Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

大人の女性の取扱説明書

シリーズ第5回目は「スキンシップ」

いきなり固有名詞を出すのもどうかと思いますが、「チャーミーグリーンのCMみたいな夫婦になりたい」というセリフは、個人的に、今までの 人生で最も耳にしてきたセリフかもしれません。私と同年代、もしくはそれ以上の年齢の皆様ならご存じかとは思いますが、知らない方の為に念のため説明いた しますと、昔、お年を召した夫婦が手をつないで楽しそうにしている食器用洗剤のCMがあったのです。

今回はスキンシップについて、ということで、真っ先に思いついたのが、この「手をつなぐ」という行為でした。

信号待ちで、ふと、手をつなぐカップルを目にするのが好きです。それを見ると、微笑ましい気持ちになります。その時自分に手をつなぐような 相手がいない場合は「いいな」と羨ましく思いますし、相手がいる場合は、その人のことを思い出し、会いたくなって、手をつなぎたくなります。

スキンシップは、しないよりした方が良い! これ、絶対言い切れます! だって、スキンシップがないと、男も女もカサカサに乾いちゃうと思いますもの。心も体も。

それもそのはず、スキンシップには人間の「幸福感」や「安心感」、「信頼感」などを満たしてくれる脳内ホルモン「オキシトシン」を分泌させ る効果があるのです。オキシトシンは、愛撫や抱擁などの皮膚接触や性交渉による子宮頚部への刺激によっても放出されるため、『抱擁ホルモン』とも呼ばれて いるそう。スキンシップをすることで、「ここにいるよ」「そばにいるよ」というメッセージをお互いに伝え合うことができるので、大切なパートナーには、出 来るだけ触れたほうがより幸せになれそうですね。

実際に、どうやってスキンシップを取れば良いかというと、相手との関係性によっても変わってくると思いますので、それぞれ話して行きたいと思います。

まずは、あなたが好意を寄せている女性に対して。「女性は頭をなでられるのが好き」「頭をポンポンされるのが好き」「女性は褒められるのが 好き」など、よく耳にすると思いますが、往々にしてそれらは『(イケメンに限る)』であって、好みの相手じゃない場合は「セクハラだ」と騒ぎ出すのが女 子ってもんです。

ここで重要になってくるのが、女性に「セクハラだ!」と思われないような男性になる、ということですが、このコラムを読んでくださっている男子専科読者の方はそんな心配はないと思いますので、先に進みます。

よく、飲みの席などで「手相を見てあげる」と言って女性の手に触ろうとする男性を見かけますが、まあ、それもアリです。大人の女性は多少のことでは動じないので、「ありがちだな」とは思うけど、減るもんじゃないし、素直に手を差し出します。

問題は、その後の段階ですよね。性的なニュアンスを含む関係へと進んでいく過程での「スキンシップ」。駆け引きが要らない大人の関係なら、 何度目かのデートでカウンターに並んでお酒を飲んで、軽く膝や腰に手を置くとかすればOKでしょう。神楽坂とか並んで歩けば自然と手なんかもつなげちゃい ますし、なんなら腰を引き寄せればお互いの顔も近くなってキスも出来ちゃうでしょうね、大人なら。

しかし、ここで私はあえて言いたい! 大人の男女なら、わざと「触れない」関係を作るのもアリなのではないかと。

大人の女性は誘惑だってお手のモノ。ハタチやそこらの男子なんか指先1本でカンタンに翻弄出来ちゃいますし、すっかり自分の虜になっている 大人の男性を、目の前で見つめるのは至福の瞬間。でも、大人の女性はそんな時、「願わくば、このドキドキがずーっと続きますように」と思っています。誘惑 はするけど、すぐに手を出して来ないで欲しい、と密かに望んでいるのです。何故なら、焦らされたいから。

並んで歩いているというのに、手を握ろうとしてこない。軽く手がぶつかってドキッとしたのに、その後つないでこようとしない。向かい合って 話し込んでいて、ふと手を握られたらふりほどきはしないのに、そうしてこない・・・・・・。次の段階に進もうと思えばいつでもすぐに進めるのに、そうしよ うという素振りも見えない。こちらは既に抱かれる準備が出来ているのに・・・・・・。焦らして焦らして焦らして、ようやく結ばれるとき、それはそれは興奮 すると思うのです。

「お互い好意を持っている」=「すぐに関係を持つ」というのではなく、「お互い好意を持っている」けれども「すぐに関係は持たない」という のは、大人の男女にしか出来ない関係性だと思います。どうやって進めるかを知っているからこそ、あえて進めない、という選択。これは、最高にセクシーな関 係だと思います。ですので、今現在恋が始まりそうな方は、そんな女性のちょっとエッチな願望を、頭の片隅に置いておいていただけましたら幸いです。焦らす あなたは「余裕のある男性」として女性の目に映りますし、二人の関係も燃え上がりますし、一石二鳥ですよ!

そして次に、既に決まったパートナーがいる場合。この場合は「スキンシップの欠如」が問題になってくるのではないかと思われます。長年連れ添っていれば、セックスレスならぬ「スキンシップレス」が起こっている可能性もありますよね。

ラブホテル評論家という仕事柄、セックスレスについての相談もよくされるのですが、マンネリに陥っている相手とは、そもそものスキンシップがなくなっている場合が多くあります。

上手くいっている夫婦というのは、意外と日常的に家庭内セクハラが巻き起こっているものです。奥さんのお尻をペロン、と触っとく位がいい。触られたほうも、「もーっ」とかなんとか膨れながらも、悪い気はしてないのです。そんな塩梅が理想的です。

関係が長くて、「今更スキンシップなんて・・・・・・」と思う場合は、温泉にでも行って一緒にお風呂に入り、お互い向かいって手を揉み合う とか、マッサージしあうのがオススメです。手を揉んで、相手の手をじっくり見ると、色々な発見があると思います。仕事をしてきた手、家事をしてきた手、相 手を支えてきた手。愛してきてくれた手・・・・・・。しみじみ振り返ったら、きっと自然に相手への感謝の気持ちが湧いてくると思います。

その時は、どうか素直に「ありがとう」を言ってあげてください。感謝の言葉を口にすると、相手との距離が近づきます。セックスレス、スキン シップレスでお悩みの方は、是非一度、騙されたと思って、相手に感謝の気持ちを伝えてみてください。そして、手をつないで、抱擁してください。

恋が始まる予感もないし、長年連れ添ったパートナーもいないという方は、ペットを撫でるだけでもオキシトシンは分泌されるそうなので、可愛い動物たちに癒やされてください♡ 恋人も夫もペットもいない私は、自分自身を抱きしめてあげたいと思います!
それでは、また次回^^/

日向 琴子

漫画家、モデル、WEBテレビ局社長、ラブホテル評論家。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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