Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

大人の女性の取扱説明書

シリーズ第7回目は「官能」

 この夏、アイドルデビューすることになった私が(2015年8月25日、CD発売予定です! 応援よろしくお願いします♡)「官能」についてのコラムを書くのはどうなんだ? という気もいたしますが、それはそれ、これはこれ。今回は、「官能」についてお話していきたいと思います。

 この連載は「大人の女性の取扱説明書」ですから、処女相手の官能ではなく、経験豊富な大人の女性の官能について綴ります。

 よく、「カラダの相性ってやっぱりあるの?」とか「セックスの上手い下手ってどうやってわかるの?」という質問を受けますが、個人的には、カラダの相性はあるし、セックスの上手い下手はあると思います。でも、カラダの相性も努力次第で良くなっていくし、官能のセンスを磨けば、上手いと思われるようになると思っています。

 この年齢になって思うのは、「官能もセンスだな」ということ。残念ながら、セクシャルなセンスがない殿方、というのは少なからずある一定数存在するようです。具体的にどういう男性に対して「センスがないな」と思うか、というと、大きく分けて

①焦らすことを知らず、即物的である

②「湿り気」がない

の2つでしょうか。順に説明していくと、①は、やはり女性は焦らされる方が盛り上がりますし、前戯は本当に大切なんです。いきなり襲う、というのも、たまには良いと思うのですが、基本的にはやはり時間をかけてじっくりと高めていくのがよろしいかと。「はやく挿れて」と女性がおねだりするくらいまで焦らす方が、盛り上がると思うのです。

そして、②の「湿り気」に関しては、「セックスが上手い男性」というのは、往々にして全体的に湿り気があるものなのです。顔の肌も潤っているし、唇も荒れてないし、指先もガサガサしていない。なんなら、カラダもしっとりしているのです。こういう男性は、肌を重ねているだけでも気持ち良いけれど、女性の触りかたもとても上手いことが多いのです。故に、セックスも上手い、ということに繋がるのです。

肌質は持って生まれたものですが、努力次第で改善できます。顔やカラダ全体に関しては、まず、水をなるべく沢山とるようにすること。そして、サウナに入ったり湯船に浸かって汗をかいたりして新陳代謝を高めると、体内の水分循環が良くなり、ツヤツヤした肌になれます。可能であれば、入浴の際に日本酒を入れたり、古くなった牛乳やヨーグルトなどを入浴剤替わりに入れたりするのも、しっとりとした肌になるのでオススメです。

触りかたに関しては、設置面積が大きい方が気持ち良いと感じます。点の刺激も良いですが、まずは面で攻めて、点に移行するのが良いと思います。具体的に、相手の腕に触れる場合で言うと、まずはしっとりと柔らかい手のひら全体で、相手の腕を包むように軽く握り、すーっと撫で上げる。自分で自分に試してみるとわかりやすいのですが、ガッといきなり手を置いて滑らせるよりも、一旦きちんと置いて一呼吸置いてから軽く圧をかけながら撫で上げた方が気持ち良くないですか?

即物的な男性というのは、この「一旦置いて(馴染ませて)から動かす」ということが出来ません。胸を揉むにしても、あそこに指を入れるにしても、何をするにしてもいきなり、してしまう。それでは、女性の官能は開こうにも開けません。女性に触れるときは、まず、手のひら全体で軽く圧をかけてから、一呼吸おいて点で攻めていくようにすると、とろけるような快感を味わってくれるはずです。

 そして、このとき大切になってくるのが、指先の潤い!

 官能において、男性に潤っていて欲しいのは、ズバリ、唇と指先! 女性にダイレクトに触れる部分なので、ここがガサガサしていると、一気に興ざめ。恥ずかしがらずに、リップクリームやハンドクリームでこまめにケアしてください。手のガサガサに関しては、石けん類でこまめに手を洗うことでも改善されていきます。手を石けんで洗うことで角質がふやけてはがれてくれるので、その上でハンドクリームを塗って保湿すれば完璧です。私自身は、指先のガサガサが気になるときは、「角質をポロポロ落とすジェル」でケアしています。よく温泉旅行に行った先の大浴場で見かけるボトルに入ったジェルなのですが、その場ですぐ角質ケアできるので、即効性が欲しいときにオススメです。お出かけ前にこのジェルで角質を落としておけば、彼女に「指先がガサガサしていて痛い」と嫌われる心配はなくなります。ドラッグストアやネットでも手に入りますし、カラダにも使えるので1本あると便利だと思いますよ。爪の伸ばしすぎや汚れ、指先のガサガサに気を付けて、彼女のカラダを優しくいやらしく掻き分けていってくださいね。

 女性のエロスと男性のエロスは違うと思いますが、女性の官能はじっくり時間をかけることで花開きます。

ですから、前戯は是非、じっくりと時間をかけて行ってください。時間があまりない時でも、事前にお風呂に入って湯船で腰を温めるようにすると、血流が良くなるので感度がアップします。ですから、一緒にお風呂に入って、背後から彼女を抱きしめたり、お互いに腰部分をマッサージしたり、肩や腕などをマッサージし合うというのもオススメです。

最後に、相手に「このひと、セックスが上手い」と思われる究極のコツですが、それはズバリ、「相手の愛撫をまねること」です!

自分に置き換えてみるとよく分かると思うのですが、人は無意識のうちに「自分が気持ち良いと思う愛撫」を相手にしているものです。肌を撫でる強さや撫で方、触り方、乳首への触れ方、吸い付く強さなど、自分が気持ち良いと思うことを相手にしているハズです。ですから、もし彼女があなたの乳首を優しく転がすのならば、彼女はそうされるのが好きだし、背中をやさしく撫で上げたり、軽く肌を噛むようなら、彼女はそうされることで興奮を覚える、ということです。

もし、あなたが乳首を強く噛まれるのが好きだとしても、彼女があなたの乳首を優しく攻めるのであれば、まずは彼女を優しく攻めることが大切です。ひとの快感のポイントは本当に千差万別なので、自分が気持ち良いからといって、同じようにされて相手も気持ち良いかというと、そうではありませんから、気を付けましょう。この連載でもよく言っていることですが、官能に関しても、やはり思いやりが大切です。

相手の愛撫をまねするだけで、女性は「この人、何も言わなくても私を気持ち良くしてくれる!」と思ってくれるので、この方法はオススメです。

 あと、相手を気持ち良くしてあげたくてコミュニケーションを取ろうとしても、「気持ちイイ?」という質問の仕方だと「イエス」か「ノー」でしか答えらません。そういうときは、「もっと強くして欲しい?」「ここをこうされるのと、こうされるのと、どっちが気持ちイイ?」など、相手が具体的に答えられるように質問すると良いと思います。

 それ以外ですと、愛撫が単調にならないように緩急を付けたり、歯槽膿漏や虫歯による口臭に気を付け、もし唾液のニオイが気になるようなら、相手の全身をなめ回すのは避けるとか、過度なディープキスは避けるなどして、相手が不快に感じないようにすれば良いと思います。

照明はやはり暗めが良いです。たまに、女性を気遣ってか真っ暗にしてくれる殿方もいらっしゃるようですが、女性だって少しは行為の様子を見て感じたいので、仄暗いくらいが宜しいかと。なかでもキャンドルは揺れる炎が本能的なエロスに働きかけますし、アロマキャンドルなら良い香りも漂ってさらにオススメです。

個人的には着衣のエロスが大好きなので、コスプレ時やお気入のランジェリーを着用している際は、半分だけ脱がした状態でするのが好きですが(私はこれを「半裸のエロス」と称して愛でています。最近まったくしてないけど!)、エロスやフェチ心をくすぐられるポイントも人それぞれなので、そういうことも一緒に探って開拓していけるパートナーだと、秘密を共有している感も増して、絆も深まると思います。

 濃厚な官能は、やはり大人の男女だからこそ織り成していくことができるもの。

 よく、女性はワインに例えられますが、そのことからも、女性の官能が開花するのには時間がかかることが伺えますね。長い年月をかけて成熟した芳醇なワインを、活かすも殺すもあなた次第。

 ゆっくりと、舌の上で転がして、深く味わってくださいね♡

日向 琴子

漫画家、モデル、WEBテレビ局社長、ラブホテル評論家。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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