Challenge of the gentleman

紳士のチャレンジ

紳士のチャレンジでは、男が紳士になるために経験すべきテーマについて、
編集長、山之上友が体当たりでチャレンジしていきます。

オーダースーツにチャレンジ

<前編>イージーオーダー「生地選び・デザイン選び・採寸」

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2016 年9 ⽉にリニューアル1 周年を迎えた 5F 紳⼠服フロアにて、スーツのオーダーにチャレンジ。

 

img_0663こちらのイージーオーダー売場では、自分にぴったりの本格的なスーツをカスタムする事が出来るそう。
今回は、スーツの聖地イギリス サビル・ロウで活躍するマスターテーラー スティーブン・ヒッチコックのモデル(型紙)でスーツを仕立ててもらいます。

 

img_0659株式会社 松屋 銀座本店 紳士MD課バイヤー(紳士特選、イージーオーダー担当) の阿藤さん。
2016年9月、松屋銀座 紳士服フロアはリニューアル1周年を迎え、男性だけでなく女性客も多く訪れるようになったとのこと。
「服飾から雑貨まで、日本のモノ作りのこだわりが詰まったアイテムが揃っています。」と阿藤さんは語ります。

 

img_0512仕立ての担当をしてくださるのは、イージーオーダー売場担当の長崎さん。
にこやかな笑顔で出迎えて下さいました。

 

img_0638まずはスーツのイメージを相談。
スティーブン・ヒッチコックは英国の中でも外交官など、クラス感のある一流の人達が選ぶブランド。
本国では「ディプロマット(外交官)」と呼ばれる、一流の英国スタイル「サビルロウ・モデル」と、前衛的で若者向けの「スローン・モデル」のタイプがあり、着る人と共にブランドが年を重ねていく事が出来るようになっているとのこと。

オーダーする際のポイントは、「遠慮せずにコミュニケーションを取る事です」と長崎さん。
自分の好みや要望を具体的に伝え、擦り合わせていく事でイメージ通りの物が出来上がるそうです。
今回は、ヒッチコックっぽさを意識して、ダンディで華やかさがありながら、オーソドックス過ぎないものをお願いしました。
ビジネスでも活用できる3ピースをオーダーします。

 

img_0502店内には、沢山の種類の生地がずらっと並びます。
この中からいくつか選んでいきます。
ヒッチコックのイメージには、張りがあってしっかりとした素材の物が合うようです。

 

img_05323シーズン着用出来るような生地を選んでいきます。
おすすめしてもらったのは、クラシックなチェック、落ち着いた印象の紺色、スマートで深みのあるボルドーの3色。

 

img_0536色々と相談した結果、オーソドックスだが遊びのあるチェックの柄に決定。
創業200年近くの歴史を持つ英国毛織メーカー ジョン・フォスターの定番「グレンチェック」。
値段と品質の良さから、支持者が多いそうです。
とても英国紳士的でクラシックな印象。
生地感に張りとコシがあって、今くらいの季節にぴったり。

 

img_0641コーディネートを組む際には、ワイド型の衿の白シャツに、ブラックタイ、白のポケットチーフに、靴は黒を合わせると最高にカッコイイ。
ブラックタイは葬儀のイメージになってしまうのでは?と気になるかもしれませんが、ウールタイをチョイスすれば驚く程しっくりキマリます。
「グレンチェック」のスーツは、上下単体でも使いやすいので、コーディネートの幅が広がるのも嬉しい。

 

img_0553続いて、デザインを決めていきます。
ヒッチコック氏は16歳の時にサビル・ロウの30番地に開店した名店、アンダーソン&シェパードで修行することになります。
この事からアンダーソン&シェパードの教えを継承する形になるのですが、ヒッチコック氏のデザインで特徴的なのは、フロントカットが通常の丸みがある物よりも長くて直線的である事。
釦位置が低く、釦からラペルまでの距離があることで、胸に沿っていくカッティングが美しく見える事。
これによりブリティッシュに、すらっと美しいラインが出来上がります。
今回は、より形を綺麗に出すためにサイドベンツにして、衿はノッチ、腰ポケットは水平にして落ち着いた印象に。

 

collage_fotorこちらは各パーツのイメージ。

 

img_0557続いて釦選び。
明るめの色で堅すぎない印象にしたいので、水牛やシェルの釦が良さそう。

 

img_0564今回は、遊び心があって奥行き感を感じる、水牛(BC)に決定。

 

img_0565釦選びが終わったら、次は裏地選び。
遊びの要素もある、様々な柄のサンプルが並びます。

 

img_0572今回は表が柄生地なので、裏はシンプルに。
艶感のある紺色264に決定。

 

img_0578デザインが一通り決まったところで、採寸。
実際に体のサイズを細かく測っていきます。
自分の身体の特徴にもしっかりと対応して、フィットしたものが出来上がります。
アームホールが浅いのも、ヒッチコックの特徴。
人間工学に基づいて型紙が作られているのだそう。

 

img_0596トラウザーズはワンタック。
裾口はダブルにします。

仕上がりは4週間後とのこと。
非常に楽しみです。

 

 

 

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スティーブン・ヒッチコック

ブランドのご紹介
オーダースーツの聖地イギリスサビル・ロウで活躍するマスターテーラー。
“ロウ・トゥ”と呼ばれる低めのボタン配置と、これに伴うストロークを長く取ったラベルのライン、ベルトレスで横尾錠付きトラウザーズなど、サビル・ロウの他のテーラーとは一線を画す独特のスタイルを構築している。

http://www.miyuki-hanbai.co.jp/bran

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松屋銀座
東京都中央区銀座3-6-1

百貨店のご紹介
大正14年に開業された銀座の老舗百貨店。
「ファッション性」と「デザイン性」を追求した品揃えで独自性を発揮し、常に進化し続ける「日本のものづくり」にこだわる百貨店。
9⽉にリニューアル1周年を迎えた紳⼠服フロアには話題性のあるショップも増え、注目を集めている。

http://www.matsuya.com/m_ginza/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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