紳士のためのステッキ入門
オーダーステッキの魅力
江戸時代から300年続く“ 木の文化の街 ”深川木場で、日本を始め世界各地から選び抜かれた貴重な銘木を素材に、木を知り尽くした職人の手で丁寧に作り上げたステッキが木の魂宿る「木魂の杖」。
長きに亘って「木」に携わってきた経験を生かし、細かい部材を含めてお客様のあらゆる要望に応えるオーダーシステムを完成させたステッキ専門店「La Cappo」。
“ 紳士の哲学 ”に掲載されている「La Cappo」オーナーの村山氏との対談の中で、その底知れぬステッキの魅力を探ってみました。
村山氏による、まだ誰も挑戦していないステッキ分野の作品がお披露目となります。
ステッキの各部の名称が分からない人も少なくないと思うので、ここでご紹介。
ステッキの握る部分は「握り」「手元」「ハンドル」と呼ばれ、ステッキの全体のイメージは、持つ人の品格を決めてしまう位重要な部分です。
一本の木を曲げて造られるステッキの王道“ 大曲がり品 ”、ハンドルと支柱を違う材質で構成する“セパレートタイプ”。
特にハンドルは歴史的に見ても、銘木・藤巻き・銀・象牙・水牛の角等、あらゆる意匠が施されています。
曲げた手元から地面に向かう木の円柱部分を「支柱」と呼び、それと地面との接地面を結ぶのが「石突き」と呼ばれる部分です。
村山氏がこだわりを持ち、そして完成したものは当然、銘木の知識に長けているLa Cappoのオーナーであるがゆえに銘木を「支柱」に使うのは当然ですが、象牙を使った「手元」と「石突き」をそれにプラスするのが、こだわりのステッキであります。
ハンドルの角加工においては、鹿角・猪の牙、同じ象牙でもマンモスの牙から造られた作品も過去に存在します。
本象牙は貴重性はもちろん、地紋の美しさ、気品があり、持ち手の手掌の当たりは、他を寄せ付けません。
象牙を素材に和の伝統の根付の技術を生かしつつ他に類を見ない絵柄と物語をも織り込んだ作品、正に“ 和魂洋才 ”です。
正直、それを見た時に衝撃を隠せない意匠だったのは、間違いありません。
「ここまで繊細にデザインされ、それを象牙に掘り上げた手元は見たことがない。」
まさに、それが正直な感想でした。
象牙彫刻シリーズは村山氏の頭に湧く、デザイン・意匠・物語が一体となって造り出され、現在5作品目を手掛けている最中といいます。
その圧巻な「手元」だけでなく、マニアにとっては何とも言えない擽ぐる演出が、実は「石突き」にもされているのです。
お店を尋ねると分かるのですが、村山氏は恰幅が良く、この繊細なデザインは一体どこから出てくるのだろうか?といったこのギャップが、人柄と共に何とも言えない魅力なのでした。
逸品のステッキをオーダーできるのは当然ですが、石突きの写真を見ても分かる様に、物語の完結を想像させるものが、そこにはあります。
「La Cappo」では、当然世界中の銘木が一堂にコレクションされています。
材を選ぶ所から物語は始まるのです。
当然、購入予算についても村山氏は相談に乗って下さいます。
ここでお断りをしておかないといけないかもしれません。
「石突き」の写真が掲載されていて「手元」の写真がないではないか、そう言われるかもしれませんが、そこは是非3部作が出来上がった時にお披露目させていただこうと思います。
自分が考えるデザインを、村山氏のデザイン起こしを依頼して、それを彫刻して「手元」にしてもらう・・・
きっと、時間と費用はかかるけれども、それこそ世界に一本だけのオーダーステッキ。
ファッションを突き詰めたい蒐集家は是非、LaCappoに足を運んでオーナーの村山氏に相談してみてはいかがでしょうか。

La Cappo
東京都江東区新木場2-9-6
お洒落で楽しく快適、健康で闊歩し続ける心持ちを願い、創られたステッキブランド ” La Cappo “(ラカッポ)。
江戸時代から300年続く ” 木の文化の町 ” 深川木場で日本を始め世界各地から選び抜かれた貴重な銘木を素材に、木を知り尽くした職人の手で、丁寧に造り上げたステッキが木の魂宿る「木魂の杖」。
永きに亘って木に携わってきた経験を生かし、とりわけ挽き肌の色彩と杢目の美しさが際った素材だけを吟味して、一本一本こだわりを持って製作している。