Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

できる紳士の色づかい

第四回 プレゼント編

どなたかに贈り物をする時、どのようなことを考え選ばれますか?
お誕生日、記念日、クリスマス、お祝いごと、父の日母の日…

一生のうちどのくらいのプレゼントを贈り、そして頂くのでしょうか。

大切に想うお相手にプレゼントするのですから、特別喜んでいただきたいと考えれば考えるほど悩んでしまいます。それに、自身のセンスが大いに発揮され披露される時でもありますから、納得のできるのものにしたいですね。
内容や形はもちろんですが、同じ品物でもどちらの色にしようかと悩まれたことありませんか?
プレゼント選びでは、色も重要なポイントなのです!

そこで今回は「色」から考える「プレゼント編」ということでお話ししていきたいと思います。

好みをよく知っている家族や恋人、友人へのプレゼントも毎回悩みますが、お付き合いの浅い方や面識のない方へのプレゼントはもっと悩んでしまい、知りうる限りの行動、洋服や持ち物、生活スタイル、会話などから好みをイメージし、何を差し上げようか考えるでしょう。

気をつけないといけないのは、あなたの知りうる情報が必ずしも万全ではないということです。特に女性は、今日と明日では違う色のお洋服を着ているかもしれないし、TPOで簡単に七変化するでしょう。長期に渡って観察することは難しいので、思いきって何色が好きか聞いてみるのが早いかもしれませんね。

暖色系が好き、寒色系が好き、明るい優しい色が好き、原色の冴えた単色が好き、何色か混ざりあった微妙な色合が好きなど・・
普段どのようなものを持っているか、雰囲気は・・
アメリカの研究者シャイエは、色の好みと性格の関係を調べた研究結果を発表していますが、前に挙げたような色情報を知るだけでも、ある程度、性格や好みも見えてきます。

私は、食器やガラスに絵を描く「絵付け」のお仕事をしており、「プレゼント」をオーダーされる機会が多いです。
お会いしたことがない方のものを依頼されることも多いので、まずは、その方のイメージをなるべくお聞きしたいと思い、色々な角度からさまざまな質問をさせていただき、お打ち合わせをしています。
逆に考えると、自分の知らないところでも、外見や持ち物で好みや性格を判断されているということにもなるので、自分の色のアイデンティティーを普段から意識ししっかり持っておくことも必要といえそうですね。

具体的に、色の観点から考えるプレゼント選びのポイントをご紹介していきます。

四季で考えてみるのも良いのでは?
例えば春のお誕生日の方へ、または春のような柔らかいイメージの人へ、春と言えば、やはりピンク、桜色、柔らかい黄色、オレンジや黄緑色など、その時期だけしか使えない桜のデザインのものをあえて差し上げて、毎年使って頂く♪ なんていうのも贅沢なプレゼントかもしれません。色と柔らかい香りも相性がよいですね。

color003

夏は、青、ターコイズ、白、水色など爽やかで涼しい感じ。透明感のあるものがお薦め。
ビビットなピンク、緑、黄色なんていうのも太陽の下で似合う色、楽しいシーンに使えそうなもの。
日本では、ガラスの器などがよく出るのも夏ならでは。
夏らしさを上手に演出していただきましょう。

color004 color005

秋は、黄色、赤、橙、茶色、紫など落ちついた色味のいわゆる秋色だけで組み合わせたり、ゴールドなども入れるとゴージャスな雰囲気なものに仕上がります。ワインを飲むシーンを連想させたり、ざくろのような深い赤、落ち着いた柿の色、紫のグラデーションなども上手に使ってリラックスできるグッズもよいですね。

color006

冬は、白と黒、きりっとした鮮やかな色、ゴールドやシルバー、キラッと光る宝石をイメージしたものが街にも多くでます。暖炉やキャンドルの火を連想させる赤を上手に使うと、温かい感じがして、距離も縮まりそうですね。

color007

それぞれの四季の色のイメージをしているだけで楽しくなってきますが、これらを合えてミックスする!もいまどきで、オリジナルの面白い色の使い方が発見できるかも!
このように「色」もプレゼント選びのポイントに加えると、より一層粋で幸せな贈り物になること間違いなしです。

お祝いやお礼などにお花をさしあげるシーンも多いと思いますが、これもまたその方のイメージの色や、お花の種類で選んでいると思います。

ただ病院などへのお見舞いのときだけは、注意が必要です。
根付く=鉢植え、香りがきついもの、お花が落ちやすいものなどのNGはもちろんですが、
赤や黄色、白の多用は避けた方がよいでしょう。
赤は血を連想させ、黄色の多用は疲れを増し、白のみは死を連想させます(個人的には白の花が好きですが、白×グリーン×実などは、また雰囲気が変わるので万能です)。
大切なのは、入院されている方の病状を考えること。
痛みや不安を和らげるための「青」、さらに回復を望む「薄い紫」、なぐさめるための「ピンク・紫」、少し回復された方に、元気を増すための「オレンジ」、癒されながら安心してもらう「グリーン」など、贈られる側の立場や状況、気持ちを考えることが大切ですね。

 

少しプレゼントからは離れますが、色でできる心遣いとして、クリニックや病院では、看護士さんの制服の色も、ピンクや水色の色が増えていることもその一つです。
白は清潔感がありますが、少し緊張感を与える色でもあるので、海外では内装、壁の色を優しいパステル色にしているところも多いようです。
パステル色を見るだけで、働いている人達も優しい気持ちになるし、実際病気の回復を高めると言われていて、どちらにたいしても相乗効果があると言えそうです。

そして、パステルというと、赤ちゃんのイメージがあります。
赤ちゃんにとって、お腹の中の色のピンク色は安心な好きな色ですが、生後2,3ヶ月でやっと色がわかり始め、実際に色をしっかりと識別できるのが生後6ヶ月とか。
原色である黄色、白、ピンク、赤、青の順で好むとも言われていて、そのあとになって、赤と青を混ぜた紫、青と黄色をまぜた緑などが認識できるようになります。
ディック・ブル−ナ著「ミッフィー」の原色の絵本がロングセラーで人気なのもうなづけますね。
赤ちゃんに会う時はパステルと言わずとも優しい気分になります。優しくて穏やかな時間と空間であるために、威圧的な黒は避け、明るい色を着て、暖色系の色をプレゼントしましょう。

  

最後に、〆のラッピングの色も引き立て役として必要ですが、それよりも、「メッセージ」を入れるのを忘れないようにしましょう。
実際のところ、メッセージカードだけでもうれしいもの。
ついつい忘れがちですが、手書きで心をこめて、「気持ち」「お礼」を伝えましょう。

プレゼントを考える時に「色」のポイントを加えることは、贈るお相手をいつもより深く想うことにつながるのですね。もしかしたら、贈られたお相手も新しいご自分に気付かれたりするかもしれません。できる紳士のプレゼントはひと味違う! と思わせてしまいましょう!

 

MACHIKO GO

http://www.machikoprayer.com/
色彩アートセラピスト、ペインティングアーティスト
パレットブラン代表 http://www.paletteblanc.com/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ