Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

できる紳士の色づかい

第一回 洋服編

できる紳士と聞くと、どんな人を想像しますか?

仕事ができる人?気配りができるかっこいい人?

人間は、五感の中で、視覚が87%占めていると言われています。また「人は見た目が9割」「人の印象は6秒で決まる」など話題になったこともあり、やはり、まずは外見があなたの入り口といえそうです。

優しそう、誠実、「センス」の良さ、「色気」などあなたから醸し出される雰囲気も、できる(=もてる)紳士のはずせないキーワードとなるでしょう。

これらは、生まれ持ったものなのでしょうか?

私は仕事柄、「絵や色のセンスがなくて・・」という相談をよく耳にしますが、もともとセンスを持ち合わせているなんて類い稀なことだと思います。
センスは環境や意識でどんどん磨かれていくもの、できる紳士のキーワードとなるべく要素も同じです。

「色」を使って、磨きをかけていくお手伝いをしたいと思います。

まずは、色のこと、色の可能性を知ってみましょう。
当たり前のようですが、視覚から入る全てのものには色がついています。家、電車の中、信号、広告、パッケージ、食べものにも全てにです。普段意識をしていないかもしれませんが、色に囲まれ生活をしています。

そして興味深いことに、多くの研究により、色が心のバランスをつかさどる自立神経に様々な働きをすることが実証されています。色と人間の心理には深い関わりがあり、感情や記憶、潜在意識に結びつていると考えられるのです。

色を意識し上手に使わないなんてもったいない!

色を上手に使うための基礎知識を少しずつご紹介していきましょう。
色は、大きく暖色と寒色とに分けられます。暖色系の赤や黄色は、太陽や光をイメージし、心理的にも暖かさを感じさせ、心地よく、のびのびした印象を与えま す。寒色系の青や青緑は、水、空、海などをイメージさせ、清々しく、落ち着いた印象を与えます。これらの効果は周りにだけでなく、肌や目を通して自分自身 にも及びます。

その時々で、自分の心地よい色や必要な色を知り、使い、自分を表現できるということが、自分自身を知ることでもあり、個性につながりま す。この意識と過程が自分磨きにつながります。また相手や周りにも同じように心地よく感じた時に「この人センスが良い!」「色気があって素敵!」と感じる のかも。

これからの「洋服選び」は、より色を意識してみましょう!
洋服にまつわる色のお話をご紹介します。

色を使ってイメージ戦略に成功した、米元大統領、ジョン・F・ケネディの話しはあまりに有名ですが、大統領選演説で「赤」のネクタイを着 用したことで、彼のパワーと情熱が伝わり、見事逆転勝利をおさめました。パワータイ作戦は今ではあちこちで見られますが、色は人の心さえもコントロールで きるのです。また仕事でのクレーム対策には「青」や「ピンク」がお薦めです。青は冷静にさせる色なので、相手も落ち着いてきます。そしてピンクは、攻撃性 を沈下させる色なので、怒れなくなる心理作戦です。平和に調和を計りたいのなら「緑」がよいでしょう。疲れがたまっているときも欲する色です。色は視覚だ けでなく、肌からも体に影響を及ぼすという観点から、冷え性の方には、男女問わず身につけて頂きたいのは「赤」の下着。私がセミナーや講演などで行う「目 を閉じた、赤と青の色の比較実験」でも明らかですが、赤は、体温・血圧を上昇させる効果があり、実際に体感温度が1℃~3℃高くなると言われています。
まだまだ「色の魔法」はつきませんが、洋服選びのとき、色を意識し自分を意識することを心がけてみてください。

最後に、色を楽しみたくなるお話です。コンゴ共和国に住む、色を思いっきり楽しむ集団、その名もサプールをご存知でしょうか?世界一「お しゃれで優雅な紳士たち」は、フランス支配下の歴史がある故、仏人のスタイリッシュな盛装に、独特の色彩感覚と感性を加えて昇華させたのが始まりです。裕 福でない彼らは、普段は質素に、休日に思いっきりおしゃれをして、街へ出かけていきます。見栄をはり、気取って歩く姿に、街中が拍手を贈るぐらい。自分の ためにカラフルで「世界一優雅な男」を楽しむのです。まぶしいくらいに色鮮やかな色を、思いのままに着こなす姿は、見ている側もHAPPYにしてくれま す。

土地によって色の見え方が違う。ってご存知ですか?これは、 赤道に近いほど、太陽光は赤みを帯び、暖色系の色がきれいに見え、逆に赤道から離れると、青紫系を帯び、寒色系がきれいに見えるからなのです。海外で買っ た洋服を帰国後見てみると、「あれっ?色が違う。」と思うのもそのせいです。たまには出先で、いつもと違う太陽光線のもと、違う色で違う自分を楽しむのも よいのでは。

自分の好きな色を知り、時には普段は選ばない色の洋服を身につけることで、新しい刺激や創造が生まれ、心も循環するかもしれません。色彩 療法(カラーセラピー)の歴史は古く、古代エジプト、ギリシャ、中国、インド、日本において行われ、伝われてきたものです。全5回のコラムでは、カラーセ ラピーの観点から様々な色の活用法をお話ししていきます。

MACHIKO GO

http://www.machikoprayer.com/
色彩アートセラピスト、ペインティングアーティスト
パレットブラン代表 http://www.paletteblanc.com/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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