Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士と行きたい京都

シリーズ第18弾 京の美食処vol.5【割烹たいら】

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さまざまな伝統行事が目白押しな京の夏、7月1か月に渡って行われた祇園祭りも終わり、夏の終わりを告げる五山送り火まであと僅か。夏の風物詩として京都人の心に寄り添い、古くから受け継がれてきた先人たちへの鎮魂の灯、五山送り火は過ぎゆく夏の夜を焦がす。行事が実施される8月16日を過ぎると、ようやく京都にも秋の気配が・・・

別名鱧祭りとも言われる祇園祭りからお盆にかけてたくさん出回る鱧は値段も跳ね上がり、勿論美味しい訳だが、9月から10月の初旬頃の鱧は8月までの鱧とは別物のように、脂が乗ってきて美味しくなる時期。「紳士と行きたい京都」シリーズ第18弾は、京都だからこそ出会える「京の美食処vol.5割烹たいら」さんをご紹介。初秋は旬の盛りとはまた違う、季節の重なりあう時期だからこその恵み「走り松茸に名残り鱧」に出会えるかも♪

【割烹たいら】

京都の市街地の中心エリアである四条烏丸から二筋下がった仏光寺通り、かつては静かな住宅地であったが、ここ数年の間にフレンチやイタリアンをはじめ、古い町家をリノベーションした粋でセンスの良いお店が続々とオープンしている。4軒の長屋が連なるうち1軒が今回ご紹介させて頂く「割烹たいら」さん。ご主人は、ミシュラン三つ星の名門割烹「千花」さんで21年間もの長きに渡って修行を積まれ、満を持して独立、2012年5月この地に新店を構えられた。

外観はいかにも京都らしい町屋造り、兄弟筋の「千ひろ」さんから送られたという素敵な暖簾からは「頑張るんだぞ!」と温かなメッセージが伝わってくるような・・・じーんと京都の良さを感じつつ、本日のお料理にわくわくしながら暖簾をくぐる。

店内に入ると美しい大きな白木のカウンターに8席のみ、高い天井にゆったりと落ち着きのある空間で、奥の窓越しに見える美しい坪庭には緑が静かに煌いている。表格子から優しく漏れる光、そしてその光に輝く床、また随所にみられる和のエッセンスとモダンな感性が融合する店内は、趣きある町屋の空間美だけではなく、京町家の粋が詰まっているよう。

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お料理は高価な食材だけに頼らず、野菜をとても丁寧に料理した滋味に富む品々。まず一品目は、温かい汲み揚げ湯葉のわさび醤油に刻み三つ葉が。ほかほかでトロトロの湯葉は本来の豆の甘味がふわ~っと口いっぱいに広がり、旨味がしっかりした一品。お連れした友人はみな口を揃えるように「わぁ~京都にきてることを実感するわぁ~」と思わず笑みをこぼしつつテンションあがるご様子。

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この日頂いた「生鱧の糸造り」、焼霜にもせず落しにもしない完全レアの鱧は私も人生でお初、丁寧に骨を除き皮を引いて糸造りにされたものだ。もっちりとした食感に上品な甘みと旨みがあり、焼霜や落しとはまた違った美味しさ。市場には出回らない貴重な部位、鱧の浮き袋の肝和えや鱧の子と鱧のオンパレード、キーンと冷えた美味しい冷酒がよくすすむこと・・・

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黙々と包丁を握りながらも、こちらのお箸のすすみ具合を見て、絶妙なタイミングでお次の椀物が。美しい塗りのお椀に四季折々の食材が使われた季節感の演出である椀物、この日は鱧としんじょうでさらに心高ぶる。蓋を取るとふんわりと鼻に抜ける華やかなお出汁の香りに頂く前からうっとり。昆布と鱧の旨みが溶け出し、澄んだお出汁の旨みと奥行き感、口の中でほろほろっと崩れる鱧の絶妙な火入れはさすが!良質で上品な出汁のクオリティのレベルは高く、ご主人の技量を尽くされた椀物に「はぁ〜っ」とあまりの美味しさ感動のため息が・・・

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使われているお皿はアンティークも多く、美しい豆皿に一品ずつ提供されるスタイルは、ひとつの料理を幾つもの見せ方に表現され、舌では勿論、目でも料理を愛でながら、和食の奥ゆかしさまでを感じさせられる。

さりげなく客の話に耳を傾け、よい距離感で対応される柔軟さ、そしていつも笑顔を絶やさず気さくで愛想がよいご主人は、お話も楽しく客の心を和ませてくださる。片肘張ることなくほっこりしながら美食に舌鼓・・色々とちょっとづつ、綺麗で美味しいものを食べたいという女性の心をくすぐる事まちがいなし!!!

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店名 割烹たいら
住所 京都市下京区仏光寺柳馬場西入ル東前町401
TEL  075-551-7271
時間 18:00~21:00 (昼は予約制)
定休日 月曜、月1回日曜不定休、年末年始

 

田中 栄美(Emi Tanaka)

京都生まれ京都育ち、京都を愛してやまない生粋の京女。趣味は海外旅行、美食巡り、お料理

FBアカウント https://www.facebook.com/emi.tanaka.9887

 

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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