Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

できる紳士の色づかい

第三回 インテリア編

海が好きですか、山が好きですか?
または、ビルが立ち並ぶ都会、夜のネオン街が落ち着くという方もいるでしょう。私は海が好きです。

ターコイズ、白、ブルーなどの色が織りなすグラーデーションが好きで、海を連想させるからです。海派の方なら、おそらく「青が嫌い」という人は少ないと思います。

人によって色のイメージや感覚は異なります。
人は知らず知らずのうちに、色を何かに投影(イメージ)しています。例えば、
青は、海や空
緑色は、森林や草木
黄色は、太陽や月を
そしてそれは今見えているものだけでなく、時代を超えて人類の中に脈々と受け継がれた感覚だったり、遠く遡った記憶だったり、人間が持つDNAレベルの情報だったりします。
赤は、人類が初めてみた火の記憶かもしれません。
オレンジは初めてもぎ取った果実の色かもしれません。
そして、ピンク(サーモンピンク)は、国籍問わず、誰もが経験している10ヶ月間いたお母さんのお腹の中の色です。
こうして、遠い昔から刻み込まれた記憶や環境、日々積み重ねられる思い出によって色のイメージが作られていきます。
そのイメージにより、色を見るだけで、優しく守られているという安心感を得ることができたり、パワーをもらったり、自分を解放できたりします。まさにカラーセラピーです。
当然のことながら、人生それぞれであるように、色のイメージもそれぞれといえます。(余談ですが、日本人は、太陽の絵を描かせると、赤で描くことが多く、 欧米では黄色で描きます。)さらに、色は色相、明度、彩度によっても異なるので、色の持つイメージによる心理的効果を統一化することは難しいです。
ですが、色彩には、もう一つ、
体が直接反応する生理的効果が存在します。
前回にもあげた、赤色に触れることで血圧が上ったり、逆に青が血圧や体温を下げる作用があるなど、色そのものが身体に影響を及ぼす事がさまざまな研究によって明らかになっています。
このような効果は、万人に共通する色本来のパワーとでもいえるでしょうか。意識せずとも私たちを助けてくれている色彩効果かもしれませんね。
自分の身の回りにおく色を両方の観点(心理的効果と生理的効果)から知っていると、より心地よい空間作りができるでしょう!
そこで、今回のテーマ「インテリア」、オンとオフのある自分のための空間作りについて一緒に考えてみましょう!快適な暮らしは心身の充実を促し、できる紳士へ、また近づくはずです。
家のインテリアは、それぞれの目的、用途に分かれています。
リビング、ダイニング、キッチン、バスルーム、寝室・書斎・・
まずは、それぞれの場所で、ご自分がどのように過ごしたいか考えてみることが大切です。
「リビングルーム」は、やはり、くつろぎ、リラックスできる場所にしたいですね。
ナチュラルカラー(自然色)、ニュートラル、アースカラーなどと言われる、
ブラウン、ベージュ、グレーなど、落ち着いた色を使うことで、安らぎや、マイルド、くつろいだ雰囲気が演出できます。
同系色の中に濃淡をつけ、素材感も様々なものを組み合わせるとポイントになります。
もう少し遊び心が欲しいと思ったら、ビビットカラーを付け加えるのもよいです。
朱赤、レモンイエロー、ロイヤルブルー、などのクッションを置いてみるとどうでしょうか?躍動感が出て、楽しい雰囲気になります。季節によって、クッションやラグなど変えてみるのもよいですね。

一方、インテリアショップや住宅ショールームなどのソファやラグでよく見られる黒ですが、こちらは、高級感を出すために一役買う色です。黒色は雰囲気を引き締め、クールなイメージにもなるでしょう。
ただ同時に重くなる、色でもあるので、分量や配色には気をつけましょう。サポートカラーであるグレーなどと組み合わせるとバランスよく上手に使うことができます。

「ダイニングやキッチン」は、食事を作る・食べる場所です。
楽しい気分で自分や誰かのために、美味しいレシピを創造し、さらに食欲がどんどん湧いてくることも大切です。話しがはずみ、ユーモアにあふれるコミュニケーションの場でもあります。
そう考えると、やはり寒色系より暖色系をセレクトするのがよいですね。
黄色系は光を呼び込むイメージで、明るく穏やかな気分にさせてくれます。
胃腸の働きをよくする生理的効果もあります。
オレンジ、赤、ビタミンカラーも同様、食欲が湧く色なので、ランチョンマットなどキッチングッズに使うのがお薦めです。ただしキッチンでの赤の多量は、火を連想してしまいますので、ポイントで使うようにしましょう。

「バスルーム」は疲れを癒したり、リフレッシュしたり、いわば、オンオフを切り替える場所でもありますね。
青でも少し緑を混ぜた、ターコイズブルーがお薦めです。爽やかなイメージで、心が和むリラクゼーションができる色、元気を回復させ、クリエイティブな思考へと向かせてくれる色です。
また爽やかな色の黄色は目が覚める色なので、なかなか目が覚めない人に、シャワーカーテンやタオルもお薦めです。

人は人生の約3分の1を寝て過ごすのですから、「ベッドルーム」はとても重要です。
良い睡眠がとれる場所でなければなりません。
青系は、気分を落ち着かせてくれますが、体温を下げる効果もあり、朝の目覚めには不向きでしょう。
赤系の暖色だと、いざ寝る時に興奮状態になり、寝付きにくくなってしまうこともあり、寝る部屋としてはやはり不向きでしょう。
その青と赤を混ぜ合わせた中間の色、紫がお薦めです。
精神の苛立ちを抑え、筋肉の緊張をほぐし、頭痛なども緩和させることができるリラックスカラーです。瞑想にも向いています。
意識されたことがあるでしょうか?
飛行場ロビーのイスが、ほとんどが紫色なのは、お行儀よく待っていてほしいから!?なのです。
紫だけで寂しかったら、パステルトーンにピンクを加えてみるとフェミンなイメージに。ラベンダーに水色を組み合わせると、甘く優しい雰囲気になります。
赤との組み合わせは、エネルギッシュなオリエンタルな印象になります。
壁や絵画、カーテンやシーツなど、色の組み合わせを楽しんでみてください。

そして、最後に様々なお部屋のポイントで使っていただきたいのはやはり白と緑です。
白は、光を透過する色なので、その明るさによって顔色も明るく、若く見えるメリットもあると言われています。
清潔感や明るさだけでなく、広がりを持たせる効果があるので、実際に部屋が広く感じることができる色です。

緑は、自然や森林を連想し、自然界がもたらす安らぎを思い描ける色です。
寒色でも暖色でもない中性色であり、物事のバランスをとろうとする心理的な働きがあり、
心を静め、リラックスさせてくれる色なので、どの部屋にも合います。
植木など本物のグリーンを置くのが一番よいですが、思い切って、壁を薄いグリーンにしてみたり、絵画やソファの色に使ってみたりするとリラックス効果大です。
他の色との相性もよいので、家全体のバランスやまとまりを作る意味でも使っていただきたい色です。
家や家具は、洋服のようにその日の気分で毎日変えるというわけにはいきませんから、季節や環境の変化があるときに、このコラムを読んでいただいたこの機会に、インテリアを自分の大切な空間として見回してみていただくのはいかがでしょう。
色の効果を使って、ワンランク上の空間作りにトライしてみてください!
個々によって異なる生活色の提案のお話しは、まだまだ尽きませんが、今回はこの辺で・・

MACHIKO GO

http://www.machikoprayer.com/
色彩アートセラピスト、ペインティングアーティスト
パレットブラン代表 http://www.paletteblanc.com/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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