統的に「永久カレンダー」と呼ばれる機構を搭載した複雑時計だ。永久カレンダーは、精巧な機械的 プログラムが暦の各月の日数や閏年を計算し、自動的に修正してカレンダーを正しく表示する仕組みである。
一般的な永久カレンダーの場合、時計が動き続ける限り、西暦2100年の2月末日まで人為的な修正は不要だ。まさしく「永久」に時を正確に告げるイメージである。
 
スイス高級時計の最高峰に位置づけられる老舗時計メーカー、パテックフィリップの代表作の一つも、この永久カレンダーを搭載する複雑時計である。とり わけクロノグラフと組み合わせた一段と高度なモデルは、古くから時計愛好家の間で絶賛される傑作だ。
1秒の数分の1というまさにミクロの時を切り取って記録するクロノグラフ機能、もう一方は、果てしなく長いスパンの時の流れを司る永久カレンダー機能。これら両極に位置する二つの時がここに融合されているのである。瞬間と永遠をこれほど機械で巧妙に表現できるのは、永久カレンダー・ クロノグラフ以外にないのである。

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永久カレンダー搭載クロノグラフ Ref.5270

12時位置に曜日と月、6時位置に日付とムーンフェイズ、3時位置にクロノグラフの積算計、
9時位置にスモールセコンドを配置した機能的で調和の取れたデザインは、パテックフィリップが1940〜50年代に確立し、この種の複雑時計の古典になっている。現行品のRef.5270は、伝統的なスタイルを守りながら、自社開発の最新ムーブメントを搭載し、格段に進化を遂げている。
手巻き。18Kローズゴールド。ケース径 41mm。1847万円(税抜き)

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(左) 2009 年に独自の「パテック フィリップ・ シール」を創設。
製造からアフターサービスまで自社で保証する世界でも稀な品質基準だ。
(中) / 2001年にジュネーブに開館したパテック フィリップ・ミュージアム。
数世紀に及ぶ貴重なアンティークと自社製品合わせて2000点近くを展示して時計の歴史をたどる。
これも伝統の継承の一環だ。
(右)創業 175 周年のイベ ントでは創業者一族のスターン父子が登壇、
伝統を集大成した超複雑腕時計を発表。

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アンティーク時計がオークションで記録的な高額で落札されることでも
パテック フィリップはずば抜けている。同社の製品は時を経ても絶大な価値をもっていることの証だ。1930 年代に アメリカの銀行家ヘンリー・グ レーブス・ジュニアのために特製された超複雑時計は、2014年秋、サザビーズオークションで時計史上最高額の約28億円で 落札された。

 

<伝統の継承を通じて 過去、現在、未来を結ぶ>

パテック フィリップは、1839年にジュネーブで創業。
昨年、創業175周年を迎え、盛大な記念行事や超複雑時計の発表が大きな話題になったことは記憶に新しい。
創業以来「世界最高の時計をつくる」を社是に掲げ、その言葉に違わぬ傑作時計を世に送り出し、歴史に名を残す数多くの偉人たちに愛好されたことでも有名だ。まさに名実ともに時計の世界で究極の高級ブランドなのである。

そのパテック フィリップがかくも名声を維持し続けてきたのは、過去も現在も、 時計づくりに伝統の継承が一貫して守られてきたからだろう。それは「世界最高」の名声を誇る技術や品質だけでなく、デザインにもよく表れている。腕時計の主要コレクションのデザインは、はるか過去に完成の域に達し、今日まで受け継がれてきたものばかりだ。
 
永遠の古典として不動の地位を占めているラウンド型腕時計「カラトラバ」の 最初のモデルは1932年にまで遡り、すでに80年以上もの時を経ている。優美で気品豊かなトノー型腕時計「クロノメトロ・ゴンドーロ」も、原型は1920年代に作られた。複雑機能とデザインの両面で伝統の継承を見事に具現化しているのは、クロノグラフ、とりわけ先に挙げた「永久カレンダー搭載クロノグラフ」や、世界各地の時刻を同時に表示する「ワールドタイム」である。
いずれも1940年代から50年代に確立されたスタンダードが今もしっかり生きている。モダンなスタイルのラグジュアリー・スポーツウォッチ「ノーチラス」が最初に発表されたのも1976年と意外に古いのだ。

 パテック フィリップの場合、昨今流行するヴィンテージモデルの復刻版などとはまったく意味が違い、各モデルに明確 なルーツと長い年月に及ぶ伝統の継承が あり、それがコレクションの系譜を形作っている。そして同社はこう考える。
 
「時計は一個人が消費して終わってしまうものではなく、次世代へと受け継がれ るべきもの」だと。こうした価値観を裏 付けるように、パテック フィリップ・シー ルという厳格な自社基準を設けて高品質の時計製造やアフターサービスを保証する万全の体制を整え、未来への橋渡しにも真摯に取り組んでいる。
 
このようにみると、男には受け継ぐべき時計がある――そんな理想に最も近い時計は、パテック フィリップをおいて他にはないのではないだろうか。

<“最高峰ブランド”を証しする主要コレクション >

パテック フィリップの腕時計は、長い歴史の中でじっくり熟成されたいずれも名品だ。
最新技術が投入された最高級ムーブメントも魅力である。
 


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タイムレスなクラシックの名作 カラトラバ

パテック フィリップの代表作の中でも、永遠の名作とされる「カラトラバ」は、1932年のオリジナル・モデルを継承して今なお作り続けられている。機能がフォルムを決定するというバウハウスの理念に基づく、そのシンプルで視認性の高いデザインは、あらゆる腕時計の模範になった。
「カラトラバ Re.5196」。手巻き。 18K ホワイトゴールド。ケース径 37 mm。247万円(税抜き)

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トラベルウォッチの最高峰 ワールドタイム

世界の24のタイムゾーンに対応し、主要都市の時刻が一目瞭然という画期的な機能を搭載する腕時計をパテックフィリップは 1940 年代から50年代に次々と作り、「ワールドタイム」のスタンダードを確立した。機能を進化させた現代モデルは、トラベルウォッチの最高峰をゆく。
「ワールドタイム Ref.5130」。自動巻き。 18Kイエローゴールド。ケース径 39.5 mm。474 万円(税抜き)

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贅沢を極めるスポーツウォッチ ノーチラス

1976年の発表当時「世界一高価なスティールウォッチ」と評された「ノーチラス」は、マリンスポーツにもフォーマルにもふさ わしいラグジュアリー・スポーツウォッチの草分けだった。そのDNAを受け継ぎ、現代的に洗練されたモデル。
「ノーチラス Ref. 5712/1A」。自動巻き。ステンレススティール。ケースサイズ 40mm(10時‐4時方向)。6気圧防水。374万円(税抜き)

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1920年代のエレガントな意匠 クロノメトロ・ゴンドーロ

パテック フィリップは、1902年から1927年にかけてブラジルの販売店ゴンドーロ&ラブリオ社向けに特別なモデルを製作したことでも知られる。その中の一つ、1925年に作られたトノー型腕時計から想を得て、優美なデザインを忠実に再現した現代モデルは人気が高い。
「クロノメトロ・ゴンドーロ Ref. 5098」。手巻き。18Kローズゴールド。ケースサイズ 32×42 mm。405万円(税抜き)

 

PATEK PHILIPPE

パテック フィリップは、1839年にジュネーブで創業。
昨年、創業175周年をえ、盛大な記念行事や超複雑時計の発表が大きな話題になったことは記憶に新しい。
創業以来「世界最高の時計をつくる」を社是に掲げ、その言葉に違わぬ傑作時計を世に送り出し、歴史に名を残す数多くの偉人たちに愛好されたことでも有名だ。
まさに名実ともに時計の世界で究極の高級ブランド。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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