Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士が知るべき葉巻

葉巻の嗜み方

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■タバコの始まり
ゆったりとした空間の中で、美味しいお酒を片手に煙を燻らせる。
少し敷居が高そうなイメージがある葉巻だが、最近では気軽に楽しむことが出来るシガーバーが沢山登場している。
19世紀当初、煙草は貴族紳士の嗜好品であり、誰しもが吸えるものではなかった。
タバコはナス科の一年草のことで、アンデス山脈標高1500m付近のところを原生地とする植物である。
かつてタバコは宗教的な意味合いが強かったようで、呪術師が使用したり、儀式や医薬品といった用途で使われたのが始まりだと言われいる。
その証拠に、マヤ文明にはタバコを吸う神像が彫刻されているレリーフが見つかっている。
1492年コロンブスのアメリカ大陸発見時、先住民タイノ族の喫煙習慣「コイバ」を知ったのが西洋世界での始まり。
コロンブスはそれに興味がなかったが、一緒にいた船乗達が興味を持って世界中に広げたのだ。
最初は薬として使用されており、16世紀駐ポルトガル仏大使ジャン・ニコがカトリーヌ・ド・メディシス女王に頭痛薬として献上して、その後、貴族の間てにも広がっていったと言われている。
因みに、ニコ氏の名前は「ニコチン」の語源。

■欧州に広がるタバコブーム
当時キューバを植民地としていたスペインは、セビリア王立煙草工場で1717年にキューバ産タバコを使ってシガーを生産し始めた。

その後、ナポレオンのイベリア半島戦争がきっかけてとなり、スペインから欧州全土へと本格的に広がるようになる。
ナポレオンのモスクワ遠征のため、ロシアにも広がり、英国でのシガー生産が始まったのはイベリア戦争直後の1820年頃である。
1821年、スペイン国王フェルナンド7世が、スペイン国家専売だったキューバ産葉巻の自由化をしたのがきっかけで、タバコが欧州全体に広がるようになる。
庶民向けには、スペインのタバコ工場でシガリート(小さな葉巻)が作られ、普及のきっかけとなったのだ。

 ■「葉巻」からシガレットへ
大英帝国が7つの海を制して繁栄すると葉巻の大ブームが起こり、なんと現在の3倍も生産されるようになった。
因みにこの頃はマシンメイド(機械巻き)が主流となっていた。
タバコの楽しみ方には、噛む、嗅ぐ、吸うの3種類があって、18世紀まで貴族の間ではスナッフ(嗅ぎタバコ)が主流であった。
第二次世界大戦後はパイプや葉巻に代わってシガレットが普及し、巨大産業となっていったのだ。

■葉巻の吸い方
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①葉巻を選ぶ
ブランドによって味わいが異なる葉巻。
自分好みの味わいを見つけよう。
基本の選び方のポイントは、同じブランドならば
・長さ
・太さ
・価格
この3点。
長さは長い方が吸うのに時間を要して、太さは太い方がふくよかな味わいとなる。
その後、ラッパー(表面を巻いてあるタバコの葉) の色、硬さ(硬すぎると吸うのがきつくなる)、虫食い、カビ(白い産毛のようなものはプリュムといって問題なし)などをチェックする。
『モンテクリストNO.4』は世界一ポピュラーな銘柄で、初心者にもオススメ。
慣れないうちは、お店の方に選んでもらうのがベター。

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② 吸い口を切る
葉巻専用のハサミ、パンチ、ギロチンカッター等を使って吸い口が丸くなっている方を切る。
初心者は、広めの切り口が吸いやすいのだそう。

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③点火する
先端が焦げる程度に回転させながら加熱して点火する。
オイルの匂いが移るのでオイルライターは避けて、葉巻用の長いマッチを使って点火後、硫黄臭を飛ばしてから使う。
マッチの代わりにシダー片(シガーボックスの杉材を細く切ったもの)を使ってもよい。
いずれにしても、偏らないように葉巻自体を回転させるのがコツ。

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④軽く吸い込んでチェックし、息を吹きかける
均一に点火されているかを確認する。
先端から5ミリ程度まで均一に点火されていると見栄えが良い。
指3本で持ちながら息を吹きかけ、先端に酸素を供給する。
葉巻は、酸素を供給しないと自然と消える仕組みになっているのだそう。
他人に渡す時は、葉巻の場合は息を吹きかけるのではなく、相手にぶつからないように大きく振って、十分に酸素を供給し、点火されているのを確認してから渡すようにする。
ゆっくりと円を描くように振ると優雅。

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⑤葉巻を吸う
紙巻タバコのように肺に入れるのではなく、口の中で燻らせながら、ゆっくりとふかすように吸う。
灰は自然と落ちるのを待つのが良い。
途中で、灰皿においておけば自然と火は消えるので、その後、あらためて吸う事も可能。
女性の場合は肺活量が少ないので、細めの物を選ぶと良いだろう。
『H・アップマンプチコロナ』や『モンテクリストNo.4』などがオススメ。
保管の際にはヒュミドールと呼ばれる葉巻専用保湿機が適しており、ワインクーラーと同じ温度18度、湿度70%が適切な環境である。

■紳士のアイテム「葉巻」
大英帝国の上流階級のアフターディナーでは葉巻を楽しむ際に、別室でスモーキングジャケットを着用する習慣があった。
ここから派生して男性の正装服であるタキシードが生まれたのだそう。
今では、葉巻愛好家の中で最高の『3C』と呼ばれている、Cigarette(タバコ)、Coffe(コーヒー)、Chocolate(チョコレート) の組み合わせは、最高に贅沢な時間を約束してくれる紳士の癒しのアイテムそのものである。

奥井 規晶
日本キューバ・シガー教育協会 副会長。

http://cubacigar.jp/index.html

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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