Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士と行きたい京都

シリーズ第13弾 京の夏空に響くコンチキチン♪雅な祇園囃子の音色に誘われて

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「コンコンチキチン、コンチキチン♪」

6月も半ばを過ぎると気が遠くなるほど蒸し暑くなる京都、街中に聞こえてくる雅な祇園囃子の音色を耳にすると無性にワクワクと心浮き立ち、いよいよの夏を実感する。この時期、朝は通勤途中の鉾町を通り抜け、鉾建てを垣間見たり、仕事帰りにはお囃子の練習を見ながら涼しげな音色に耳を傾けたり・・・幼い頃は両親に連れられ、鉾を見ながら夜店で金魚すくいをしたり、かき氷をを食べたり・・・祇園祭宵山は1年のうち最も楽しみなイベントだった。そんな思い出を懐かしみながら、毎年必ず宵山に出向いてしまう。そう、祇園祭り見ずにして夏は迎えられないほど、京都人にとっては祇園祭は一大イベントなのだ。

日本三大祭りの一つ、ユネスコ無形文化遺産にも登録された由緒ある祇園祭は1,100余年の年月を経て古都の夏を彩ってきた町衆の息吹、その伝統が今もなお受け継がれている。

祇園祭の起源は遡るは平安時代、京の都をはじめ全国で疫病が流行していた。そこで当時の人々は神泉苑にスサノヲノミコトなど祇園の神様を迎えた神輿3基と66本の矛を立てて、災厄や祟りを防ぐための鎮魂儀礼を行い、神に疫病を鎮めてもらおうとしたのが始まりらしい。

さて、祇園祭といえば17日山鉾巡行とその前夜祭の宵山を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。多くの夜店で賑わう宵山、重さは約12トンにも及ぶ豪華絢爛の山鉾が街中を練り、特に四条河原町交差点での辻回しは必ずTVにも映し出される。しかし実際は1日の「吉符入り」に始まり、10日からの「鉾建て」、そして17日の「山鉾巡行」を経て31日の「疫神社夏越祭」まで、さまざまな祭事が1ヵ月も続く長いお祭りなのだ。

「紳士と行きたい京都」シリーズ第13弾は、古都の夏を彩る祇園祭のひと味違った見どころをいくつかご紹介。

京の伝統と文化を伝える一大ページェント、夏空に響くコンチキチンの祇園囃子、浴衣に着替えてお出かけされてみてはいかがでしょうか。

★13日、14日の夜にゆっくり風情を味わう

祇園祭で最も混み合うのは山鉾巡行とその前日である宵山。13日にはすでに山や鉾が立っており、夜7時ごろから提灯の灯がともり、祇園囃子の“コンチキチン”の演奏も始まる。観光客もまだ少なく地元の人がのんびり楽しんでいて風情がある。コンチキチンを聞きながら近くの店で一杯飲むのも粋な過ごし方。人ごみが苦手な人は、一足早く13日や14日の夜に行かれる事をお薦めしたい。

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 ★動く美術館に登る

14日~16日の間、「動く美術館」とも呼ばれる鉾の上に登ることができる。鉾に上がるのは有料で、一部の鉾はに女人禁制の場合もあるので事前にご確認を。各山では懸装品の数々が展示されており、なかには遠く中国、ペルシャ、ベルギーなどのタペストリーや円山応挙の作品もあり見どころ満載。

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★屏風祭

7月14日から16日までの間、山鉾町の旧家や老舗が秘蔵している屏風や美術品、調度品などを祭り見物に来た人々に通りから鑑賞してもらえるように公開。山鉾町の洗練された伝統を守り、「文化を大事にしたいと」の思いで行われている宵山期間中だけの貴重な催し。

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 ★神幸祭

祇園祭は豪華絢爛に飾られた鉾町の山鉾がクローズアップされるが、是非お勧めしたいのが17日夕方から行われる神輿の巡行「神幸祭」。祇園祭の信仰の中核を担う神事なのだ。八坂神社の神様をのせた三基の神輿が、四条寺町の御旅所へ向かい、24日の還幸祭まで鎮座される。三基で1500人以上もの神輿の担ぎ手が八坂神社の氏子たちの町内を“ホイットホイット” というかけ声と共に練り歩く。特に祇園石段下に三基の神輿が集結し、担ぎ手たちがお神輿を高々と担ぎ上げる「差し上げ」は雄々しく圧巻!優雅な山鉾巡行と対照的に、ものすごい熱気に包まれる中、勇壮で荒々しい神幸祭は山鉾巡行とは違った魅力に満ちる。

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★祇園祭りの主な日程
7/1~5   吉符入り(各山鉾町)
7/1    長刀鉾町お千度(八坂神社)
7/2    くじ取り式(京都市役所)
7/10   お迎え提灯(八坂神社~京都市役所~八坂神社)、神輿洗(四条大橋)
7/10~14 前祭 山鉾建て(各山鉾町)
7/12~13 前祭 曳初め・舁初め(各山鉾町)
7/14~16 前祭 宵山(各山鉾町)
7/16   献茶祭・石見神楽(八坂神社)、日和神楽(各山鉾町・四条御旅所・八坂神社)
7/17   山鉾巡行・前祭巡行、神幸祭(八坂神社~四条御旅所)
7/17~24 無言詣り(四条御旅所)
7/17~21 後祭 山鉾建て
7/20~21 後祭 曳初め・舁初め
7/21~23 後祭 宵山
7/23   日和神楽(後祭)、役行者山 護摩焚き(役行者山)、あばれ観音(南観音山)
7/24   山鉾巡行・後祭巡行、花傘巡行、還幸祭(四条御旅所~八坂神社)
7/28   神輿洗式(八坂神社~四条大橋)
7/31   疫神社夏越祭(八坂神社内の疫神社)

 
■公益財団法人 祇園祭山鉾連合会  
http://www.gionmatsuri.or.jp/

■有料観覧席のご案内
http://www.kyokanko.or.jp/gion/kanran.html

■京都新聞『祇園祭』特集ページ 
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/gion/gion.html

田中 栄美(Emi Tanaka)

京都生まれ京都育ち、京都を愛してやまない生粋の京女。趣味は海外旅行、美食巡り、お料理

FBアカウント https://www.facebook.com/emi.tanaka.9887

 

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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