Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

大人の女性の取扱説明書

シリーズ第6回目は「パートナーシップ」

パートナーシップと聞いてまず思い浮かぶのは「男女」でしょうか? お仕事におけるパートナーシップもありますね。

私ごとき若輩者がこの領域のお話をするのは僭越だとは思いますが、世間一般には「大人」と言われる、もうすぐ39歳、アラフォー、バツイチの私が今感じていることを綴ってみたいと思います。

皆さんは、若い頃に「愛と恋の違い」を友達と話したりしませんでしたか?
たいていの場合、落ち着く先は「恋とはいつか冷めるもの。愛は永遠に続くもの」というようなことではなかったか、と思います。そして誰もが、永遠に続く愛を夢見たのではないでしょうか?

「付き合うって一体何だろう?」「付き合うって一体どういうことなんだろう?」「ひとは何の為に出会い、そして別れるのだろう?」というのは、私にとって、長らく人生のテーマでした。そして、考えに考えて30を過ぎてしばらくした辺りで、ある日突然閃いたのです。

「付き合うとは、お互いの成長に【付き合う】こと」だと。

読者の皆様には「なんだそんなこと」と笑われてしまうかもしれません。しかし、私は自分の中でこの答えに辿り着いたとき、様々なことが腑に落ちたのです。そして、「関係が上手くいかない相手とは別れる」ではなく、「関係が上手くいかない理由を克服する」ようにすると、次のステージに進むことが出来ることを知りました。

完璧な人間などいないから、誰にだって至らない点はあります。職場の人間関係とか血縁関係だと、例え気に入らないことがあっても「我慢しなきゃ」「仕方ない」と受け入れることも多いと思いますが、それよりも自由度が高い恋愛では「気に要らなければすぐに次!」ということも可能ですよね。

でも、「気に要らなければすぐに次!」を繰り返しても、そこにある「課題」を克服しない限り、その問題は自分の前に現れます。 関係が上手くいかないのは、相手が悪いからではありません。関係がうまく行っていないのは、そこに「学びの種」があるからです。そこに「学ぶべき課題」があるから、「関係が上手くいかない」という現象が引き起こされているのです。

2人の関係の存続を脅かすようなことが起こったとき、それにどう向き合うかが重要です。関係を続けていく上で、意見の食い違いから言い争うこともありますね。そういう時、私は「自分の気持ち」を伝えるように気を付けています。例えば、パートナーがとても遅く帰宅してきたときの「心配」のシーンで考えてみましょう。こんなとき、つい「こんな遅くまで何してたの?」と相手を責めるような言い方をしてしまいがちですが、「電話もメールも無いから、私はとても心配していたよ」と伝えると、攻撃的な感じもなくなり、「心配」という気持ちが伝わりやすくなります。これは、アドラー心理学で使われている「アイ(I)メッセージ 」という表現方法です。

男性は、争うことが苦手なかたが意外と多くて、女性と言い争いになりかけると、その話題に触れることすら避けてしまう傾向にあるようですが、我慢するのもストレスですし、自分の気持ちは伝えたほうが良いと思います。言い方にさえ気を付ければ良いので、「相手との関係を良いものにしていきたい」という気持ちがあるかたは、是非、自分の感情をアイ(I)メッセージで相手に伝えてみてくださいね。

自分の意見を言わないことは、関係を放棄していることと同じです。伝えてくれないと理解できませんから、嫌なことはきちんと伝え、自分という人間を相手に理解してもらえるように務めましょう。あなたは女性に便利に使われてよい存在ではありません。女性のわがままを全て受け入れる必要はないのです。

お互いの成長に付き合い、お互いに関係を続けていく意思があることをコミットすること。何があっても離れないという信頼関係を築いていくこと。あきらめないこと。見捨てないこと。つまるところ、それが『パートナーシップ』ではないかと思うのです。

しかし、あなたが真のパートナーシップを築きたいと思っていても、相手の魂がそのレベルにまで達していない場合は残念ながら関係はそこで終わってしまうことが多いのも事実です。そこで別れを選ぶのも、相手を引き上げてあげる(付き合う=相手の成長に付き合う)のも、それはあなたの自由ですから、そんなときはこのコラムは気にせず、ご自身がより幸せだと感じられる方向へ進んでください。

年齢に関係なく、自己が確立できている女性であれば、真のパートナーシップを築いていくに相応しい相手となることでしょう。お互いを引き上げて行くことが出来るパートナーになれば、人生は加速度をつけて良い方向へ進んで行きます。自分の土台が出来て、パートナーシップの存在を確かに感じ、永遠の愛、揺るぎない関係性に自己が確立されていくイメージです。そして、男女間においてパートナーシップを手に入れたひとは、そこから仕事でも飛躍的に伸びていくことが多いようです。

パートナーシップにも様々な段階がありますが、最終的に本当に幸せなお金持ちに愛妻家が多いのは、どうもその辺りに秘密があるような気がしてなりません。

最後に「離婚」についてですが、基本的に当人同士の問題ですから、他人がどうこう言えることではないと思っています。しかし、個人的には「続けるのもアリ」だと思っています。

離婚はさほど珍しいことでもない今の世の中で、「合わないから次!」「愛が冷めた」とさっさと見切りをつけることは、誰も咎めはしないでしょう。しかし、今合わなくてもそのうち合ってくることもあるでしょうし、冷めたかのように思った愛でも、再燃する可能性もあります。

「いろんなことがあったけど、2人でなんだかんだ乗り越えてきたね」と、歴史を共有できる相手がいる人生も素敵だと思うのです。パートナーシップの醍醐味は、そういう歴史を共有していくことなのではないかな、と、最近の私は思っています。

2人で人生を乗り越えてきたという思い出の歴史を、いつか縁側でお茶でも飲みながら、パートナーと語り合う老後を迎えたい・・・・・・。そんな相手と巡り会いたい。それが今の私の願いです。

全ての出会いには意味があり、無駄な出会いは何ひとつありません。あなたの人生に起こること全てに意味があり、偶然など無く、全ては必然で必要なことなのです。

そして、「今見えている世界」が「あなたが見ている世界」です。

あなたがどのように世間を見ているかで、見えてくる世界が変わってきます。例えば、「世知辛い世の中だ」とあなたが思っていると、世の中の世知辛い部分ばかりが見えて来るし、「世界は愛に満ちている」と思えば、溢れんばかりの愛に包まれている自分も感じることが出来るでしょう。

あなたには、どんな世界が見えていますか?

願わくば、信頼しあえる相手と愛に満ちた世界でありますように。素晴らしい世界だと、感動する毎日が送れますように。

私もあなたを愛しています。最後まで読んでくださってありがとう。

日向 琴子

漫画家、モデル、WEBテレビ局社長、ラブホテル評論家。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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